ショコラ 〜maid cafe "curio"〜「ショコラ 〜maid cafe "curio"〜」の感想をば。ネタバレは気にしない方向で。 「パルフェ」で丸戸さんのシナリオに惚れて、速攻で前作である「ショコラ」をプレイ致しました。 ■絵■ ねこにゃんさん。もう隙無しです。 ■音楽■ 印象に残るようなBGMは特にありませんでしたが、OPの「CreamMint」は大好き。 ■シナリオ■ 簡単なあらすじ突然再婚した父親に代わってアンティーク喫茶店「キュリオ」の店長代理を勤めることになり、同時に義理の妹・すずと2人きりの同居生活が始まり、駅前で拾った箱入り娘な家出少女・美里を雇うことになり……と、たった1日で波乱万丈な生活を送ることになった主人公・結城大介。腐れ縁のフロアチーフや訳アリな過去のある常連客、『ファミリー』として固い絆で結ばれた仲間達に囲まれて、大介の新しい生活が始まる……。 ヒロインは「キュリオ」に勤める5人+常連客1人の6人とヒロインと呼んでいいのかどうか微妙なプラスアルファが1人(?)。キャラクターによってシナリオのクオリティに激しく差があるように感じられますが、その中でも高く評価出来る美里・翠・香奈子さんのシナリオは丸戸さん節が炸裂してて、非常に楽しめます。と言うか香奈子さんシナリオなんてもうもうもう……。 表のメインヒロイン・真名井美里。お嬢様育ちで凄まじい世間知らず。家出したのはいいけどAVのスカウトに騙されそうになったりお金を落としたり、どうにも見捨てることが出来なくて大介がアルバイトとして雇いつつ保護者的な役割を請け負うことに。とても素直で素直で素直な性格をしていて、何事にも前向きで一生懸命。大介に対する好意を最初から最後まで真っ直ぐにぶつけてくる怖いもの知らずな一面も。 とにかく真っ直ぐな愛情表現は見ていて清々しいレベル。雨の中で踊るシーンや告白シーンなど、とことん可愛らしく、でも全く嫌味じゃなく描いてみせるテキスト力には感服です。感動とかじゃなくて、美里の純愛を温かく見守るシナリオ、と言った印象でしょうか。 実はヤクザの一人娘であることが判明して、実家に連れ戻されてしまった美里を大介が更に”連れ戻し”にいくシーンは、『結城ファミリー』の力と結束に大爆笑。バラさん、アンタ何者だよ……。 「キュリオ」のフロアチーフ・大村翠。大介とは中1からの腐れ縁で、誰よりも大介のことを理解している自他共に認める男女の仲を超えた親友。香奈子さんを合わせた3人の関係は実のところ複雑ながらも、深い絆で結ばれた確かなモノ。フロアチーフとして「キュリオ」にはなくてはならない存在だけど、近くオープンする予定の2号店で料理長の座を狙っている。 江戸っ子に間違いないと思わせる大介との軽快かつ喧嘩腰なやり取りは翠のチャームポイントでもあったり。大介に対して好意を抱いているものの、大介の香奈子さんに対する想いを知っているが故に言い出せないばかりか、2人の後押しを申し出たりと切ない一面も。本当に本当に本当に、本当にイイヤツなんですよね。 報われない大介への想いを胸にしたまま、バラさんへアッタクする姿は涙を誘いますが、バラさんの超大人な対応は流石としか言いようがなく。例え大介に対する想いを抱えていたとしても、バラさんに対する気持ちは嘘ではなかったであろうあたりに、翠には男を見る目があったんだなぁ、とつくづく納得です。 それでも香奈子さんと大介のために身を引こうする翠は見ていて痛々しい程。香奈子さんを捨てて翠を選択した大介の決断と、それによって崩れる3人の関係……でも香奈子さんは最後には2人を祝福してくれました。この時流れた翠の涙は俺の涙です、と言い切ってもいいでしょう。ただ、未だにこのクライマックスで流れるBGMには納得がいってません。もっと、フィナーレに相応しいと言うかさぁ……。 裏の、と言うか真のヒロイン・秋島香奈子。大介と翠の親友であり、すずが現れるまでは大介の家に入り浸って平気で裸でうろついたりしながらも、決して”男女の関係”にはならなかった不思議な関係を築いていた人。表情が乏しく、大学をサボっては「キュリオ」の決まった席で読書等をしながら過ごす毎日。さん付けするか呼び捨てにするかは、こうして感想を書く上でも悩みどころですが、とりあえずここでは『さん付け』の方向で。 丸戸さん必殺の”昔、主人公とワケありだった女”。実は学園時代に大介と恋人のような関係までなっていて、2人で駆け落ちまでしようとするも失敗。その時のすれ違いが元で関係は壊れてしまうも、翠の尽力などによって”親友”と言う新しい関係に。ただしその後も大介付きまとっているのは復讐のためであり、優等生然としていた性格も一変して他人を近づけないものに……。 悲しいとしか言いようの無い勘違いとすれ違い、そしてそこから生じた香奈子さんの大介に対する復讐心があまりにも切な過ぎるシナリオです。大介が忘れてしまい、香奈子さんだけが覚えていた『2人だけの秘密と夢』は一度バッドエンドを迎えないと大介が思い出さない構成は、プレイ当時の私は疑問を感じたですが、今にしてみればバッドエンドがあったからこそトゥルーエンドの感動がより大きなものになったのかな、とも思います。 あまりにも悲しすぎる香奈子さんの”復讐”の後、大介が香奈子さんとの真実に気付き、2人の関係を取り戻すに至る流れにはただただ圧倒されるばかり。欲を言えばコロッケをもっとよく伏線として活用して欲しかったとは思いますが、その大団円的結末には本当によかったね、よかったね……と涙涙涙。 香奈子さんには「ショコラ」の廉価版である「ショコラ Re-Order」で追加されたアフターストーリーがありますが、ここまで含めて1つの『香奈子さんシナリオ』と呼んで差し支えないと思ってます。香奈子さんが本当になりたかった自分になるに至る流れ。秋島香奈子と言う人間の真骨頂。大介ならきっと香奈子さんを幸せにしてくれると信じてます。 他のヒロインに関しては割愛。つか真子なんてシナリオを全然覚えてなかったりしますし……どうしてここまでシナリオに差が出ますかねぇ? ゲームを進める上で、1日に2回ほど大介の業務内容を指定してやる必要があるのですが、このシステムが非常に面倒かつ難解で、世間的にも不評だった様子。そして個人的にも全く同感。あれ、いらないッスよねー。 上記の通りシナリオのクオリティに激しく差があったり、システム的に難があったりしますが、感想を書いた3人のヒロインに出会えただけでもプレイした価値は充分にあったと思います。ラストにクリアしたのが香奈子さんだった、ってのも大きかったですね。今からやるなら「ショコラ」をインストールした上での「フォセット」の『メモリアルボード』で……と言いたいところですが、やはり作品の雰囲気を味わうためには通常プレイが一番かと思います。そしてその際には香奈子さんのアフターストーリーを楽しむためにも「Re-Order」でプレイすることをお忘れなく。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2007/07/17 |