2002.4.5 「雪希の気持ち……」編


頂きモノSS(?)第3弾です。プレイ日記2日目の読後にどうぞ。


さてさて。

今日も今日とて雪希三昧。

 

【2/7】

今日からテスト。

でも健二はそんなことすら忘れていました。流石ニワトリ。

授業中もずっと寝ているから全然勉強なんてやってません。

早く行って勉強しないと、と急いで学校へ。

これで補習にならなかったら世の中間違ってます。

 

教室に入ると日和も早めに着ていました。やっぱり勉強しに着ていた様子。

昨夜ちゃんと勉強したのか、と言う健二の質問に乾いた笑いで返す日和。

さて。健二はどうやって勉強しようか……。

  ■日和先生に聞いておく

  ■コイツに聞くのは危険かも

危険です。明らかにやってないと見た。

健二曰く『大リーグボールが頭に当たるほど危険』だそうな。

しかし物は考えようか、と健二。

リサイクルの時代だからな。

…って日和は物じゃないけど。

と言う訳で相変わらず俺の意見は無視です。

「今日の科目は得意か?」

「え、えへへ…」

明らかにダメな様子。

でも明日のは得意科目だ、と日和は言います。

教室の後ろに貼ってある日程表によると明日の科目は健二が苦手な科目。

っつーか得意な科目があるのかどうかが怪しい。

「マズイな…」

「えへへ〜」

「なんだよ?」

「私は得意なんだよ♪」

日和、あからさまなアピールプレイ。

「……日和」

「なぁに?」

「今日のテストが終わったら…」

「うん?」

「無理矢理でも俺の家に来いよ?」

「うんっ!」

「……」

「どうしたの?」

「…いや、何でもない」

いつものように顔を赤くするリアクションを期待していた健二でした。

もうちょっとあたふたしてくれないと日和っぽくなくて寂しいじゃないか、と。

そんなことを話しているうちに予鈴が。

結局何も勉強できないままテストに突入するのでした。

 

当然テストは全然できないまま初日終了。

翌日分にかけるために日和を強制的に引きずって買える健二。

玄関では雪希が待っていましたが用事ができて帰れない、と言います。

どこか妙に口ごもってますが……ひょっとして健二と日和に遠慮してるのでしょうか。

 

一緒に帰る健二と日和ですが、ずっと引きずってこられた日和は拗ねっぱなしです。

  ■つきあってられないよ

  ■コイツは相変わらずだよ

前者だと日和と別れて帰っちゃうのでしょうか? う〜ん、それは俺が避けたい。

でもここは雪希一筋だし……前者にしとくか。ゴメン、日和。

健二が足を速めて……と思ったらいきなり日和が転んでしまいました。

「い、いたいよぉ〜」

パンツ丸見え。

は……初めて18禁ゲームらしいシーンが……。

思わず感動。ここまで長かった……ほんと長かった……。

日和に手を貸してあげる健二。

パンツのことには全く触れません。

こいつ……何者?

 

日和と一緒に勉強して、家まで送ってきた頃にはすっかり日が落ちていました。

そこに帰ってきた雪希。

「あ、お兄ちゃん、ただいま」

「おかえり」

「あはは」

「どうしたんだ?」

「あ、えと…昨日と反対だなって。それがちょっと嬉しかったの」

「そんなもんか?」

そんなもんかどうかは置いといて、昨日と全然反対じゃないんですけど?

雪希が『ただいま』で健二が『おかえり』。

う〜ん、何故?

 

そして夕ご飯。

テストだったから疲れたでしょう、と雪希。

「テストよりその後の方が疲れたぜ…」

「その後?」

「ああ、日和と一緒に勉強してたんだ」

「そ、そうなんだ」

明らかに動揺してる雪希。判りやすい娘だこと。

「明日は苦手な科目だから苦労するぜ」

「お、お兄ちゃん…わ、わたしも…」

「ん? どうした」

「え、えと…あっ、や、やっぱり何でもない」

「?」

「あははは…」

 

夜、勉強もしないで眠りにつく健二。

これで補習を受けたくない、なんて言ってるんだからな……仕方無いやつだ。

それにしても雪希は一体何を言おうとしたのか。

……わからんです、はい。

 

【2/8】

起きて着替えようとパンツ1枚になった時に日和が健二を起こしに来ました。

俺様ぴーーーーーんちっ!

日和のパンツとか堂々と見ておいて何言ってんだか……。

  ■速攻で着替える

  ■マッタとかける

ま、これはどっちでもいいでしょう。今回は速攻で。

「どうしたの? けんちゃん」

「どうもしねぇっ!」

焦れば焦るほどうまくいかなくて、しまいにはコケてしまった健二。

その音を聞いて日和が部屋に入ってきてしまいました。

「けんちゃん、今凄い音が…」

「…お決まり過ぎるぜ?」

「……」

「日和?」

「あ、えと…えっと〜…」

「うおっ! パンツが半ケツじゃねーかっ!」

焦って「見てない」と繰り返す日和。

「そんな、お尻にホクロなんて知らないよぉ〜」

「…………」

「し、下で待ってるからっ」

 

健二の尻を見たことを気にする日和に、「水に流してやる」と健二。

日和は全く悪くないと思うのですが。

そしていつものように3人で登校。

 

テスト終了。

健二はまあまあでした様子(ちっ)。

日和のお陰だ、と健二は言います。

じゃあ今度は私に勉強教えてよ、と日和。

でも得意な科目じゃない健二は渋り顔。

「いや、やっぱさ…」

「どうしたの、お兄ちゃん?」

「あっ、雪希…じゃあ、やっぱ悪いけどさお前は一人で頑張ってくれよ」

恩知らずな健二に「そんなぁ〜」と泣き声をあげる日和。

「ね、ねえ、雪希ちゃん」

「なぁに?」

「雪希ちゃんからもお願いしてよぉ〜」

「え、え〜と何のことかな?」

「え、えとね、今日はわたしに勉強教えてって言ったらね…」

「えっ」

「一人で頑張れって言うのよぉ〜っ」

「………」

黙りこくる雪希。

雪希は健二が日和と勉強することがイヤなのでしょうか。

 

「もう〜、お兄ちゃんダメだよ〜」

「い、いや、そんなこと言っても…」

「う〜、いいでしょぉ〜」

「……」

「お兄ちゃん」

「ちっ、しょうがねぇな…」

「わ〜い、やったぁ〜」

「良かったね、日和お姉ちゃん」

「うん」

それでもやっぱり日和の味方をする雪希ですが、その笑顔が寂しそうに見えるのは間違いなく俺の勘違いでしょう。

だって立絵自体は同じだし。

 

日和は1回家に帰ってから健二邸に来ることに。

「ただいま〜」

「ただいま」

「うっ、お兄ちゃん〜」

一気に拗ねた顔になる雪希。

なんで拗ねたかと言えば、もちろんこの間決めたことを楽しみにしていたのでしょう。

雪希のこんな表情もちょっといいかなって感じる。

こいつは……。

「ま、たまには反対もいいだろ?」

「う、うん、そうだね」

「ただいまナリ〜」

「あはは、お帰りなさい、お兄ちゃん」

 

「お帰りナリ〜」じゃないの!?

 

やがて日和がやってきて(何故か制服のまま)健二の部屋で勉強することに。

後でコーヒーを持っていく、と言う雪希にその時は一緒に飲もう、と健二。

雪希は勉強の邪魔になるから、と遠慮するのですが日和にも言われてその時は一緒に飲むことになりました。

でも雪希の乗り気で無い表情は明らかに勉強の邪魔云々ではないはず。

 

真面目に勉強する健二と日和。

少し時間が経ってから雪希がコーヒーを持ってきました。

部屋の中に入ってきた雪希の前でいつもの調子でじゃれ合う(?)2人。

「……」

「雪希、どうかしたのか?」

どこか暗い顔になってしまった雪希に心配そうに話しかける健二。

「う、ううん、何でも無いよ」

「?」

「あ、それよりコーヒー冷めちゃうよ?」

そしてコーヒーブレイク。

コーヒーに何も入れずに飲む健二を見てブラックで飲んでると日和は勘違い。

実は雪希があらかじめ砂糖を入れておいたのです。

健二の好みを知り尽くしている雪希。

いつのまにか雪希は健二に合わせるようになってくれていたのでした。

こうしていつものように3人での楽しい時間が過ぎていきました……。

 

日和の帰り際でのこと。

「そうだ、けんちゃん」

「なんだよ急に」

「あ、えっとね……明日も来ていいかな?」

「またか〜?」

「な、なによぉ〜、その嫌そうな顔はぁ〜」

「だってさ…」

「ゆ、雪希ちゃんはいいよね〜?」

「え?」

「明日、来てもいいよね?」

「……」

一瞬言葉に詰まる雪希。これは明らかに……。

「もちろんだよ〜。ね、お兄ちゃん」

「そ、そんなこと言っても…」

「わ〜い、明日も来るね」

「うん」

「ふう、しょうがねえな…」

「それじゃ、今日はもう帰るね」

「ああ、気をつけて帰れよ」

「うん、バイバイ」

 

そうして日和は帰っていったのですが……。

てっきり2人が『健二を奪い合う or 健二を譲り合う』展開かと思っていたのですが……違うようですね。

果たして雪希はどうするのか……。

 

【2/9】

この日も寝坊してしまった2人。走らないと遅刻です。

雪希の足なら大丈夫だろう、と言った所で日和のことが気になった健二。ですが。

「あ、たぶん今日は来ないと思う」

「そうなのか?」

「うん」

「それなら、走れるな…」

そしてダッシュ。

健二は軽く流してしまいましたが、何故雪希が日和の来る・来ないを知っているのか。

やはり雪希は日和の応援を……?

 

この日も健二の部屋で日和と勉強。

雪希と一緒にコーヒーを持ってきた日和はめちゃくちゃ笑顔です。

「さっき雪希ちゃんとお話してね」

今日はお泊り会なの、と満面の笑み。

「なに!? ホントか雪希」

「うん、そうなの」

「……」

「今日はヨロシクね、けんちゃん」

日和が泊まるのは久しぶり。子供の頃はしょっちゅうだったらしいのですが。

健二はなんだかんだとゴネますが雪希の「お兄ちゃんは喜んでるんだよ」の一言で結局決行されることに。

それで3人で夕飯の買い物にいくことになりました。

でも日和は家に一旦帰ってお泊りセットを持ってくることになったので買い物は雪希と2人で。

 

商店街のバレンタインセールを飾る電飾やカップルの姿にはしゃぐ雪希。

「もう、こんな季節なんだな」

「う、うん」

「カップルの溜まり場って感じか?」

「そ、そうだね」

そして雪希はどこか浮かない顔つきに。

「……」

そんなことより早くご飯の買い物を済まそう、なんて考えてる健二はそのことに気付きません。

「さて、雪希…」

「……」

「どした? 雪希」

「あ、う、ううん、何でも無いよ」

雪希が憧れるのも判るけど相手が俺じゃあな、なんてことを考えてる健二をニブい男だと誰が責めることができましょうか。

『一応』健二と雪希は兄妹な訳ですから。

「ほら、買い物にいくぞ」

「あ、そうだね」

 

夜になって晩御飯。

何故か日和は制服のまま……Why?

雪希がお風呂を沸かす、と言うと日和は昔のことを思い出して笑みをこぼします。

雪希も一緒になって笑いだしますが、健二には何のことかさっぱりわかりません。

まさか3人で風呂に!?

 

夜の勉強も完了。

日和と雪希は2人で一緒にお風呂へ。

覗いちゃだめだよ、と言い残して。

……………………いや、言いたい事はわかっていただけると思うのであえては言いませんが。

そしたらこんな選択肢が。

  ■覗く

  ■やめておく

 

 ・

 ・・

 ・・・

 ・・・・

 ・・・・・

 ・・・・・・

 

………………いいですか?

「幼馴染として日和の成長した姿を…」

その意気や良し。

 

風呂場から聞こえてくる2人の声。

「あはははっ」

「雪希ちゃん、久しぶりだねぇ」

「うん、そうだね」

「ほらほら、雪希ちゃん見て〜」

「え?」

「うふふ〜♪」

な、何をみせていらっしゃるんですかぁぁぁ!!??

「きゃっ…」

「えへへ〜 スゴイでしょ?」

何がスゴいんですかぁぁぁ!!??

「う、うん…ビックリ…」

「じゃあ、雪希ちゃんのも…」

「えっ、そんなぁ〜っ」

 

「うふふふ……にゃ〜♪」

 

にゃ〜ですかぁぁぁぁ!!??

 

「あ〜ん、やめてよぉ〜」

 

何をやめるんですかぁぁぁぁぁ!!??

 

結局ドアに鍵がかかっていたために部屋にスゴスゴ帰っていく健二でした。

 

夜中の2時過ぎ、小腹がすいて目が覚めた健二は台所へと向かいました。

雪希と日和を起こさないように気をつけたつもりでしたが、台所を漁っていた健二のところに起き出してきたのは雪希。

「…日和、寝てるよな?」

「うん、ぐっすり寝てるよ」

「はは、あいつらしい」

「寝つきも早かったみたいだよ」

「まあ、昔からそうだからな」

「あはは、そうだね」

雪希の作ってくれたお茶漬けを食べながら、健二は日和は寝癖が悪かった思い出します。

毛布なんか暴れて蹴飛ばすわ、人の上に足を置くは……ってそれは『寝相』じゃないのか?

そんなことを話していたらふと雪希が笑い出して言いました。

「あはは、お兄ちゃんってやっぱり…」

「な、なんだよ?」

「日和お姉ちゃんのことが大好きなんだね?」

「ば、馬鹿、そんなわけないだろっ」

「…………」

「あ、あいつは手間がかかるだけだっ」

それに比べて、と健二。

「お前はさ…」

「うん?」

「しっかりしてるから良いけど…」

「……」

日和と比べたら雪希は本当にしっかりしてる、と健二は思いますが雪希はそんなことない、と否定します。

「……」

そしてそのまま黙りこくる雪希。

「…雪希?」

一瞬だけ雪希が見せたのは寂しげな表情。

「あ、な、なんでもないよ」

1人で納得するように小さく頷く雪希は健二ににっこりと笑顔を見せるのでした。

 

雪希のモノローグ。

暗い部屋の中から聞こえてくるのは日和の気持ち良さそうな寝息。

『そんなことないよ…』

健二に呟いた言葉を思い出す雪希。

そして『あの頃』よりも大きくなった指をなぞりながら自分の指を見る。

(私って駄目だね…)

日和の寝顔を見ることができない。

背中に感じるのは日和の寝息。

(…私は何をやってるんだろう)

遠い日、子供の頃の思い出。

 

(私は…)

 

夕方近くの商店街。

何も考えなくても楽しかった、日和と一緒に遊んでいた子供の頃。

『雪希ちゃん、これ』

『うん?』

そう言って雪希に見せてきたのは変な形をしたガチャガチャの景品のおもちゃ。

健二がガチャガチャについて楽しそうに話していたのを聞いて、わくわくしながら挑戦した日和。

そうして日和が手に入れたのがその景品。健二が喜びそうなおもちゃ。

『けんちゃんが喜びそうだね〜』

『あはは、うん』

2人で考えていることは一緒だってことにビックリして、そしておかしくて。

『えへへ』

『あはは』

赤く染まった道を並んで帰る2人。

日和の横で素直に笑えていた頃。

 

(毎日、かわりばんこってどうかな〜?)

その数日後に言われた日和の言葉は今でも耳に残ったまま。

 

(…こんな私が)

 

 

お兄ちゃんと、一緒に歩いていけるわけ無いよね…

 

1回だけギュッと目を閉じてから静かにベッドに潜り込む雪希。

月明かりに揺れる自分の影の先には鍵のかかった机の引出し。

お風呂に入る前に隠した小さな箱。

それがカーテン越しのお月明かりに照らされていた。

 

 

…………なんか一気にシリアスになりました。

雪希の気持ちが痛いほど伝わってきて……ホントに痛い。

やはりガチャガチャのおもちゃは日和が取ったものでした。

そして引出しに隠されているのはおそらくそのお礼にもらった指輪でしょう。

本来ならば日和がもらうべきものだった指輪。

でもそれを雪希は…………。

 

そしてもう1点。謎が解けました。

「ほらっ、今日って…」

「あっ、そうか」

この2人の会話。これは健二の隣を歩くのを1日交代でやっている、ってことを言っているのではないでしょうか。

子供の頃の約束(?)をずっと守っている2人って……スゴいかも。

いい加減健二もそれに気付けばいいのに。

 

そんな訳で雪希の心のうちがついに語られました。

思っていた以上に深い想いが秘められていたようです。

果たしてこの先3人の関係はどうなるのでしょうか………以下次回!!


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