2002.9.1 「ありがとう『それ散る』」編


これにて……。

 

【11/18】

委員会で遅くに帰ってきた舞人。

アパートの外から暗い窓を見た舞人は一瞬足をとどめた後、駆け出していました。

冷たいドアノブを握り、部屋の中に入るとそこは真っ暗で……でも、彼女はそこに。

制服姿のまま、ベッドの傍に寄りかかってうたた寝していた青葉。

その頬には涙の雫が伝った跡。

舞人は覆いかぶさるように青葉の体を抱いていました。

「おにいちゃん……」

強く抱き合い、互いを求める2人……。

 

Hシーン。

まぁ……普通かな。

微妙に青葉の胸が大きすぎるような気もしましたが。

 

「いつでも会えるんだから、離れたってどうってことないよ」

「青葉ちゃんが俺を忘れないかぎりはさ」

「忘れないよ」

「私、絶対に忘れないよ」

「忘れるわけないもん……こんなに、好きなのに……」

 

そうは言っても……。

 

【11/23】

朝陽に悲劇の始まりを告げられた舞人。

もうすぐ……です。

 

【12/4】

修学旅行初日。

当然覗きには行きません。

 

【12/5】

夜。

青葉が語っていた不吉な言葉で舞人は目が覚めました。

深夜のロビーで缶の緑茶を一気に飲み干して、いやな夢と記憶を思い浮かべる舞人。

その時携帯がなりました。

「は、はいっ、どちらさまで……」

『おにいちゃん?』

な@「えーと、たぶん」

『たぶんじゃないよー、おにいちゃんでしょ』

電話の向こうの愛らしい顔を思い、心を和ませる舞人。

『もお! 電話代もったいないんだから、馬鹿なこと言わないの。てやんでえだよ』

「……す、すいません。あ、じゃあ用件は?」

『うん、別に用事はないんだけど』

「電話代もったいないよ?」

『もお! 電話代ぐらいで、しょっぱいこと言わないの。てやんでえだよ』

「……す、すいません」

そんな無茶苦茶なやり取りが嬉しい舞人。

海の向こうにある明かりのもとにあるいつも通りの日常を思って。

携帯電話を買った、とはしゃぐ青葉は本当に楽しそうです。

どうやら小町と一緒に買いに行ったようですが……小町は2人の関係を知っているのでしょうか?

第2部になったら一切出てこなくなっちゃったし……小町ぃ。

今舞人の部屋にいる、という青葉に舞人は思います。

いつまでだっていて欲しい、と。

『おにいちゃんを待ってるこの明かりが、きっと恋のしるしなんだね』

「あーもう分かったよ。そっち戻ったら寄り道しないで帰るから」

『えへへ、やったー。じゃあ私、特別メニュー作って待ってるね。おにいちゃん、食べたいものある?』

「あー、そうだなあ……。いいや、なんでも。青葉ちゃんの料理なら愛情がいっぱい詰まってるから」

『……っ! も、もぉ……おにいちゃんこそ、新婚さんみたいなこと言わないでよう』

楽しい……楽しい会話ですが……。

『それじゃあね、おにいちゃん。おやすみなさい』

「ん、おやすみ」

そして舞人が耳から電話を離して切ろうとした時。

『ぜったい……帰ってきてね……』

「えっ……?」

慌てて電話に耳をあてるも、聞こえてくるのは電子音のみ。

それは全ての終焉を告げる早鐘のよう。

ただ立ち尽くすのみの舞人でした……。

 

【12/6】

修学旅行終了。

帰りに山彦に誘われた舞人ですが、そえどころではありませんでした。

ただただ不安に包まれる心。

そんな舞人が向かったのは……桜の丘。

朝陽の告げるゲームの終わり。そして怒号。

 

アパートの前にて。

見上げた窓は暗い闇に覆われていました。

階段を上がると隣家の扉は開け放たれていて、中には大家が一人でいるだけ。

そこには表札も既にありません。

そして舞人が自分の部屋の扉を開けると、そこには身も凍るような漆黒の闇が。

込み上げてくるのは涙の代わりの薄い笑い。

 

ただいま、ひとりの部屋。

 

 

 

 

 

おにいちゃん、今日は何時ごろ帰ってくるの?

 

 

 

【12/24】

山彦とクリスマス慰撫。

嗚呼山彦よ、永遠なれ。

 

【1/15】

浅間先生に励まされる舞人。

「適当に! 生きるな!」

いい人です、独身28歳。和観さん、オススメですよ?

 

【2/14】

独りで歩く街。

思い出されるのは並んで歩いた何気ない週末のこと。

 

外から眺める暗い窓。

かつては明かりの灯っていた窓。

 

薄暗い台所。

温かな香りのあった場所。

 

確かにそこにあった幸せを想い、気付くのが遅すぎた自分が独りであることを思い、舞人は涙を流します。

でも後悔はしません。

あの幸せだけは確かだから。

食事を作り、掃除をして、選択を片付けた舞人。

寝る前に一時間ほど机に向かったのは規則正しい生活習慣が口癖だった彼女の教えを守るため。

たとえ1人でもしっかりと生きていこう。

そう舞人は思うのでした。

 

【2/21】

桜香によって与えられる「一度きりの機会」。

舞人は笑っていられるのか……。

 

【4/7】

春休み最後の日。

山彦とひとしきり遊んだ後、参考書を買って帰宅。

舞人も受験生です。

 

窓の明かりに目をみはりました。

それは舞人を待つ明かり。

胸の奥から込み上げる衝動に、駆け出していた舞人。

ドアの前で息を整え、かすかに震えそうになる手でノブを掴んで、力を込めて……と思ったら、それを舞人が回すことはありませんでした。

ドアが開いて……中からは舞人を向かえる白光、そして舞人を待つひと。

 

「たっ……」

 

涙で震えそうになる声を抑えて、落ち着いた声で舞人は言いました。

 

「ただいま」

 

舞人の胸に飛び込んできたのは桜坂学園の制服に身を包み、少しだけ大人になった愛しい人。

 

 

 

「おかえりなさい、おにいちゃん!」

 

 

 

 

 

 

青葉シナリオ、クリアー!! ぱちぱちぱち。

 

……ふむ。

 

この作品のテーマとも言うべき『誰かと一緒にいる喜び』というものを一番表現しているのはこの青葉シナリオではないでしょうか。

ただそれだけに、青葉の感情にあるのが『恋愛』とはちょっと違うような感じがしてしまうのが少し残念です。

もちろん後半は舞人に対する愛で一杯だったと思いますけどね。中盤までの話です↑。

 

そしてかぐらの牙城を崩すことは出来ませんでした。

 

普段ならばヒロインの親友が出てきて舞人を励ます2/14。

しかし今回は舞人の一人語り(?)で終わってしまい、みなさんも「かぐらは?」と思われたことでしょう。

でも。

確かに今回も普段と同じだったのです。

舞人はかぐらに強さと勇気をもらっていたのです。

長年の想いに終止符を打ち、それでもなお明るく振舞ってみせたかぐらに舞人がどれほどの影響を受けたかは容易に想像できます。

そして舞人はかぐらに誓っていました。

負けない、と。

故に2/14の舞人が涙を流しつつも前向きに生きようとしたのは、かぐらのお陰と言えるのではないでしょうか。

まぁ、かぐらが出て来なかったのが残念なことに変わりはありませんが。

 

修学旅行から帰ってきた段階でいなくなっていた青葉。

前日の深夜までいたことがわかっているだけに、その早業には驚かされるばかりです。

きっと舞人のことを忘れた瞬間に『独り』となった青葉は父親のシゲさんのところに一刻も早く行きたくなったのでしょう。

その訴えを聞いた娘想いのシゲさんが超特急で引越しさせた……と言うのが真実かと。

それでもかぐらに挨拶ぐらいはしていったと思いますが、その時かぐらは舞人のことを何も言わなかったのかな?

 

青葉は桜坂学園に合格いたしました。

元々成績の悪かった青葉が桜坂学園に合格するまでには相当の努力をしたことでしょう。

それは文化祭での思いが残っていたのか、それ以上に舞人への思いが消えていなかった、と言う事だと思います。

そう考えると青葉の想いの深さが相当なものであることを思い知らされるようです。

 

 

 

そして。

オールクリア後に、もう1つのストーリーが始まりました。

それは和人と桜香の物語。

先に公園に着いて瑛達を待っていた和人の目に入ってきたのは独りでブランコに乗っている桜香の姿。

和人は桜香に話しかけました。

一度会ったことがあったからではなく。

ただ自分が寂しかったから。それ以上にそばにいてあげなくちゃと思ったから。

「一人で寂しかったんだ。よかったら、一緒に遊んでくれないかな」

笑顔。そして差し出された手。

恐る恐る伸びてきた桜香の手が和人の手に触れました。

その手を精一杯握り締める和人。

「君の名前、教えてくれる? あ、ごめん。僕が先に言うべきだよね」

「僕の名前は」

「佐伯、和人」

 

「私……は……」

「桜香……」

 

それは初めて見せる小さな笑顔と共に……。

 

 

 

これはどう言う事なのか……改めて言う必要も無いと思います。

 

和人は桜香の「希望」になったのでしょう。

 

ビバ和人!!

 

 

 

さて。

 

これにて「それは舞い散る桜のように」オールクリアです。

 

長かった……それ以上に面白かった。

そう言った感想は総評の方に書きますが、それ以上に分かっていない部分も多々あったと思います。

その辺も含めてまとめてみたいのですが、ちょっと自分の中でも整理しきれてません。

ですので後ほど『考察』という形で文章にしてみます。

 

長い間お付き合い頂きまして、真琴にありがとうございました。

それでは……。


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