2002.3.10 「うううっ……須磨子さん……」編
確証はありませんが夕美って実はいいヤツなんじゃありません?
ついおちゃらけちゃうけど内心はスゴい繊細で優しいと見た。理由は「雰囲気」。
と言う訳で回想編第2弾です。
夕美との一件があった日、隆道は加奈の見舞いに病院を訪れます。
「あら、隆道君」
何でも隆道は病院において「妹を命がけで守った小さな英雄」として認知されているため、今も昔も妙に好意的に接してもらえるんだそうです。
病室では母親が急に仲良くなった隆道と加奈に驚いています。ふっふっふ。
どうやらヒマを持て余しているらしい加奈に本を貸すことに。例の3人組にもらった本から1冊を選択。
偉人伝『野口秀雄』
小説『ぼくたちの小遣い戦争』
漫画『ビックフット世界一周』
どう影響してくんのかわかんないけどとりあえず『野口秀雄』で。
その後しばらく見舞いに行かないまま時間は経過。久々に病院に来た隆道。
病室のドアから中を覗くとお手玉で遊んでいる加奈の姿が。3個のお手玉で遊んでいたのですが、そのうち1個が窓から外に飛び出してしまいました。
病室に入る
拾いに行く
うん、ここは拾ってあげるべきでしょう。そのまま階段を駆け下りて外に。
お手玉を探す隆道に声をかけてきたのは美樹さんでした。
加奈の病室には同世代の友達が一度も来たことが無い、と心配そうです。
そして隆道の目に入ってきた光景は5階の12号室、病室の窓からじっと隆道達の方を見つめている加奈の姿でした。今でも忘れられないこの光景。
加奈が孤独な存在であることを隆道は唐突に理解したのです。
その後、美樹さんと別れて隆道は加奈の病室へ。
以前貸していた本を返されて、また今度来る時に持ってきて欲しいものとかがあるか、と加奈に質問する隆道。
じっと考え込む加奈。
「玩具でもお菓子でも……」
「……(ふるふる)」
「いらないって? ああ、そっか……スナック類は駄目なのか。うーん、難しいな。どうする? ホントに何もいらないのか?」
「……お兄ちゃん」
少し俯いて、加奈はつぶやくように言いました。
「おれ?」
「……また、来て欲しいから」
「……」
娯楽も変化もない生活の中でずっと隆道を待っていたであろう加奈の言葉に言葉を失う隆道。思い出されるのはさっきの美樹さんの言葉。
「ねえ」
「え?」
「また……前みたく……手をつないで?」
「加奈……」
膝に触れてきた手を取り、一気に加奈を抱き寄せた隆道。
「ごめんな、加奈」
「あ……」
この時から加奈は隆道にとって『守るべき存在』になったのでした。
やってきた授業参観の日。
この日は珍しく加奈も病院から直接学校に登校してきていました。
ところが両親が仕事で急に授業参観に参加できないことに。
それでも授業には出る、という加奈が心配な隆道。加奈がクラスに行ったらイジメの標的にされてしまうであろうことは確実です。
隆道は自分が加奈のクラスの授業参観に参加することを提案し、両親もそれに賛成。渋る先生を説得して『特別参加』することに。
加奈のクラスの授業内容は作文でした。先生に指名された加奈は消え入るような声で題名を読み上げます。
「……わたしの……お兄ちゃん……」
でもそこまで読んだところで突然涙をぽろぽろとこぼし始めた加奈。
「加奈っ!?」
声を出してしまった隆道ですが何ができるわけでもありません。
そして『いかにも』といった感じの男子が加奈から作文を取り上げてちゃかすように読み始めてしまいました。
思わず乱入してしまい、作文を取り上げた隆道に文句たらたらの男子。心から射殺してしまいたい。
やっと先生も介入してしてきますが事態は収まりません。
その時!!
爆発音と共に床で火花が!!
「五年三組四天王、参上!!」
雅俊達例の3人組が授業に乱入。きっと隆道が心配で様子を伺っていたのでしょう。
チャイムが鳴ったことをいいことにどよめく周りの連中を無視して、加奈の手を引いて四天王は教室から抜け出していくのでした。いいぞ四天王!!
その後は加奈を交えて夕方になるまで一緒に遊びました。
『仲間との遊び』というのは加奈にとって初めての体験です。隆道と家路につきながらも楽しそうな加奈の様子に俺まで嬉しくなっちゃいます。
帰ったら怒られるだろうなあ、と言う隆道を心配する加奈。
「お兄ちゃん……」
「え……?」
思いつめたような顔で加奈は口を開きました。
「大好き」
「そっか……」
その瞳に浮かぶのは全幅の信頼と愛情。もはや2人の兄妹愛は揺ぎ無いものとなっているのでしょう。
守るべきものができたことで隆道は成長しました。
帰り道の途中、2人は猫の死を目撃します。
『死にひきつけられている』と隆道が感じた加奈。もしかすると自分を重ねていたのでしょうか。
加奈を待たせておいて隆道は猫を生めてやりました。
初めて『死』というものに触れた加奈が泣かなかったのが嬉しかった隆道でした。
ちなみに家に帰ると怒られると思っていた父親は一切隆道を叱ることはなかったそうです。
そのかわり重く大きな手を隆道の頭に乗せて一言。
「これからも加奈を頼むぞ」
隆道が兄としての自覚に目覚めたことを父親も感じ取ったのでしょう。
そして。
自転車の後部座席に加奈を乗せて走る隆道。
隆道は高校生。加奈は14歳になっていました。
ってまだまだ回想は続くのね。この間隆道は加奈を抱きしめっぱなし?
自転車のブレーキをかけたことで加奈のささやかな胸が隆道の背中に押し付けられる形に。
胸、大きくなったな。
怪我、ないか?
ごめん、どうしてもお約束がやりたくて。
胸も非常に気になるところではありますが、ここは怪我の心配をしておくのが兄の本道というものでしょう。
隆道は加奈を中学校まで送り迎えをしていました。
この頃になると家庭内で加奈を一番甘やかしていたのは隆道だそうです。
中学生になることができない、と医者に宣告されていた加奈が無事進学できたことにより、両親は加奈の扱いを普通にシフトしていました。
結果として加奈の世話は全て隆道の仕事に。そしてそれは過保護なまでに、と言う訳です。
加奈が学校に入っていくのを見送った隆道。ですが加奈がいじめられてやしないか、と不安に。
隆道は学校をサボることを即決定し中学校に入っていきました。
たまたま会った昔の担任に加奈の学校内での様子を聞くと、やはり加奈は浮いた存在となっているようでした。
加奈の様子を見ることは許可されなかったので自転車置き場に戻ろうとしたその時、隆道の目に飛び込んできたのは加奈が黒い三連星に虐められている様子でした。
長い入院生活で体力の無い加奈を知っておきながら重いプリント類を運ばせている3人の女子生徒。
飛び出す。
様子を見る。
飛び出せ。っつーか殺れ! 殺ってしまえ!!
「おい!」
「……お兄ちゃん?」
「はあ、なんだよこいつ、藤堂の兄貴?」
「なんで兄貴がここにいんだよ」
「もしかして妹助けに来た?」
そんなことやる必要は無い、こっちに来い、と隆道が言うと加奈は隆道の背中に回りこんできました。
「なにこいつ、チョームカつく!」
「ムカつくのはこっちだ!」
無茶させて何かあったらどうするつもりなんだ、と隆道は言いますが当然そんなことを聞く3人ではありません。
「勝手に死ねばいいじゃん。そんな−−−」
しかもとんでもないことまで口走りやがりました。
「−−−できそこない」
殺意が芽生えた隆道。遅いっつーの。
隆道が思わず握り締めた拳を振り上げたその時。
「痛っ!」
1人の男子生徒がモデルガンを持って登場。女子生徒3人に向かって銃を乱射してきました。
「やだっ、痛っ……ちょ………やめろよー!」
「痛い痛い痛い痛い!」
「げろ痛! なにこれ?」
まだ余裕があるみたいです。
もっとやれ、と心の中で応援する隆道。
「……さっさと消えろよ、日焼けサロン女。似合わないんだよ」
なかなか辛辣なこの少年。彼こそが説明書に載っていた伊藤勇太。加奈に想いを寄せる少年です。
3人は捨て台詞を残して去っていきましたが、勇太も隆道にお礼を言われると一礼して去っていってしまいました。
「あいつ……加奈の友達か?」
「……(ふるふるふる)」
「知り合いだろ?」
「………………(こく)」
隆道の頭で繰り広げられる『加奈方程式』。
【友達/強めの否定 + 知り合い/間を置いた肯定 = ???】
方程式じゃねーし。まぁいいけど。
「ああ、そうか……知ってるけどキライなんだ」
「……(こくこく)」
「でも悪い奴には見えないけどなあ」
「……一年生の頃……すごくからかわれて……きらい」
「ふうん」
どうやら勇太は前途多難のようですね。
とりあえず加奈を抱きしめて中学攻略法を伝授すると、放課後に遊ぶ約束して隆道は加奈と別れました。
放課後。さてどうしましょうか。
公園で元気に遊ぶ。
水族館で静かに過ごす。
Hな本を見に行くというのは冗談だけど……
う〜ん、Hな本は論外として、公園で遊ぶのは加奈の体調が心配なので水族館にしましょう。
そして水族館で何をするか。
餌付け係のお姉さんはグラマー
イルカ・ショーだな
館内をゆったりと回ろう
ま、イルカ・ショーですね。ショー自体に参加したりと2人は楽しいひと時を過ごしましたとさ。
また別の日。今度はどこに行きましょうか?
今日は喫茶店に。
たまには図書館なんてのも。
ゲーセン初体験。
むむむっ。本の好きな加奈のために図書館なんてのもいいかもしれないけど……ゲーセンにでも行ってみるか。
と思ったらヤバイ。加奈がビビってる。
格闘ゲーム
パズル・ゲーム
脱衣麻雀
加奈にもできるのって言ったらパズルぐらいしかないでしょう。『ぶよぶよ』だそうです。肉玉ってのはどうかと思うよ。
最終的には隆道よりも腕が上達した加奈。楽しんでくれたみたいで何よりです。
それにしても、この加奈との遊びって何かに関係あるの?
あんまりストーリーに関係ない気が……。
そしてやってきました、夏祭り。加奈と2人でお出かけです。
浴衣ブラヴォー!!
さて何をするか。
金魚すくい
射的
古本市
ここは定番の金魚すくいで。
『すくいっ』という効果音に笑いましたが、せっかくもらった金魚を「世話できないと思うから」と言って返してしまった加奈が悲しい。
そして始まった打ち上げ花火。
花火に感動する加奈と、少しでも多くの花火を加奈のためにあげてやってくれと願う隆道。麗しき兄妹愛。
帰る前にトイレに行った隆道は加奈のところへ戻ろうとした時、1人の女の子と肩がぶつかってしまいました。
「藤堂君……」
「おまえは……」
それは夕美でした。小学校時代、隆道の心に大きな傷を作った鹿島夕美その人。
「あの……久しぶりだね……」
「……」
「クラス、違っちゃったもんね」
「……」
「な、なんか藤堂君って最近さあ、ちょっと格好良くなって……」
「……」
頬を赤らめて話しかけてくる夕美ですが隆道は何も言葉を返しません。
「え、えーとお……」
「……」
「今日はどうしてここにいるの? 一人? 私も一人なんだー」
「……さい」
「え?」
「うるさい」
「あ……」
寂しそうな顔で俯く夕美。
「俺に話しかけるな」
「……そんな」
「行けよ」
「……」
「行けよ!」
周りの視線が注がれる中、隆道は夕美を怒鳴りつけます。結構根に持つタイプの隆道。
「じゃあ……ね」
ひどく落ち込んだ様子ですごすごと踵を返す夕美。
「あ……っ!?」
そこで夕美がよろけてしまいました。
俺はとっさに鹿島に手を伸ばした
転倒するにまかせた
後者は人として間違ってませんか?
夕美にもきっと事情があったんだろうし、それに隆道もそこまで冷たい奴じゃないはず。
と言う訳で手を伸ばした隆道。
なのに夕美ってば自力で態勢を立て直してしまいました。隆道の手が空中で止まります。
それを見た夕美の目に輝きが。
「藤堂くん……今……」
「くそ……」
「ありが……」
「うるさい!」
心の中を見透かされるようで、思わず怒鳴りつける隆道。
「……ありがとうね」
それでも最後まで言葉を言い切った夕美に隆道は言葉を失い、逃げるように立ち去るのでした。
その後加奈と合流し、一緒に帰る隆道。
ですが加奈の様子が変です。全然しゃべろうとしません。理由は夕美との出来事でした。さっきの様子を加奈は見ていたのです。
加奈はまた隆道が昔のようになることを恐れていました。自分を虐めていた時の隆道に。
そんなことはありえないことを加奈に証明してみせるために……
抱きしめる。
頭を撫でる。
尻を触る。
痴漢してどーする。ここは抱きしめておきましょう。
家に帰ると加奈は隆道の手を握り締めたまま眠りにつくのでした……。
翌日。
加奈の透析のために2人は病院へと向かいました。
そこで出会ったのは2人の叔母さんにあたる霧原須磨子さん。現在はホスピスに入院中。
父親の妹である彼女には加奈とは漢字違いの同じ名前の「香奈」という娘さんがいるそうです。
乳ガンで乳房をとってしまった、という須磨子さんはまだ30代前半。とても美しい女性です。
初めて須磨子さんに会った加奈はすっかりその美しさに憧れてしまいました。
須磨子さんの病室を出た後、加奈はまた会いに来たい、と隆道に言います。
いつまで須磨子さんは入院しているのか、と質問してきた加奈に隆道は真実を告げました。
ホスピスというのは末期ガンの患者が入院するところだ、と。
それはつまりもう助からないということ。
それでも須磨子さんに会いに行くかどうか。それは加奈にとっては重い命題です。
一緒に行こうか
やめておこう
辛いかもしれません。苦しいかもしれません。でもここで目をそらしては……いけない気がします。
一緒に行こう、という隆道に加奈は泣かない自信が無い、と言います。
それでもいい、と隆道。自分のために泣いてもらうのは嬉しいことだし、須磨子さんに嘘なんてつく必要はない、と。
そんな隆道の言葉に加奈は頷きました。
こうして2人と須磨子さんの交流は始まったのでした。
その後、須磨子さんになついた加奈は須磨子さんの病室をよくお見舞いに行くようになります。
須磨子さんの口からガンのことを聞かされるのは辛い様子ですが、加奈にそれを乗り越えて欲しい、と願う隆道。
そして運命とでも言うのか、それとも遺伝的なものなのか。須磨子さんの娘さん・香奈も5・6歳ながら肝不全で入院していました。
そんな香奈が退院中は隆道の家に住むことになりました。母親の須磨子さんはホスピスに入院中であり、父親も仕事で忙しいためです。
大人しい加奈と元気な香奈はすぐに打ち解け、家の中でも一番の親友となったようです。
それは騒がしくも楽しい幸せな日々。
でも須磨子さんの病状は日に日に悪化の一途をたどります。あああ……。
隆道が加奈や香奈と楽しく暮らしていた時、突然須磨子さんが隆道の家にやってきました。香奈を迎えに来たのです。
3日間だけ退院できたので一緒に暮らそうと思う、と家に香奈を連れて帰っていく須磨子さんを見て隆道は1つのことに気づいていました。
何故須磨子さんが退院できたのか。その理由は1つ。
もう須磨子さんは長くない。
それを加奈に話すべきか…。
真実を話す
黙っている
……話しましょう。それが須磨子さんの願いでもあります。
加奈にしても香奈にしても健康な身体ではありません。
だからこそ『死』というものを見つめて乗り越えて欲しい、という須磨子さんの願い。
隆道の言葉に泣き出しそうになる加奈に向かって「泣くな」と怒鳴りつける隆道。
自分も涙をこらえながら見舞いに行くことを誓う隆道。そして加奈……。
そしてついにやってきた『その日』。
家族や友人など大勢の人たちに見守られながらベッドに横たわる須磨子さん。
その場にいた1人1人に声をかけていった須磨子さんが孝之と加奈を呼んだのは最後の方でした。
お見舞いに来てくれて嬉しかった。香奈のことをよろしく。
そう静かに語る須磨子さんの姿に涙が溢れてきそうになる隆道。いつしか周りからもすすり泣きの声が聞こえてきました。俺は既にボロボロですけど。
鎮痛剤を打たれて、おそらくはもう目覚めることの無い眠りにつく直前まで娘の香奈の案じていた須磨子さんは最後に一言、
「……ありがとう……さようなら……」
そう言って目を閉じたのでした……。
うううっ……須磨子さん……須磨子さん……(←俺)。
ところで……これって単なる回想シーンじゃなくて、もうゲーム本編なんですか?
隆道が病室で香奈を抱きしめてから昔話に入ったんでてっきりずっと回想シーンかと思ったけどいい加減長すぎるし。(いまさらですが)
う〜ん、回想シーンだと思ってあんまり真剣に選択肢を選んでなかったけど……ま、いっか。
結局出席日数の関係で進学できなかった加奈。
隆道の通う双葉学園を狙っていたのにそれは叶わぬ夢となってしまったのです。
その代わり意外な奴が隆道の後輩として入学してきました。それは伊藤勇太。
自分は加奈に憧れているんだ、と語る勇太に思わず怒鳴ってしまう隆道。何故だ、と。
勇太は言いました。
加奈は汚れていない。世間のことも知らず、きれいなまま。そんな加奈を影から守ってきたし、今後も守ってやりたい。
自分の周りにいたような汚れた女とは違う、と。(まぁ要するに『黒い三連星』系)
さらには加奈との交際を認めてくれるか、なんてことまで言い出す始末。
確かに勇太は頭はキれる。行動力もある。カッコいい(っつーか15歳に見えない)。でも……。
駄目だ。
いや、そんなことないさ。応援してるよ。
当然そんなこと、お兄さんは許しません。
隆道は言います。加奈を守ってやりたいなどと言うのは欺瞞だと。
加奈の純粋さは世の中のことを知らない純粋さ。
本当に加奈のことが好きなら1人でも生きていけるようになった加奈にアプローチをしてくれ、と。
でもその頃には加奈は勇太の嫌いな普通の女の子になってる、と言う隆道に諦めない、と言って勇太は去っていきました。
もちろん俺はそんな大義名分を持って交際を許さなかったわけじゃありませんが。
ううっ……須磨子さん……。あなたは立派でした……。
果たして親しい人物の死を乗り越えた加奈と隆道はどうなっていくのでしょうか。
そして勇太はどう出る?
以下次回!!