続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─(邦題)「続・殺戮のジャンゴ ─地獄の賞金首─(邦題)」の感想&レビューをば。 ■絵■ Niθ氏の原画による派手な濃さがガン・アクション活劇を見事に彩ります。スタッフが仰っていた「Niθの持ち味を活かすためにSF設定にした」と言う試みは間違いなく成功してますね。 ■音楽■ 「マカロニ・ウェスタン=西部劇」の雰囲気を意識した拘りを感じさせる音楽。雰囲気を盛り上げるのに一役買ってくれてます。ただ拘りが過ぎたせいか、ニトロ本来(?)の熱い音楽性がやや隠れてしまっているのはちと残念。 ■シナリオ■ 簡単なあらすじ舞台は電子機器等の文明が完全に排除された、砂埃の舞う荒廃した星・スウィートウォーター。星全体を揺るがした革命が失敗してから10年、革命の英雄として知られる『黒のフランコ』が再び世に現れる。フランコと、その首にかけられた高額な賞金を狙って跋扈する2人の女賞金稼ぎ。その結末や如何に。 以下クリア順にヒロイン別感想……と言いたいところですが、完全に一本道シナリオなので、単なるヒロインごとの感想ってことで。 ▼黒のフランコ▼ 人となり(?)刹那的な快楽を求める短絡的な享楽主義者。『黒のフランコ』の象徴である伝説の拳銃「黒の鷹」を自在に操る若い女で、その腕前は一流。度胸も据わっているが、やや短気で行き当たりばったりなところも。 主人公と呼べる”男”がいないので、一応このフランコが主役と言う事になるのでしょうか。頭は悪くないけど、やや先を読むところに欠けているので、踊らされがちな道化的な役割と言えなくも無いなんて思ったり。ラストでするのは評価が分かれるところかも? 過去にあった事を考えるとわからないでもないのですが、その過去についてももやや引っかからないでもないです。スウィートウォーターはそんな甘い星じゃないだろ、と。 でもその辺を差し引いたとしても、見ていて飽きない本当によく動くキャラクターだったと思います。他のキャラクターが全く己の道を疑わず、曲げず、曲がらず、ひたすら突き進んでいる中、唯一思い悩む場面があるのも大きな特徴であり、主人公と呼ぶべき点でもあるかな。 ▼リリィ・サルバターナ▼ 人となり(?)一匹狼の銃匠兼冷酷非情な賞金稼ぎ。銃に対する執着は人一倍で、素晴らしい銃を見ると激しく興奮するレズビアン。従者兼性玩具としてアルフィーを連れている。 清廉潔白な登場人物が革命のリーダーであるジュリアン以外にそうそう見当たらないこの作品の中でも、トップクラスに位置するヒールっぷりがCVの篠崎双葉さんの演技と相まって、シビれるカッコ良さに昇華されてます。しかも単なる悪役などではなく、クールでニヒルな一筋縄ではいかないクセ者と言った印象。 メインである3人の中では最も第三者的な立場であるためか、他の2人と比べると物語の中核への食い込み具合は浅いものの、逆に物語の外周をトリックスター的な役割で存分に立ち回ってくれているので、そのキャラクター性は他の2人に決して劣るものではありません。ある意味、この物語を支える屋台骨的存在と言えるのかも。 ▼名前のない女▼ 人となり(?)誰にも名を名乗らない賞金稼ぎ。クールでニヒルなところはリリィと通ずるところがあるものの、リリィとは違ってどこか意図的に斜に構えたような印象も。 3人の中で一番掴みどころの無い性格をしているようですが、その実一番熱い魂を持っているのではないかと思われる陰の主役と言えそうなキャラクター。徐々に謎や過去が明らかになるにつれて、そのシニカルな言動の裏に隠された意思が感じられたり、逆にますます捉えどころがなくなったりと、とにかく私を最もやきもきさせてくれました。 他人ばかりか自分をも突き放した態度の中に秘められた真なる思いを知らされた時、私の持っていたイメージは180度引っくり返りました。エンディングでとった行動も意外と思える反面、当然とも感じられたりして、その辺にもこのキャラクターの持つ二面性が表れていたのではないかと思います。 徹底したマカロニ・ウェスタン風味のギミックがニクいばかり。次から次へと二転三転するストーリー展開や演出、一本道のシナリオなど、文字通り西部劇映画を観ているような感覚です。派手なガン・アクション。無頼な登場人物達。荒廃した大地における弱肉強食の世界。正しくこれがマカロニ・ウェスタンNitro+風味の姿。 SF要素もありますが、そんなものは味付け程度の小道具的設定なだけで、あくまで描かれているのはとことんまで”西部劇”。喰うか喰われるかのシビアな世界で繰り広げられる人間模様にのめりこむ事必至かと思います。 選択肢は全て失敗すると一発昇天バッドエンドなものばかり。ただしバッドエンドになってもその際に表示される『ガンマン十戒』を見る楽しみがあって(題字がbyいとうかなこさんと言う無駄な凝りようも面白い)、エンディング&全部のバッドエンドを閲覧した時に出てくるお祝いCGもあるので、選択肢は全て選ぶ必要アリ。選択肢の数は多くないので選択肢が出てくるたびにセーブをしておくとよろしいかと思います。こんな攻略性ゼロなあたりにも映画っぽさが感じられました。 エロ目的で購入した人が普通のエロゲーとして評価するとちょっと厳しい結論になるでしょう。そこそこエロシーンの数はあれど、SF的宇宙設定のため男側は人外風の外見の持ち主ばかりで、和姦率も低めとなっているのがその理由。まぁこの作品をエロ目的でプレイする人はいないと思いますけどね。むしろシナリオにエロシーンが食い込んでいて、更にメインの3人がビッチと称するに相応しい牝っぷりを発揮している事が作品全体の味付けとなっている点は大いに評価するべき点かと。 上記にもございますが、お遊び要素的ギミックが散りばめられているのも魅力の1つ。そもそもこの「続・殺戮のジャンゴ〜地獄の賞金首〜」と言うタイトルからして、マカロニ・ウェスタン的意味不明系テイストが炸裂しております。『続』も何も”殺戮のジャンゴ”なる第一作目があったワケではないし、そもそも”ジャンゴ”なんて単語は作品中に全く出てこないし。これは一昔前、マカロニ・ウェスタンが日本で上映されていた頃の低予算映画を思わせる(私、生まれてませんが)、邦題は全くあてにならないと言う文化を忠実に踏襲したものです。 んでそのギミックは効果音や選択肢の演出までにまで及んでます。ニクいねぇ。 と言う訳で「続・殺戮のジャンゴ」でした。残忍にして残酷、豪快にして爽快。一本道のためボリュームに難アリとする方もいらっしゃるかもしれませんが、クリア後は満足感に浸れること請け合いです。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2007/08/09 |