SNOW
メーカー
発売日
2003/01/31
シナリオ
まちゃ吉
望月JET Klein
原画
飛鳥ぴょん
こぶいち
音楽
I’ve
T&N MUSIC FACTORY Famishin ふぁむ 製作発表から云年……発売されないままに伝説となりかけていた「SNOW」の発売が発表された時は至る所で衝撃と驚きの声があがりました。陵辱メーカーとしての地位を確立していたスタジオメビウスが送る純愛モノ……期待と不安が膨らむ中でついに発売された「SNOW」とは。 ストーリーは龍神伝説が伝わり、万年雪の解けない龍神村に主人公・出雲彼方がやってきたところから始まりました。そこで出会う少女達……小さい頃の約束を頑なに覚えているあんまん好きな澄乃、元気な獣系少女・旭、龍神の社でひたすらに両親を待ち続けている桜花、山の中で暮らしているミステリアスな少女・しぐれ。数百年前からの因縁、輪廻、繰り返される宿命。果たして彼方の取るべき道は……。 とまぁストーリーはそんな感じです。詳細はプレイ日記を御参照下さい。細かい感想もそちらで叫んでいるのでここではあっちで書かなかったこと、書ききれなかったことについて述べさせていただきます。 この「SNOW」をプレイした人間が必ず思うこと、それは「Kanon? AIR?」と言う事。確かに「SNOW」はこの2作品、つまりKey作品に酷似している点が多々ありました(Keyのライターさんもクレジットに名前がありましたし)。ヒロインのキャラ設定では口癖や好物への執着、そして過去からの因縁と言う背景、そのどれもがKey作品を彷彿とさせたことに異論を挟む余地はありません。しかもそのことは製作したスタッフ自らが認めることなのでこちらとしては「ああ、やっぱりね」としか反応できないのが現実。なのでKey作品への思い入れが強い方の中には馬鹿にされているように感じる方もいらっしゃるでしょう。 私見としては「SNOW」が充分良作であると思います。そもそも今からゲームを作ろうとした場合、多かれ少なかれ過去の作品を手本にしたり、または測らずとも類似性を持ってしまうのは仕方の無いことだと思うのです。実際学園モノと呼ばれるジャンルにおいて金字塔を打ち立てた「ToHeart」を全く模倣せずにゲームを作ることは不可能とまで言えるでしょう。しかしそれを感じさせた上でプレイヤーに面白いと感じさせ、訴えかけるものがあればそれでいいのではないでしょうか。それが出来ないのであればその作品は単なる猿真似になるだけですが、「SNOW」はそれを充分にクリアしていると思います。 内容について触れてみます。CGについて。これは『完璧』と言えるでしょう。可愛くて綺麗な立ち絵・イベントCGはほぼ万人ウケすると見て間違いありませんし、背景の美麗さは他に類を見ません。雪を降らせるエフェクトなども作品の雰囲気を作り出すのに一役買っていました。 音楽。これもまたかなりの高レベルなものでした。OP・EDは早急にサントラの発売を希望するほどですし、BGMも作品にあったものばかりで大いに雰囲気を盛り上げてくれました。ただし冬コミで発売されたサントラCDは収録曲が少なく、OPはショートバージョンのみ。EDを聞くには『ExtraMode』のサウンドモードしかないのですが、これがまた異様にCPUを喰いまくるので聞き続けるのはキツいです(汗)。早く……早くサントラを!! テキストについて。個人的には感動部分・お笑い部分共に満足できる出来でした。感動部分では大いに泣かせて頂きましたし、お笑い部分でも大いに笑わせてもらいました。シナリオは目新しい部分は無いものの、充分練られていると言う印象。 シナリオについてもう少し述べてみます。何度も申し上げている通り「SNOW」は「Kanon」「AIR」と言ったKey作品を基点としていることに間違いはありません。そしてこの2作品を超えたかと言われると「?」マークですが、ある一点については「SNOW」に軍配が上がると思います。それは『家族愛』について。これは特に「AIR」で見られた傾向ですが、あの作品は男女間の恋愛よりも晴子さんと観鈴の「親子愛」が中心のテーマだったと思います。しかし「AIR」には「親子愛」を語るには決定的に抜け落ちていたものがありました。それは「Kanon」においても欠けていたもの、『父性』の存在です。これが決定的に欠けていた「AIR」は「全然『家族愛』じゃない」と一部で酷評を得ていたりもするのですが、その点「SNOW」は見事にこれを描ききったのではないかと思います。主人公・彼方と妻・澄乃、そして桜花の3人が描いた『家族愛』は正に号泣モノ。 シナリオについての不満点はいくつかありますが、その最たるものが桜花シナリオにおけるしぐれへの言及の無さ、そして芽依子シナリオが存在しないことです。おそらくは登場人物中で最も苦しみぬいたであろうしぐれがグランドフィナーレとも言える桜花シナリオで救われなかった(救われるシーンが無かった)のは残念でした。これでいくとしぐれが救われるのはしぐれシナリオのみとなってしまいます。出来ることならば桜花シナリオにはしぐれも絡めて欲しかった……と思わずにはいられません。 そして芽依子。おそらくは『Legend』クリア後に最もその印象が変わる人物です。彼女もしぐれ同様の宿命を背負った存在であり、物語の大いなるキーパーソンでもあります。彼女が救われるのもある意味しぐれシナリオのみであり、他のシナリオではその後を計り知ることが困難です。芽依子はのでHシーンを入れるのは難しいでしょうが、何も『攻略=H』とは限りません。芽依子を中心とした、芽依子を救うシナリオがあってもよかったのではないか……いや、むしろあってしかるべきだったのではないか。そう思います。 おそらくは評価が真っ二つに分かれるであろう宿命を負って世に生まれ出た作品である「SNOW」ですが、私は自信を持ってお勧めいたします。 この作品の恐ろしいところは激しく結婚して子供が欲しくなるところです。その点に『抱っこシステム』が大きく関与していることは言うまでもありません。この手で桜花を抱っこしたい……そう思わせる何かがあります。あるんです。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2003/02/18 |