「痕」
(ただし今回プレイしたのは96年発売の方)
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虫の音が響く夏の終わり。 |
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「痕」攻略第1回。いまさらの気がしてならないほどの有名作ですがこれをやらずしてゲームレビューサイトは語れないそうなのでやらない訳にはいきません。前々からやりたいと思ってましたしね。 このゲームはエンディングを迎えるたびに新しい選択肢やエンディングが増えていく方式なんだそうです。複雑に見えてその実新しい選択肢を選んでいけばほぼ新しいエンディングに辿り着くことが出来るのであまり難易度は高くない模様。それでもあまり時間が無いので攻略ページを見ながらプレイさせて頂きます。どうもすいません。
今回の攻略対象は4人姉妹の長女・柏木千鶴さん。主人公である柏木耕一は1ヶ月前に父親を亡くし、その父親が住んでいた家に逗留していました。そこにいるのが美人4姉妹で、千鶴さんは母親代わりでもある長女と言う訳です。物語は耕一が悪夢にうなされるところから始まりました。その悪夢とは自分が何者かに取って代わられる……取って代わろうとされる夢。さらには自分が怪物となって多くの人達を斬殺する夢でした。 しかもその夢の通りに猟奇殺人事件が発生し、耕一は悩み苦しみます。夢の中でどんどん怪物化して、ひたすら人を殺していく自分。んで気付いたら楓や初音は犯されてるは、千鶴さんは死んでるは。とんでもないバッドエンドに。もう何がなんだか。 最初はバッドエンドにしか到達しない、という話だったので気を取り直してもう一度。今度は殺人を止めようとする千鶴さんと戦うことに……。 「…耕一さん、…あなたを殺します」 殺されました。千鶴さん、強いです。と言うか怖すぎます。と言っても耕一は自ら千鶴さんに殺されることを望んだのですが。要するにバッドエンドです。 さらに気を取り直してもう一度。今度は夢の中で戦うのではなく実際に千鶴さんと戦うことに。水の中に耕一が叩き落された後、真犯人である怪物……『鬼』が千鶴さんと戦うために登場。殺人事件の犯人が耕一ではなかったことに愕然とする千鶴さんに襲い掛かる真犯人の『鬼』。んで千鶴さんが負けそうになったその時、水の中で『鬼』の力に目覚めた耕一が復活。真犯人の『鬼』を倒すも哀れ千鶴さんは……。要するにバッドエンド。 いい加減バッドエンド続きで気が滅入って来た所でハッピーエンドに到達しました。千鶴さんに代わって真犯人の『鬼』と戦う耕一が本当の力に目覚めました。「地上最強の生物」を名乗れるほどに強くなった耕一。当然真犯人の『鬼』にも圧勝です。そして千鶴さんと結ばれてハッピーエンド。『鬼』の血をひくことで千鶴さんをずっと苦しめていた宿命。その鎖から千鶴さんは解き放たれたのです。めでたしめでたし。 鎖と言えば陵辱シーンで「次の選択肢まで進む」を使うとジャラジャラジャラジャラ鎖の音ばかりが続いて面白かったです。
要点をかいつまんで御説明いたしますと、要するに柏木家と言うのは『鬼』の血を引く一族だった、ということです。その人智を超えた力はまさに『鬼』と呼ぶに相応しく、特に男の場合は肉体が怪物化し精神的にも殺人衝動を抑えられなくなってしまう場合がほとんどとのこと。耕一の父親や、千鶴さん達の父親も同様で、人としての精神が残っているうちに自殺をしたんだそうです。今回の事件は耕一以外の男が『鬼』となって殺人を繰り返したところから始まっています。何故かそいつと精神的にシンクロしていた耕一はそいつが事件を起こす様子を夢として見ていたのですが、千鶴さんは事件の犯人を『鬼』と化した耕一と判断し、心を痛めながらも耕一を殺そうとした訳です。
ふぅ……なにやらこの「痕」の世界に一気に取り込まれてしまったような感じです。まず感じたのが圧倒的な文章のパワー。ボイスは無い、背景CGは写真の加工、立ち絵の数も豊富ではない……それでもここまで引き込まれたのはひとえにシナリオと脚本から迸らんまでに感じる『パワー』のせいに他なりません。 ストーリー自体は短いけど、エンディングを見るたびにエンディングが増えてきて、謎も解けてくる……そして最後はハッピーエンド。もう一気にやらずにはいられなくなる作りです。2周目以降は既読スキップがあるので冗長感もありません。いや……正直参りました。本当に圧倒された感じです。
勢いに乗って梓シナリオに突入。次女の梓はおっとりとした感じの千鶴さんとは正反対。元気で短気で暴力的。でも料理は上手い。 自分を慕ってくる後輩を『鬼』に浚われた梓が、夢でその様子を見たという耕一と共に犯人の捜索を始めるところから梓シナリオに突入です。夢の中での情報の元、必死の捜索でついに犯人の家まで突き止めた2人はそのマンションに突入。ここでマンションに突入する前に警察に連絡するかどうかでエンディングが分かれてくるのですが、結局最初はバッドエンドになります。犯人に捕らえられ陵辱される梓、殺される耕一。これ以上は無いってぐらいのバッドエンドでした。気を取り直してやり直しです。 パワーだけなら姉妹一である梓も『鬼』の力を解放して戦いますが、真犯人・刑事の柳川の『鬼』には太刀打ちできず。この犯人像には結構驚きました。まさかこいつが……と言うかこんな奴忘れてましたから。薬を飲まされて耕一とヤらされる梓……この辺の描写がまた生々しくて怖いです。んで今回耕一は『鬼』にはならず、そのマンションの部屋の持ち主であり、柳川と深い関係にあると思われる青年が拳銃を撃って柳川が死亡……という何とも言えないエンディングでした。一応ハッピーエンドはハッピーエンドなんですが、どうもすっきりしないと言うか。柳川が何故『鬼』なのか、その青年とはどんな関係なのかなど謎が残りまくりでしたがそれはこれからわかっていくのでしょう。
と言う訳で「痕」です。さっきも言いましたが正に『圧倒的パワー』という言葉ぴったりの作品だと思います。高橋龍也氏、恐るべし。改めてそれを理解いたしました。 |
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「痕」攻略第2回にして最終回。 まずは三女・楓ちゃんです。耕一が4姉妹の家にやってきてからもほとんど自分と話そうとしない楓ちゃんが気になる耕一(と言うか気にならせた)。強引気味に問い詰めると楓ちゃんの部屋で話をすることに。 すると唐突に楓ちゃんへの想いが膨れ上がってきた耕一はその場で愛の告白。さらにはその場でヤっちゃいました。この怒涛の勢いにやや置いてけぼりチックな俺。そこで明らかになった事実によると、2人はなんと前世で愛し合っていたのです。もうここまでくると唖然くらうしかありません。 要約いたしますと、耕一の前世は昔『鬼』と呼ばれていた『エルクゥ』なる異星人と戦った人間であり、楓ちゃんはその『エルクゥ』の女でした。耕一の前世が瀕死となった時『エルクゥ』の力を宿ることで助けた楓ちゃんの前世でしたが、彼女は裏切り者として仲間に殺されてしまいます。耕一の前世は楓ちゃんの前世の妹の協力のもと『エルクゥ』を滅ぼし、その後2人は結婚……ということでした。 そして今、耕一に『エルクゥ』……つまり『鬼』の力が目覚め始めていました。前世において深い関係にあった自分と関わるとそれだけ耕一のちからが目覚めやすくなってしまう、と楓ちゃんは耕一から距離をとっていたのです。それも自分の気持ちを押し殺して……。お互いの気持ちを確認しあった2人。 そこに突然現れたのが千鶴さん。あんた隣で聞いとったんかいなと思わないでいられない絶妙なタイミング。『鬼』の力が完全に目覚めようとしている耕一を放っておくことはできない、と千鶴さんは楓ちゃんもつれて耕一を連れて川原へ。そこで耕一が『鬼』の力を完全に使いこなせたら耕一の命は助けよう、と。 『鬼』の力を解放する千鶴さんは耕一を攻撃。それに反応して耕一も『鬼』の力に目覚めます。その力は千鶴さんを遥かに凌駕するもの。しかし自分の力を持て余し気味な耕一と違い、千鶴さんは自分の力を完全に使いこなしています。激化する2人の戦い。それに巻き込まれる楓ちゃん。逃げ去る耕一。バッドエンド。早っ。 気を取り直してもう一度。今度は楓ちゃんが巻き込まれると同時に耕一の理性が完全に『鬼』の力を使いこなせるようになりました。深手を負った楓ちゃんでしたが、楓ちゃんも『鬼』の血を引く者。翌朝にはすっかりよくなり、耕一と愛を確かめ合うのでした。めでたしめでたし。
色々言いたいところはありますが、とりあえずこのまま初音ちゃんに突入。 設定上は高1でも見た目は完全に小学生の初音ちゃん。この娘とはやらないよな……なんて考えていた自分が甘ちゃんでした。ある夜、2人は川原で花火に興じます。すると初音ちゃんが耕一の親父からもらったと言うアクセサリーが動き出しました。それはパッと見何かの牙のような、角のような……そんな感じのもの。それが光りだして、しかもあるはずの無い洞窟までもが現れました。 嫌がる初音ちゃんを強引に連れてその中に入っていく耕一。しかしいつしか出口は無くなり、完全に迷ってしまう2人。しかも後から後から現れる大量の亡霊達。この亡霊達は遠い昔に滅ぼされた『鬼』の亡霊でした。例のアクセサリーことお守りの光に弱い亡霊達ですがあまりにも多勢に無勢。やがて耕一は亡霊に取り付かれて、その身体を操られて……初音ちゃんを犯しまくることに。亡霊達の狙いは2人の子供に生まれ変わること。やがて耕一が何も考えられなくなり、もう何回交わったのか分からなくなってきたころ……亡霊達の願いは成就。つまりバッドエンド。 気を取り直して再プレイ。今度は亡霊に身体をのっとられながらも必死の抵抗を見せる耕一。するとなりを潜めていた例のお守りが復活。燦然と輝きだし、亡霊を全てフッ飛ばしました。そのお守りは耕一の父親の意志が宿っており(本人の牙か角?)、そのお守りに初音ちゃんを守ることを誓う耕一。その後耕一の前世が滅ぼした『エルクゥ』の親玉の亡霊が出てきたり、『エルクゥ』達が地球にやって来た時の宇宙船が出てきたり、母なる星に帰っていったりしましたが蛇足以外の何物でもないので省略。 とうの昔に想像が出来ていましたが、初音ちゃんの前世は楓ちゃんの前世の妹でした。つまり『エルクゥ』の仲間を裏切り、その後耕一の前世と結ばれた者だったのです。さらに前世にはさらに2人の姉がいたそうなので、おそらくそれは千鶴さんと梓の前世なのではないか、と想像ができます。とにかく耕一とは前世からの繋がりがあった初音ちゃん。耕一の前世にといっては本来の相手であった姉(=楓ちゃん)のことを気にする初音ちゃんでしたが耕一の気持ちは初音ちゃん一筋に。と言うか耕一は攻略相手のことをずっと昔から想ってばかりです。なんて気の多いやつなんでしょうか。
あと連続猟奇殺人事件の真犯人である刑事の柳川の過去をたどるシナリオもありましたが、そのあまりに生々しくも凄惨な描写は書く気が起こりません。どんなに悲惨な過去を持っていたとしても許される行為ではありませんでしたが、それでも同情せざるを得ない人物でした。せめて耕一の手で安らかに眠るがいい……って楓ちゃん&初音ちゃんシナリオではこいつ野放しですか? とっとと殺っちゃってください、こんな奴。
そしておまけシナリオ。本編の雰囲気をぶち壊しにしかねないほど面白いものからかなりブルーになるものまで品揃えは豊富です。お気に入りは気の弱い梓や明るい楓ちゃん、そして不良の初音ちゃんの出てくる『柏木家の食卓』。千鶴さんって一体……(笑)。
とにかくこれにて「痕」クリアーです。かなり駆け足でやってしまいました。作品そのものが短い上からというのもありますが、それ以上に一気にやらされてしまった、と言うのが本音です。全体的なストーリーとしては全てつながりがあるものの、ジャンルとしては千鶴さんや梓の『鬼』編と楓ちゃん&初音ちゃんの『前世』編に分けることが出来ると思います。そして俺的には前者の『鬼』を前面に押し出したストーリーの方が数段面白いと感じました。中でも千鶴さんシナリオは秀逸です。一番好きなキャラは梓ですけどね。 今回のプレイで一番感じたのはやはりテキストから感じる『ド迫力』でした。あんなのを書ける人ってのは一体どんな人なのか……ってハートフルコメディー「ToHeart」と同じ高橋氏なんですよね。やはり凄い人は何を書かせても凄いということなんでしょうか。 ヒロインを『女子高生』と明記できる時代のこの作品。この「痕」には『時代を感じさせない傑作』、そんな言葉がピッタリだと思います。面白かった!!
ちなみに。 「痕」クリア後にすぐさま「雫」攻略に突入しました。攻略ページを見ながらのプレイだったのですが、一気にオールクリア達成。全体のボリュームが少なめだったのもありますが、やはり理由として一番にあげられるのは独特の世界観に引き込まれたからでしょう。いやぁ……すごかった。 世界の破滅を願う主人公と狂気の扉を開いてしまった者達によるまさに『狂気の宴』。果たして『電波』とは一体なんなのか。事件の裏側には一体何があるのか。『狂気』の向こう側に潜むのは……やはり人間なのか。 主人公と共に事件を追うのは狂気の扉を開いてしまった親友のために出来ることを模索する大人しい生徒会役員・藍原瑞穂。たまたま深夜の集会の目撃者となり、正義感と好奇心から事件に首を突っ込んできた元気で明るいバレーボール少女・新城沙織。そして不思議な雰囲気を持ち、自身も狂気に身を委ねている正に『電波系』少女の月島瑠璃子。と言うかこの『電波』ってのはこの「雫」が元になって広まった言葉なんでしょうか? なんか以前そんな話を聞いたことがあるような無いような。 人を完全に操り、精神を破壊することができる『毒電波』。それを自在に操る者もまた『狂気』の扉を開いてしまった者。この『宴』に終焉は訪れるのか。果たして事件の結末は……ってどのエンディングも完全なハッピーエンドに思えないのは俺だけでしょうか? 全員が幸せになれる……そんなエンディングも欲しかったです。 |