たまきゅう

メーカー
発売日
2003/06/27
シナリオ
ひろひろ
Chinaski
原画
おおたたけし(大田武志)
南野彼方
nini
森永ちよこ
音楽
DOORS MUSIC ENTERTAINMENT

 簡単なあらすじある日謎の卵を拾った大学生である主人公・高山忍は翌朝自分が子供になっていることに気付く。そこに突然現れた女の子・メルは何とキューピッドで、卵から生まれた天界の生物・ピロウは忍のエナジーを吸って孵化したのだと言う。忍が元に戻るにはメルのキューピッドとしての修行を成就させるしかないとのこと。忍とメルは妹のみことの手引きで小○校学園に転入。そこにあったのは初々しい青い恋愛模様……果たして忍は下の姿に戻れるのか!? 『卵』と『キューピッド』を略して『たまきゅう』ときたもんだ。

 と言うわけで「たまきゅう」。ジャンル名は『恋愛成就お助けアドベンチャー』とかなり直球勝負ですが正にその通りなのだから仕方ありません。とにかく忍は元に戻りたければメルと協力しつつクラスメート達の恋愛を成就させないといけないのです。ただしそれはあくまでも「元に戻る場合」の話。登場する男の子とカップリングさせずに忍自身が女の子と結ばれることも可能なのです。ただしその場合忍は元の姿に戻れず、女の子と同じ時間を共に歩むことに……まぁそれもいいかな。

 攻略は典型的な会話などにおける選択肢とマップ移動によるアドベンチャー形式。ただしマップ移動の回数が多いと1日に8・9回もあったりするのでちょっと辛いですが、イベントが発生しなければ一度の移動に要する時間は短いので何とかなります。

 このゲームで特筆すべきは『卵の殻システム』。ピロウの生まれてきた卵の殻には不思議な力があり、それを使いこなすことが攻略には必須なのです。卵の殻は3種類。【小】【中】【大】となっていてそれぞれの役割は以下の通りです。

  • 【小】
    用途はセーブ&ロードです。逆に言うと【小】の卵の殻が余ってないとセーブが出来ません。
    【小】の卵の殻を2つあわせると【中】になり、【中】の卵の殻を割ると【小】2つに戻ります。セーブデータは消さない限り残りますので、ゲームを何周もしてセーブデータが増えれば増えるほど新たに使える【小】の卵の殻が減っていくのはやや辛かったです……。
  • 【中】
    用途は『イベントの記録』です。忍が遭遇したイベントを記録するのですが、逆に言うと【中】の卵の殻が余ってないとイベントが記録できません。
    この『イベントの記録』は非常に重要なので【中】の卵の殻の残数には常に気をつける必要があります。イベントが記録されている【中】の卵の殻を2つあわせると【大】になり、【大】の卵の殻を割ると【中】2つに戻ります。
  • 【大】
    用途は『夢見』です。特定のイベントの記録した【中】の卵の殻同士を合わせて出来た【大】の卵の殻を所有することで忍は近未来を夢で見ることが出来ます。それにより忍はカップリング作成のために先回りしたり行動したり出来るのです。なのでこの【大】の卵の殻を作ることはクリアの必須条件。【中】の卵の殻を合わせる時に気を付けるのは基本的には『同じ色の卵の殻を合わせる』『関連がありそうなイベント同士で合わせる』と言う事。特定の夢を見るために必要な組み合わせは1組しかない訳では無いのでご安心を。

 この時点で結構とっつき辛いシステムに見えますが、慣れたら簡単ですのでこれまたご安心を。基本概念としては特定のカップリングを成就させることを目指すのであれば、違う色(カップリング候補は3組あるので色はメル関係と合わせて計4色)のイベントを記録した【中】の卵の殻はどんどん消していくのが吉です。簡単に卵の殻の流れを説明致しますと

  1. まず必要最低限な数だけ残して【小】を全て【中】にする。
  2. 【中】がイベントを記録したその色を確認。目的外の色であれば即記録を削除。
  3. 2で色が目的のカップリングの色であれば関連性のありそうなイベントの卵の殻を合わせる。関連性のありそうなものが無かったら放置。
  4. 【大】により夢に見た出来事が実際に発生したら、その【大】にヒビが入るので割ってしまう(【中】2つになる)。
  5. 4で手に入れた【中】2つにはヒビが入っているので、その【中】に記録されたイベントを削除する。
  6. 4とは別に【中】の卵の殻は【大】にならないまま放置されているとそれぞれ一定のタイミングでヒビが入るので、そうなった【中】はイベントを削除する(要するにヒビの入った卵の殻は全て割るべし!!)。

 ざっとこんな感じかと。

 あとは個別のルートですが、上記の通り成就可能なカップリング候補は3組。ルートとしてはそれぞれのカップリングを成就させる『カップリング成功コース』と、忍が自分で女の子を頂く『略奪愛コース』があり(命名by俺)、更にメルと結ばれるルートと合わせて計7つ。

 『カップリング成功コース』は上記の3・4で忍が夢を見た後にその夢についてメルと相談すればOK。そうすればメルがドジなりに頑張ってくれるので、何とかカップリング成就への道が開けます。『略奪愛コース』は逆に夢を見てもメルに相談しないままでいる方向で。要するに有効な情報を手に入れておきながら自分の胸にしまい込めばOK。これであなたもロリマスター。メルと結ばれる道が一番苦難の道のりです。メルと結ばれるためには3組のカップリング候補を全て成就させた上でメルの好感度を上げないといけません。卵の殻をかなりシビアに使いこなさないとこの道は開けませんので頑張ってください。

 それではキャラ別感想へと参ります。バリバリのネタバレですので御注意を。

 ■ 滝沢双葉 ■
転入した忍の下級生。いつもオドオドしている感じで笛が大好き。それも縦笛がなぁ!!(深い意味はありません) 忍のクラスメートになる一樹の妹で、やっぱり忍のクラスメートの隼人が好き。更に忍のクラスメートである幸太は双葉が好き……とかなり入り乱れた人間関係。
物語中で双葉は隼人に告白するも見事に撃沈。そこに付け入る訳ではないが、コンクールに向けて笛の練習をする双葉の手助けをすることは双葉と結ばれる早道です。要するにその練習に付き合うのが幸太なら双葉は幸太と結ばれて、忍が練習に付き合えば忍と結ばれると言う訳。なんつーか一番近い異性に惚れる幼い恋の典型のようなストーリーです。
双葉はゲーム開始15秒でいきなり大股全開でパンツを見せてくれるパンチラ要員。さらにお漏らしのオプション付きですので、そちらの趣向がおありの方は是非。

 ■ 神楽弥生 ■
転入した忍のクラスメート。ノンビリした口調ながらもなかなかのしっかり者。幼馴染でキザでモテモテな隼人の世話をすることをライフワークとしている、いわゆる『朝起こしに来てくれる幼馴染』。ただしその対象が主人公でないところが痛い。大人しそうで可愛い顔しておきながらヤルことはヤッってる系で、隼人の家のトイレで自分を慰めることも。慰める、と言ってもイヤなことがあった訳では無いニャリよ?
実は弥生には誰にも言えない秘密が。何と弥生の母親はメルと同じくキューピッドであり、つまり弥生は人間とキューピッドのハーフという訳。早くからメルの正体に気付いたり、キューピッドの使う『力』が少しだけ使えたりするのですが、それ故に普通の人間との恋愛に臆病になってます。その臆病になっている弥生の心を解き放すことが出来れば弥生はあなたのモノ。

 ■ 榑林凛 ■
転入した忍のクラスメートで「くればやし」と読みます。委員長をやっており非常に生真面目。かと言って優等生タイプではなく、男勝りの元気娘です。駄菓子屋の娘で店番をやることも。その駄菓子屋は忍達の溜まり場にもなってます。
問題児の一樹といつもやりあっており最後は凛が一樹をぶっ飛ばして終了。一樹はそれを楽しんでいることろがあり、正に『好きな女の子を怒らせてでもかまいたい』という男の子の心理そのもの。
凛と一樹が結ばれるにはそんなドタバタに隠されていた自分達の気持ちに気付かせられればOK。忍が凛と結ばれるには一樹とは反対に大人なところ(実際は大学生だし)を凛に見せつければイケます。
凛自体ボーイッシュで男の子っぽいのですが、いざとなったら一樹にパンツごとキュロットをずり下ろされたり野ショ○ベンしているところを覗かれたりと見せ場も多く、露出度No1の地位を確立しております。

 ■ メル ■
忍が小さくなる原因を作ったキューピッド。非常にドジでオッチョコチョイでお人よし。天然っぷりをフルに発揮してくれるその様は微笑ましいばかりです。「うきゅう〜」が口癖でスグに泣く弱虫。個人的には双葉よりもメルの方が『守ってあげたい系』かなと。
メルはキューピッドとしての修行のために人間界に来ており、その期限は約1ヶ月。多分忍無しでは修行を終えることなんて出来なかったでしょうねー。実際忍が修行の手伝いほったらかしで自分自身の恋愛活動にうつつを抜かしていたら、カップリングを成功させることができなかったんですから。
メルの修行の手伝いもせずに自分自身が元に戻ることを放棄してまで小○生女の子との恋愛に走る忍はスゴいロリだと思います(当人は至って真剣に恋愛しているのですが、何せ忍の中身が大学生ですし)。真面目にカップリング成就に向けて精進して見事3組のオールコンプリートを成し遂げれば晴れてメルと(以下略)。その際に元の姿に戻るか戻らないか選択することが出来るのですが、元に戻った忍とメルの(略)は流石にヤバいと思いましたが、元に戻らなかった場合の空中での(略)もスゴいと思いました。

 ■ 高山みこと ■
忍の実の妹。学園における絶対的権力者で、学長すらみことには逆らえない。常に取り巻きのような連中に追い回されているぐらいなので恐れられていると言うよりあがめられている感じ。その理由は不明なんですが。
わがままだけど気が利いて、さりげなく優しかったりするみことですが残念ながら前述の通り『実の妹』なのでそれは適わぬ夢……と思いきや、何と『コミックマート64』にて「妹攻略アペンドディスク」の配布が決定。はっきりと「実の妹」と明記されているこのみことをどう攻略するのか……と思ったらアペンドで義理の妹にクラスチェンジしてました。ちなみにこのアペンドディスクの制作が「たまきゅう」発売イベントでのノリと勢いだけで決まったのは有名な話です。

  

 んで全体的な感想。

 絵は結構ナイスだと思います。可愛らしくてかつキレイな絵かと。ただ今度コンシューマ移植されることが決まっているように、PC18禁ゲームよりむしろ全年齢向けコンシューマの方がむいてる絵柄だと思います。

 システムも凝ってます。前述の『卵の殻』システムは最初抵抗を感じるかもしれませんが慣れれば問題ありませんし、何より驚いたのがテキストのバックログ。今のゲームでは過去のテキストを読めるのは最早当然のシステムですし、同時に音声再生が出来るのも珍しくありません。ただしこの「たまきゅう」ではテキストを巻き戻すにつれて画面まで巻き戻っていくのですからビックリです。要するにうっかり過ぎてしまったイベントCGも巻き戻せばいくらでも堪能できますし、改めて話の流れを登場人物の動きと共に追うことも可能なのです。

 そして音楽。BGMは特にずば抜けている訳ではありませんが飽きさせるものではありません。特筆すべきはOP・ED曲です。YURIAさんをボーカルとし、「たまきゅう」の製作総指揮でもある金杉さんプロデュースの女性バンド「HoneyBee」によるOP曲とED曲はかなり「聴かせて」くれます。個人的にはOP曲の「セピアカラーの迷路を抜けて♪」がかなりお勧め。「たまきゅう」の初回限定版はこの「HoneyBee」マキシシングル付きとフィギュア付き、そして「F&Cカード」付きの3種類あり、俺はイチもニも無くマキシ付きを購入。「たまきゅう」の前宣伝では【マキシシングルが「たまきゅう」付きで9,800円】を言われるほどのプッシュぶりでしたし。

 結論としては『ロリーな方にはお勧め』かな、と。あと子供の頃の不器用な恋愛とも呼べないような幼い恋心を思い出したい方にもお勧めですね。そう、あの自分の気持ちに素直になれずに好きな娘をイジめていたような幼くも純粋だったあの頃の……登場人物は全員18歳以上ですが。


個人的満足度: ★★★★★|★★★★★
執筆: 2003/08/05