石川 冬佳
(いしかわ ふゆか)
健二の心配をした雪希が雇った家庭教師。己を律し、他人をも律する彼女はまるで誰も寄せ付けないようにしているかのよう。
幼い頃、大好きだった父親が他に女を作って家を出て行った時から冬佳さんは他人を信じることができなくなりました。それどころか自分をも信じられなくなったのかもしれません。
「いつかわたしはあなたを裏切る」
そんな悲しいセリフは聞きたくありません。
登場時、たまたま傘を間違えた健二に対して高圧的に、そしてあくまで論理的に口撃をする冬佳さんにはかなり怒りを覚えました。怒りと言うよりも嫌悪感と言った方がいいかもしれません。それは健二も同じでしたが、冬佳さんの真意を知るにつれて健二の意識も変化します。それは尊敬に、そしていつしか恋慕に。
自分に勉強だけでなく、たくさんのことを教えてくれた冬佳さんに健二は「人を信じること」を教えます。冬佳さんは父親と同じ紺色の傘を持っていました。信じられなくなったはずの父親の傘を持ち続けていた冬佳さんは心のどこかで「信じたい」と願っていたのでしょう。そんな冬佳さんにとっては父親との思い出の品である『傘』を渡した健二。それは健二の決意と想いの表れでしょう。そんな健二の気持ちを感じ取ったからこそ冬佳さんも健二の言葉を受け入れた……。
とまぁストーリーとしてはいいんです。冬佳さんのキャラも、行動倫理も、考え方もいいでしょう。ただ健二が……あまりにも健二が不自然で……ちょっとこの冬佳さんシナリオにはヒいてしまいました。製作者側としてもある程度確信犯的なところがあったようですが、そんなの確信されても困ります。