2002.8.4 「……惚れた」編
小町シナリオ第3回。ガンガン行き……たいです。
【5/2】
テストの点数で山彦や希望とじゃれあっているとつばさがカラオケに行こうと言ってきました。
付き合いたいのはヤマヤマですが今回は断る方向で。くっ。
1人で帰れば何か別のイベントがあるかも、と思ったのですが何も無し。はぁ。
【5/6】
ゴールデンウィークを寂しくさくら荘で過ごす舞人。
TVに出てきたつばさの姿にカップラーメンを吹き出しつつ外へ。
すると映画館から出てきたばかりの小町と青葉ちゃんの姿を発見。
当然ここは話しかけておくべきでしょう。
3人は喫茶店へ。つばさのバイトしているシャルルマーニュです。
そこで喫茶店に初めて入ったという青葉ちゃんに今夜は赤飯だね、と舞人。
それで頬を染めてうつむいている小町を見て舞人の理不尽な怒りが炸裂。
「ところで雪村くん、チミはどうやって子供ができるか知っておるかね?」
「え、ええっ? な、なんですかとつぜん……」
赤くなって困惑する小町に舞人は当然のように悪乗り。
「どうなんだねチミ、ワシは知っとるか知っとらんかを聞いておるのだよ」
「し、知りませんよそんなこと……」
「ええ〜! 知らないのぉ、その歳で〜! うっそだああ!」
フロア中に響き渡る舞人の声。こいつスゲェな……。
「ちょ……せ、せんぱい、声が大きいべさ!」
「仕方ないなあ、それなら教えてやるよ。いいか、お花さんにおしべとめしべがあるだろう。人間もそれと同じようにだな……」
「そうそう、『ちつ』に『いんけー』を挿入するんだよね」
「…………」
「…………」
……静まり返るフロア。
「…………ばっ」
そして思い出したように舞人が……
「馬鹿、なに言ってるんだよ、でっかい声で恥ずかしいなあ雪村は!」
「え、ええっ、いまの私じゃ……」
「ひどい奴だな、おまえ! 青葉ちゃんが可哀想だと思わないのかっ」
「だ、だって……」
「だってじゃない!」
「しかしながら……」
「しかしながらでもない! 青葉ちゃんは保険の教科書で仕入れた知識をよく分かりもしないまま口にしてるだけなんだぞ、それに比べておまえはどうだ」
「失礼なおげれつ大王ですね。雪村だって足跡ひとつない雪野原のように純潔ですよ」
「そうやって自分一人が無傷でいようとするのか。おまえはそれでいいかもしれない、だが青葉ちゃんの輝かしい未来を汚す権利は誰にだってないんだ」
「雪村の輝かしい未来も汚さないでください」
「いや、おまえの未来にヨゴレこそ相応しい」
「……ううう、納得いかないよぅ」
そんな感じで強引に雪村が言ったことにされてしまいました。
しっかりと舞人のリゾットに紅茶のティーバッグを入れられて復讐はされましたが。
チャンチャン♪
それにしても実は青葉ちゃんって本当に悪女系?
計算してやってるんだとしたらスゴイな……。
【5/10】
昼休み。
桜の花びらの掃除をしていた舞人とつばさはいつしか戦いへ。
そして負けた結果つばさは下着丸見え状態で座り込んで……グッド!!
ピンクの下着と黒のニーソックスがかなりナイスです!!
つばさが逃げるように去っていったところで舞人にサッカーボールをぶつけて来たのは麦兵衛。
いくら小町のことがあると言ってもコイツ、本当にいいヤツなのかな?
放課後もつばさと掃除。
そして帰宅すると青葉ちゃんがちょど部屋から出てきたところでした。
小町と出かける、という青葉ちゃんの言葉に麦兵衛のことを聞こうと舞人も一緒に小町の部屋へ。
青葉ちゃんが部屋の中に声をかけてからドアを開けると……
「お邪魔しまーす」
「青葉ちゃんごめんねー、いまちょっと着替……」
小町着替え中。上下の下着モロ見えです。
なかなか大人っぽい下着がこれまたナイス!!
青葉ちゃん、グッジョブ!!
「…………」
「…………」
「…………え」
「…………あ」
「…………げっ」
「あ、あ、あの、わ、私、そ、その……! ご、ごめんなさい、おねえちゃん……!」
「あ……お、俺も急用を思いだした。日を改めて出直すっ」
「わ、私もっ……!」
小町の返事も待たずに部屋から飛び出す2人。
舞人は自分の部屋に帰って呼吸を整えます。
紅潮する自分の頬。
乱れた呼吸と高鳴る鼓動は一気に階段を駆け下りたせいか、もしくは……。
- 小町の姿を反芻する
- 小町の姿を忘れる
忘れるなんてもったいない!!
そりゃもう何度でも反芻ですよ。牛も真っ青ないぐらいに。
小町のあられもない姿を思い出し、悶々と……するわけじゃありませんが今まで小町に抱いた事の無い感情が浮かんできました。
「だあああーっ! ああっ、もにょもにょするっ!」
それらを振り切るようにドアを開ける舞人。
こういうときは外の空気でも吸いに行こう、と。
「あ……」
「げ……」
でも外には小町と青葉ちゃんの姿が。
ぎこちなく笑いあっているうちに2人は出かけていきました。
結局麦兵衛のことは何も聞けないまま。
【5/14】
青葉ちゃんまで寝坊したので舞人は遅刻。
その罰として荷物運びをさせられている時、廊下で見かけたのは小町と麦兵衛の姿でした。
テンションの低い小町と緊張した様子の麦兵衛。
舞人に気付いた2人ですが、麦兵衛は当然小町の前では舞人に突っかかったりはしません。
小町がかしこまった感じのまま去っていくと麦兵衛は敵意むき出しに。
麦兵衛が舞人に小町をどう思っているのか訊かれました。
- 好きかな?
- 嫌いかな?
「好きかな?」
じゃねぇぇぇんだよ!!!
断言しろよ、断言!!
LOVEだよ、LOVE!!
全く。
ちなみにそれでも麦兵衛は荷物運びを手伝ってくれました。
やっぱりいいヤツなんだけどなぁ……。
帰り道はカバンをぶつけたかぐらちゃんとショッピング。
舞人がさくら荘に帰ってくると小町がサンダルをひっかけてわざわざ外に出てきました。
穏やかで楽しい会話。
舞人は麦兵衛のことを訊こうとして……やめました。
その代わりに……
「おまえさ……桜坂に来て楽しいか?」
夕暮れの中、固まる小町の表情。
「はい」
その声は呼吸音のように味気ない声。
「あたりまえじゃないですか!」
でもすぐにいつもの声になって。
「楽しくて楽しくて、うっかり安楽死しちゃいそうですよ。せんぱいと一つ屋根の下で生きているんですよ。これ以上の楽しみがありますか。あるかも。いや、ないない。でも、もしかしたらあるかも。ええ、まさか、そんな……」
「がんばれよ」
舞人はあからさまに聞いていないふりをして小町の脇をすり抜けアパートの階段へ。
何かを訴えている背中に受ける視線を思い込みだと決め付けながら……。
小町は舞人のことが本当に好きで……舞人と楽しく過ごすことだけが桜坂で楽しく過ごす唯一の道で。
そして舞人は……明らかに小町の気持ちに気付いていて。
それでも明るく振舞う小町が切なくて切なくて…………。
【5/18】
朝の4時にロクな用事も無い母親から電話で起こされた舞人。
今となっては「何か思い出したんじゃないだろうね」という母親の言葉の意味が少しは分かります。
この辺の謎が早く解けることを望みます。
希望とじゃれあって(ああ心苦しい……)、バイト先のことは気にしない方向で。
んで帰り道は漢・和人と遭遇。
この歳でこう俺に言わしめるとは……やるな和人。
【5/22】
食堂でこだま先輩から頼みごと。
結局や手伝うことになるのですが気持ちの上では断って、と。
放課後は文芸部の本の片付けを手伝うことに。
ひかり姐さん……かっこいい!!
帰りはかぐらに例によってカバンをぶつけるも元気なかぐら。
逞しい娘は大好きです。
【5/26】
日曜日。
- 外出しちゃおうかなっ
- 洗濯しちゃおうかなっ
ここで外に出ると希望&つばさに逢っちゃうから洗濯で。
小町でも来ないかな……と思っていたのですが(俺が)、やってきたのは青葉ちゃん。
勉強を教えて欲しい、という青菜ちゃんに何とか面目を保てた舞人。
そして1人でやってきたのは桜の丘。
もう木はすっかり緑色になっています。
そこで出会った桜香は何も語らないまま……。
【5/29】
ダルダルな登校。
校門のところでつばさや麦兵衛に会ってもみんな元気がありません。
つばさは生理中で、麦兵衛は小町に映画を断られて。ぷぷっ。
そしてひかり姐さんとこだま先輩も登場。
こだま先輩は髪を切ってきましたが……やっぱりこっちの方が似合ってると思います。
でも子供っぽくなったことにしておきました。
帰り道は和観さんに遭遇。和人も一緒です。
色々とからかわれる舞人ですが、確か前回はここで希望が出てきてさらにからかわれる展開になったはず。
今回は小町でも出てくるかと思っていたのですが何事もなく佐伯親子は去っていきました。
むぅ……。
【6/1】
衣替え。
中間テストが近いのでつばさに助けを……高圧的に頼むことに。
んで「百世紀早いよ」と。うむ、予定通り。
【6/2】
日曜日。
街で見かけたこだま先輩が誕生日だと言うのでネコさんリュックをプレゼント。
可愛らしいそのリュックはとても喜んでもらえました(嘘)。
【6/6】
出張から帰ってきた青葉ちゃんの父親・シゲさんについて話しながら青葉ちゃん・小町と登校。
小町は青葉ちゃんに夕飯に誘われると最初はOKしたのですが、舞人も来ることになったら急に用事ができた、と言い出しました。何で?
放課後、一緒に帰ろうとした山彦が麦兵衛に呼ばれたとかで舞人は一人教室で待つことに。
- 様子を見に行く
- メールでせかす
う〜ん、やはり小町を幸せにするためには麦兵衛にも近づいておく必要があるでしょう。
と言う訳で2人のところに行ってみると麦兵衛は山彦に恋愛相談中でした。
舞人が現れるとすぐに山彦に礼を言って去っていった麦兵衛。
「……にしても、なんでおまえ、あんなに嫌われてるんだ?」
「知るか。大方、いまおまえに話したことと関係あるんじゃないのか」
「ああ、そういうことね」
どっちの味方につけばいいんだ、と悩む山彦に迷うことなく向こうについてくれ、と舞人。
自分には関係無い、と言い切る舞人に山彦はいつものセリフ。
「だからおまえは不健全なんだ」
【6/11】
ネコさんリュック装備のこだま先輩登場。可愛いなぁ。
実は本当は嬉しかったとか?
もしくはこだま先輩は既に舞人のことが好きで、それで嫌でもつけることにしたとか……まだ早いか。
んで帰りは和人&瑛のカップルに遭遇。
仲良きことは素晴らしきことかな。
【6/16】
日曜日。
街にでて『昔ながらの納涼グッズ』と求めれば……小町登場。よし(グッ←手を握り締める音)。
「小町さん夏色バージョン」
何回見ても素敵です。
「瑞々しい素肌が、健康的で微笑ましいじゃないですか。あ、やだ、せんぱい、そんな目で見ないでください。もう、男の子なんだから」
やかましい、なんてツッコミも出ないほど呆気にとられる舞人。
似合ってはいるものの、どこか違和感を感じる舞人ですが……何故でしょう?
昔の小町はこうじゃなかった、と以前舞人が言ってましたがそれと関係あるのでしょうか。
「あっ、分かりました、照れてるんですね。せんぱいは刺激的な夏ッ子雪村が眩しすぎて、目のやり場に困っているんです。そうに違いありません」
「ふん、なんだそんなもん。行きずりの男どこから視覚による性的虐待を受けたって、俺は知らないからな」
「あ、ジェラシー」
「ち、ちちち違いますっ」
おっ、敬語ってことは舞人は嘘をついている……と言う事はジェラシーってこと。ふっふっふ、素直になれよ。
結局のところ誉めているのかどうかはっきりしろ言われて……
- 誉めてはいる
- 誉めてない
絶賛の嵐です(俺の中で)。
でもらしさって言うなら昔の方がよっぽどおまえらしかったと思う、と舞人。
「えっ……」
舞人はそう言ったものの小町の昔の様子なんて全然記憶にありません。
ただもうちょっとおとなしい感じだったと思う、とその程度。
「うわあ、びっくり。昔のことなんか覚えてないくせに、なんか言ってますよーこの人」
バレバレ。
「いや、おぼろげには覚えてる……気がするんだよ。おまえ、どんなんだったっけ?」
「……知りたいですか?」
急に真剣なトーンになる小町。
「お、おう」
「それでは教えてさしあげましょう。本邦初公開、雪村小町さんの知られざる過去を」
「いや、知られざるっておまえ、俺たちガキの頃からずっと隣同士だったじゃないか」
「でもほとんど覚えてないんですよね?」
そして小町の語る小町自身の過去。
ふざけたヤラセ系バラエティー風に語る小町ですがおそらくそれは本当のことなのではないでしょうか。
舞人が自分のことを嫌っていると思っていた大人しい子供の小町。
それでも母親に言われて雪の夜道に出た小町の前に現れた1人の少年(多分舞人)。
『しかしこのあと! 彼女の身にとんでもないことが!』
「いちいち引っぱるな、早く言え」
『この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りいたしました』
「終わりかよ!」
小町はクラスの子と待ち合わせしてると言って去っていきました。
どうせ大したネタも思いつかなかったんだろう、と舞人。
……むぅ。
あの小町の話ってさっきも言いましたが本当の話なんじゃないでしょうか。
つまり本当にその時舞人と小町の間に何かがあって……。
しかも小町の性格を変えるほどの大きな何かが。
と、いきなり思いついたんですが。
小町が喋りまくる……と言うか元気一杯に話をするのって舞人だけっていうことは無いですかね?
つまり麦兵衛とかに対して大人しい態度をとってる小町が本当の小町で。
舞人にだけは明るい姿を見せている……とか。
根拠は無いんですが。
夜は買い物に行くところの青葉ちゃんと会いましたが1人で行ってもらうことに。
【6/17】
朝起きたら具合の悪かった舞人。
それでも飄々としている舞人ですが小町は本気で心配そうです。
「先輩、馬鹿なこと言ってる場合じゃないべさ!」
地が出てしまうほどに心配……ううっ、イイ娘だよぉ。
「あの、眩暈とか吐き気は……?」
- 多少ある
- 問題ない
あんまい心配させたくないのですが、看病は漢の浪漫。
「でも、たぶんこのぐらいならどうってことな……」
不意打ちのように舞人の額に触れてきた小町の手。
「お、おまえっ、こんな所でやめろ恥ず……」
「待って!」
小町の真剣な表情に数秒間棒立ちとなる舞人。
「……熱はないみたい」
「だから大丈夫だと言っただろう」
「したって、万一ってこともあるっしょ」
額に手……額と額の合わせ技ほどでは無いにしろ憧れの行為です。
でも「うっひょ〜♪」とはなりません。
真剣な小町が嬉しくて、何故か俺まで暖かい気持ちに……。
ゴメンな。実はただの二日酔いなんだよ。
「こんなのただのクーラー風邪だ。いちいちうろたえるな」
そして舞人は歩き出しましたが小町は立ち止まったまま。
「先輩、先に行ってて」
そう言って小町は舞人に背を向けて駆け出していってしまいました。
教室で身体を壊したことを山彦に自慢しているところに現れたのは希望でした。
預かり物だよ、と小さな紙袋を差し出す希望。
横で髪を結んだ1年生の女の子……小町に違いありません。
舞人もそれでわかったらしく、紙袋の中を見るとそこには『コンダック』と言う名の感冒薬。
「……なにニヤニヤしてんだ?」
「ばっ……ニヤニヤなんかしてませんっ」
「なるほどねぇ、年下の女の子からの贈り物か」
「おい、嫌らしい言い方をするな」
「なんだ、嫌らしい物なのか?」
「ちょっとぉ……私、嫌らしいものの運び人させられたの?」
何てこと言うんだぁ!!
小町が
俺舞人のことを心配してわざわざ買ってまでしてきてくれたものなのにぃぃぃ!!!いくら希望でも許さあぁぁぁん!!!
「最低だな、おまえ」
黙れぇぇ!!
「馬鹿、嫌らしいことあるか。このぐらい星崎だって使うだろう」
「私も使うもの……?」
「まあ見た感じ、星崎は使用頻度高そうだ」
「えー、なんだろ?」
「もったいぶらずに中身見せろよ」
「ああ? 見たいってんなら見せてやるけど、別に面白いものじゃないぞ。なあ星崎」
「えー、見たいよ見たいよ」
「そんなに見たいのか? しょうがないなあ、こんなの薬局行きゃどこにでも売ってるただのコン……」
バキッ
「はがぁっ!」
「わ、私そんなの使いませんっ!」
「…………」
走り去る希望。
「……へ?」
「……よくないぜ、そういうセクハラ」
「……なんで? なんであいつ赤くなってんの?」
「いいから早くしまえよ、鬼浅間に見つかったら停学モンだぞ」
「あ、ああ……」
コンダックって校則違反だったのか、と舞人。わはははは。
その後舞人は保健室へ。
谷河養護教諭の恐怖を味わうことに。
【6/22】
朝から暗い空模様。
この日は……希望の時はオープニングが流れる前の最後の日だったはず。
と言う事は……今回も?
小町との間に決定的な何かが?
とりあえず朝から山彦&麦兵衛と3人でいるところでつばさに「三馬鹿トリオ」呼ばわりされて、と。
放課後。
雨が降っていましたが舞人は傘がありません。
仕方なく雨の中を駆け出しましたが体力不足で校門付近で既に疲労困憊。
「せーんぱいっ」
そんな舞人に傘を差し出してきたのは……当然小町!!
「せんぱい、見事なゴールでしたよ」
「あ? ああ」
「一等賞は入梅後に欠かせないアイテム、こうもり傘with小町さんです。晴れやかな笑顔で、湿った空と心を吹きとばしちゃいましょー」
舞人を待っていたと言う小町。
それを小町に伝えたのは麦兵衛とのこと。
「せんぱいが泣きそうな顔してたから助けてやってくれって」
つくづく難儀な性格をしている麦兵衛。やっぱりいいヤツだ。
ここで『素直に礼を言う』か『微妙に礼を言う』か。
もちろんここは素直に心を込めて。
「にしても雪村、なんてこんな所で待ってるんだ。俺の教室を知らないわけでもあるまい。上級生の教室に入りづらかったのなら、昇降口で待ってればいいじゃないか」
「だって……」
「だって、なんだ」
でも小町がその続きを言う事はありませんでした。
「いいじゃないですか。もう帰りましょう、せんぱい。はいっ」
「あ、ああ……」
小町がてるてる坊主を作るのが上手いだのなんだのと会話しながら歩く2人。
小町は微妙に舞人と距離を取ろうとしているのか上手く傘に入れず背中が濡れている様子。
でも舞人がそれを指摘することはなくて。
そして話題は小町は雨女であり、さらには雨が好きなんだという話に。
「雨っていうか、傘をさして歩くのが好きです。お気にいりなんか持ってる日は、うきうきと心弾んだりしちゃいません?」
「さあ……俺、安物のビニール傘しか持ってないし」
「でもでも、雨あがりの午後なんて、それをくるくる回して踊りたくなっちゃいません?」
そう言ってその場でステップを踏む小町。なんかその気持ちはわかるかも。
そんな会話をしながら歩く2人。
そのうち小町が振り返った舞人にぶつかってしまい急いで飛びのいたのを見て舞人がため息一つ。
もっと近づいたらどうだ、と言われて恐る恐ると言った感じで舞人の袖を掴んできた小町。
でも距離を縮めるようなことはなく……
「なんだそれ」
「……え?」
「あれか、俺のような不浄な男には近づきたくもないと、そういうことか」
「そ、そういうことじゃなくて……」
小町は顔を赤らめて言いました。
「……恥ずかしいっしょや」
あぅちっ!!
か、可愛い……。
「ばっ……おまえっ、何をいっちょまえに意識してるんだ。雨が降ってて傘が一本、ただそれだけだろう。いやらしいこと考えるな、たたっ斬るぞ」
「…………」
無言でこっくり頷いた小町。
下を向いたまま近づいてきて、舞人の腕を取ると自分の胸元へ引き寄せて……抱き込みました。
「な……」
それは極端だ、と思いつつも耳まで赤くして俯いている小町を見ると何も言えない舞人。
それは舞人自身も腕に感じる小町の感触に緊張してしまっていたから。
その後はさくら荘に着くまでほとんど言葉を交わさなかった2人。
たまに交わされる会話も全く舞人らしくなく、そして小町らしくなく。
「あの……先輩」
「お、おう、なんだ」
「あの、私……」
俯いたままぐずぐずと口ごもる小町。
「上まで……一緒に行ってもいいですか……」
「は……?」
より一層舞人の腕を強く抱きながら小町は言いました。
「な、なにおいってるんだ」
そんな小町に舞人の声まで上擦ってしまって。
「おい、おまえの帰る場所はどこだ」
3階の左端の窓を指差す小町。
「なるほど。では、俺が住んでるのはどこだ」
同じようにその真下の暗い窓を。
「正解だ。だったら、馬鹿なこと言ってないで行くぞ」
「……いいんですか?」
弱々しく揺れる小町の瞳。
「あ、あたりまえじゃないか、他にどうしろっていうんだ……」
なんでいちいちそんなことを聞くんだ、と舞人。
舞人の強い声に怯えたように視線を落とす小町。
「だって先輩……」
そう言って小町はまた黙り込んでしまい……。
「俺がなんだ」
「…………」
「言え」
「先輩、前に学校とアパートでは近づくなって言いました……」
そ……そうか…………そうだったのか…………。
小町が学校で余所余所しかったのも、青葉ちゃんに夕ご飯に誘われて最初OKしておきながらも舞人が来ることになったら急に用事があったとか言い出したのも、今日校門で待っていたのも……全部舞人に言われたことを守って……。
何で気付かなかったんだ俺……。
そして…………なんて健気なんだ小町……。
小町の小さな呟きが舞人の記憶を揺さぶりました。
「まさか……」
まさかそんなことで、とでも言いたかったのでしょう。
思わず小町の肩を掴んでしまった舞人ですが小町は何も言いません。
「そんなこと言うわけないだろ」
やや乱暴に上を向かせた小町の瞳には弱々しく光る小さな雫。
心臓を掴まれたような痛みを感じる舞人。
きっと……辛かったんでしょう、寂しかったんでしょう……。
「いいんですか?」
「あ、当たりまえだ」
小町から視線を外し、傘の外に首を向けて吐き捨てるように舞人は言いました。
「俺の冗談をいちいち真に受けるやつがあるか。そんなの……そんなの……本気なわけないだろ」
痛いぐらいに舞人の腕を締めあげる小町。
「俺はっ……」
青葉ちゃんや他の住人に見られたら恥ずかしい。
そんなことよりも何よりも舞人には言いたいことが。
「べ、べつに、おまえが嫌いなわけじゃないんだから……」
そして舞人の耳に聞こえてきたのは小町が鼻をすする音。
小町は舞人の腕を抱いたまま肩を小刻みに震わせていました。
優しく肩を抱いてやれたら、と思いつつもその勇気が舞人にはありません。
「腹が減った。とっとと帰るぞ」
『ごめん』と言いたいのに言えないまま舞人は強引に踏み出しました。
「はい」
しゃくり上げながらも、くぐもった声を返して小町も歩き出します。
一体どんな顔をしているのか気になりつつも振り向かない舞人。
だけど。
だけど雪村にはずっと笑ってて欲しい。
そう思った舞人でした。
部屋で一人、舞人が感じるのは変わり始めた小町への想いと、おぼろげな不安。
そしてその焦燥感があの丘で感じたものと同じであることに気付いて雨の中を飛び出していく舞人。
雨降る桜の丘。
あななたちは決してひとつにはなれない、と舞人に告げる桜香。
でも舞人は言いました。
「俺は負けないよ」
オープニング。
やはり6月22日までが第一部(と仮に呼びます)なんでしょう。
そして……本当の2人の物語がこれから始まる、と。
それにしても……
惚れたぁぁ!!!
小町!! 惚れたぞぉぉぉ!!!
元気!! そして健気!!
一途に想い続ける愛情!!
おーるおっっっけぇぇぇいい!!!
そんな訳で小町シナリオ第一部完。
次より第二部へ。そして未来へ(謎)。
それでは以下次回!!