2002.3.2 「『僕夏』完全制覇!!」編


ちゃんと汚れたい。そう言い出した有夏。

果たしてそんな有夏に英輝はどう出るのか……。

 

英輝の胸に顔を埋めたままの有夏。

そんな有夏の背中を英輝はまさぐり、背中のボタンを外し始めました。

有夏は多少声を上げながらも抵抗しません。

英輝が全てのボタンを外し終えたとき、有夏のワンピースが滑り落ち……。

「やだ」

そう言いながらも乱れた胸元を直そうとはしない有夏。

−−−こうなることを、ずっと望んでいた。

……だけど。

やっぱり、な。

意を決してぽつりと呟いた英輝。

「汚れたいだけなら、誰か別の人を探しな」

服まで脱がせておいてこんなことを言うのもなんですが、なかなか鋼鉄の意志の持ち主だった英輝。

有夏はその言葉を聞いてハッと顔を上げました。そんな有夏に英輝は精一杯優しく語りかけます。

「一時の感情で、俺とこんな事になるなんて、そんなの倉林らしくないよ」

「……原先輩」

「汚れたいだけなら、誰でもいいんだろ。別に俺じゃなくても」

どう聞いても優しい口調じゃない英輝。

「でも」

「もう、嫌なんだ」

そう言って英輝は有夏の頭を額で軽くこづきました。

「あんな想いを、ずっとし続けるのは」

「先輩」

「倉……有夏は、覚えていないかもしれない。でも」

 

「昔、わたしを虐めていた事、ですか?」

 

「……やっぱり、覚えていたか」

英輝の中で突然記憶の中の光景が蘇りました。

それは思い出したくない記憶。でも忘れられない記憶。

無神経で、愚かだった子供時代。

「……原先輩の方こそ、忘れているんだと思ってました」

イジメってのはした方は忘れても、された方は決して忘れないんですよね。有夏が覚えているのは当たり前です。

英輝が覚えていたのは、そのことを余程悔やんでいたからなのでしょう。

「忘れて、あたしに笑いかけているんだと」

有夏は淡々と話します。

 

「忘れるものか! 忘れられるものか!」

 

思わず叫ぶ英輝。

「ずっと後悔してた。無神経な子供だった事を。それが、ずっと君の心を傷つけていた事を。自分のした行為の意味を」

有夏はそんな英輝の頭にそっと手を乗せてきました。

「謝りたかったんだ。ずっと」

でもできなかった、と英輝。

「だから、あたしも男の人は嫌いでした」

英輝の腕の中から降り注ぐ有夏の声。それはまるで英輝を包み込むような声。

「昨日までは、ずっと。先輩が、今日、こうして話してくれるまでは」

有夏の手は英輝の首の後ろを裂き絞め、髪の毛をなでるように指を這わします。

「そしてもしかしたら、明日にはまたそうなっているかもしれない」

その言葉に驚いて、思わず身体を硬直させる英輝。

「……先輩が、このまま帰ってしまったら」

「俺は、ずっと許されない事をしてきた」

有夏の指に顎をおこされた英輝は言います。

「許されない罪なんて、ないんです。だって、そうしたらあたしも許してはもらえない」

そう言う有夏の目は涙に濡れていました。

「貴理先輩を奪うために、あたしは身体で恭生さんに迫った。自分の幸せも、貴理先輩の幸せも関係なかった」

ただ2人の幸せな姿を目の前で見たくない、それだけのために2人の邪魔をしていた有夏。

不意に有夏は背伸びをして、英輝の唇を強引に奪いました。

−−−有夏……

勢いで眼鏡が落ちてしまっても有夏は構わず英輝にしがみついたまま。

「先輩は、そんなあたしの罪を、よく知っている筈です」

それは有夏が恭生に迫った学校での夜の出来事。

英輝はその夜、冬子さんからそれを聞いて(裏で糸を引いていたのも冬子さんなんですが)学校へと駆けつけたのです。

学校に到着した時は既に恭生が有夏を拒絶した後。英輝は下着姿で泣き続ける有夏に服を着せて、おぶって家まで送ったのでした。

「最初に男の人が嫌いになったのは、先輩のせいだったかもしれない」

だけど自分もその後、同じように罪を犯した、と有夏。

「君のは、罪なんかじゃない」

「その二つがトラウマになって、今日を逃したら、もう二度と男の人には触られたくないかもしれない」

英輝の言葉に構わず、有夏はもう1度英輝にその唇を合わせてきました。舌まで入れてきて。テク発動?

−−−えっ?

驚いて一瞬ゆるくなった英輝の歯の間にすばやく舌を差し込んで、流れてくるかすかな唾液を音をたてて吸う有夏。うん、テク発動。

「だから、ちゃんと責任をとってください」

不意に吹いた風により有夏のワンピースが舞い上がり、肩口から背中が大きく開き、肩越しに覗き込む英輝の目には全てが露に。

でも有夏はそれに構わず英輝に抱きついてきました。

「あたしのこの気持ちは、もしかしたら、本当は恋じゃないのかもしれない」

そして思わず英輝もその身体を抱きしめます。

「愛とは、全然違うかもしれない」

英輝の耳元で、甘いく超でささやく有夏。

「でも汚されるなら、あたし、英輝さんに汚されたいの」

 

その頃。ダムの脇にて。

星空の下、シャベルを振るう和典と、それを見守る恵がいました。

「平気?」

「ボクは、絶対に忘れないぞ」

既に全身泥だらけの和典。

「姉さんやみんなのように、ボクは絶対諦めない」

−−−これは、その誓いだからな。

地面を掘り終わり、ポケットから和典が取り出したのは小さなガラス瓶でした。

中に入っているのは浅葱色(なんて読むの?)した小さな何か。

それは冬子さんにもらったビー玉。

名残惜しげにそれを数度、ビンの中で転がす和典でしたが、やがて意を決したように勢い良くビンを穴の底に置くと、脇によけてあった土をかぶせていきました。

 

「よしっ!」

全てが終わり、上を見上げる和典。

「ねぇ」

和典が意気込んだ瞬間、ふと、恵が顔を寄せてきました。

「なんだよ」

「なんでもない」

幸せそうに微笑む恵。

そして。

 

恵から交わされるキス。

驚いたような、とまどうような和典。

 

その2人の姿に重なるのは恭生と貴理の姿。

幼い頃、2人が交わしたキスの姿に……。

 

 

 

って俺の恵がーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボーイ・ミーツ・ガール

 

 

 

たとえそれが陳腐であっても、

 

 

 

彼らの物語は、

 

 

 

 

 

またいつの日にか……

 

 

 

 

 

 

 

と言う訳で「僕夏」完全クリアー!!! ぱちぱちぱち。

新規でゲームをスタートすると『OMAKE』が追加されていて、もうさらなるルートが追加されることがないのも確認済みです。

CGも全て埋まったことですし。これにて「僕夏」完全制覇です。

 

 

はぁ……。

 

 

果たしてこの後英輝と有夏はどうなるのでしょうか。

それはわかりませんが、2人は幸せになることを願わずにはいられません。

そして和典と恵。この2人はほっといてもうまくやりそうな気がするのでいいでしょう。

 

 

何はともあれこれにて「僕夏」終了です。

後は総評やキャラ別感想などをチョボチョボと。

 

ありがとう、「僕と、僕らの夏」!!

 

それではっ!!


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