レコンキスタ
メーカー
発売日
2007/06/22
シナリオ
海富一
秋津環 大月佑佑
原画
あんころもち
笹井さじ
音楽
Elements Garden
井出今日子 Barbarian on the groove 443 SENTIVE 舘内 「レコンキスタ」のレビュー&感想をば。 ■絵■ メインキャラの原画はあんころもちさん。安定して可愛いです、特に幼児方面が。ボイスのパワーと相まってもじみの愛らしさは反則。 ■音楽■ 特に印象に残ったBGMは無いのですが、OPの「Reconquista」とEDの「声が聴こえる〜Calling you〜」はシビれます。ただEDはグランドルートでしか流れないのが残念。 ■シナリオ■ 簡単なあらすじ都市開発が停止して寂れていく一方の人工島ニュータウンで、実しやかに流れ始めた首狩り女の都市伝説があった。島内唯一のミッション系学園に新しく赴任してきた国語教師・槙野慶吾と学園に通う三沢信哉は、その首狩り女を目撃してしまった時から穏やかな日常が崩壊していく。 主人公が2人いて、それぞれに攻略出来るヒロインが用意(?)されてます。んで全ヒロインを攻略した段階で過去編がプレイ出来るようになって、その後グランドルートも選択可能となる方式。 以下クリア順感想。 ▼秋月暮葉▼ 人となり(?)首狩り女。目的は不明であり、容姿は槙野の亡き妻である紅葉に激似。一応主人公に槙野を選択することで攻略対象にはなりますが、別に槙野と結ばれるワケではありません。つかこれで槙野とのエロシーンとかあったら萎えまくりだったので助かりました。 そんな暮葉の正体はであり、ってことはつまりになるワケです。暮葉シナリオでは暮葉が槙野と結ばれてエロシーンに突入……なんてシーンは無し。あったらむしろ興ざめだったと思うので、不必要なエロシーンが挿入されなかったのは英断であったかと思います。終盤まで謎を残しつつも、登場した時の神秘的な雰囲気が長持ちしなかったのはちょっと残念。 過去編で感情移入した後にグランドルートで救われる展開には満足。と言うかがイイです。よかったね、よかったね……。それはそうとあのセーラー服姿ってよくよく考えるとに近いのでは、とか思ったらダメですか? ▼吉森麻咲▼ 人となり(?)槙野のお隣さんにして受け持ちの生徒。明るいクラスのまとめ役的存在でスポーツ万能だけど、特定の部活等には所属せずにひたすらトレーニングに励む毎日。 一応父親がいない環境のせいで槙野に惚れる下地があったってのは納得出来ますが、それでもちと唐突感があったのは否めないかなぁ。自分が過去に犯した罪がトラウマになって、ずっとそれに囚われ続けている設定を上手く活かした展開は◎。そうは言っても汐見が弱すぎる気がしないでもありませんが。 エンディングはスッキリまとまっているとは思いますけど、上記の唐突感と終盤でする展開のせいか、もう一捻り欲しいと言うのが正直なところ。 ▼羽鳥真帆子▼ 人となり(?)もう1人の主人公・三沢信哉の幼なじみ。おっとり巨乳なホンワカ系。信哉にスカートをめくられるのが毎日の習慣……って、この設定だけはどうも受け付けられなかったです。「えーと……痴女?」みたいな。他は一途なところや、辛い過去を乗り越えて強くなった部分も含めて幼なじみ判定では上位に食い込んでます。 シナリオ自体は信哉と2人で抱える過去や、理不尽に襲い掛かってきた過酷な運命に対して立ち向かう様子が好感度高し。ただ展開はちと切なすぎかも。あとする様が痛々しいのなんのって。信哉にブチのめして欲しかった。 ▼春日井詩菜▼ 人となり(?)真帆子を絶対の存在とする従妹にして後輩。信哉に対しては冷たい態度を崩さないクールなちびっ子。でもジト目は可愛い。 真帆子を守るための自己犠牲精神は立派だけど、それにも限度ってものがあるような。プレイしていて何度「とっとと汐見をブチ殺せ!」と心の中で叫んだことか。つかこのシナリオで一気に汐見の変態っぷりが露呈したのも大きな理由(まぁ)。 信哉に想いを寄せる過程にやや疑問。ラストの展開は他に手は無かったのか……と悩まずにはいられない部分はありますが、全編を通して信哉が熱く描かれているので違和感は無いかな。真帆子シナリオでもそうでしたけど、基本的に信哉に対する好感度は高いです。 ここまでが個別ルート。主人公が選べる他、選択肢によってもシナリオに多少の変化はありますが、基本的な全体の流れや展開はほぼ同じ。あとはどの視点から事件を見るか、と言う違いであり、「裏ではこんな事があったのか」とわかっていく多視点ADVの醍醐味を存分に味わえます。ちと汐見が忙し過ぎるような気もしますが。 麻咲や詩菜はと言うのがキツめですけど、物語の整合性やシナリオを複数クリアすることで収束していく展開はなかなか見事。ホラーサスペンスっぽい設定ではありましたが、むしろその中で登場人物がどう動くのかが物語の焦点であり肝だったかと思います。なのでサスペンス的ドキワク感に過度な期待をするとちょっと肩透かしをくらうかもしれませんけど、その辺も含めて”ホラー”ではなく【ミステリアス恋愛アドベンチャー】なのだとも言えます。 過去編で明らかになる汐見や暮葉の過去。汐見に関してはアレを知ったところで同情の余地なんてまるで無いんですけど、暮葉に関してはやるせない気持ちでいっぱい。っつーかについては裕輔も存在を知っていたんだし、置手紙なり何なりぐらいはあってもよかったのになぁ。それだけでも裕輔の気持ちはかなり違っていただろうに。 シナリオをクリアする度に追加されていく『年表』システムは面白かったと思います。本編の補完になるだけじゃなくて、過去を知ることでキャラクターへの感情移入度や理解も深まりますし。ややインターフェースに難があったけどアレ以上の操作性は無理かな。ポップアップの説明で一部改行がおかしくなっている箇所があったのが残念。これって私だけ? そして最終章のグランドルート。主人公は槙野でも信哉でもなく、汐見と裕輔の2人。最終章に相応しく、大団円へと向かっていくスピーディーな展開は爽快でした。汐見も含めて誰もが幸せになれるエンディングに大満足です。特にの最期は本当によかったね、よかったね……と。碧が何気に美味しい役どころだったのもナイスでした。 ちなみにエピローグでは一瞬、と思いました。や、んなワケないんですけど。ラストのはちょっと蛇足のように感じられました。血は繰り返す、じゃないですけど、を暗示されてもなぁ。と言うか娘はやらん。 細かくて恐縮ですが、暮葉の首狩り用の槍(?)は、って設定はちぃとばかり無理があったんじゃないかと。しても超常的な能力が身に付くわけは無さそうなのに、あれで首を狩るってのはちょっと……。 逆に全編通して、特に麻咲と詩菜・関連で強く出てきた槙野が昔書いた児童小説にちなんだエピソードは、小道具として非常によく出来ていたように感じました。その中でもはギミックがよく効いてて良かったです。あーゆーの好き。 特定の主人公を中心としつつヒロインや敵役まで含めて目まぐるしく変わっていく視点は、各自の状況や考えを理解する上ではよく機能してましたし、中弛みを防ぎつつテンポよくストーリーを展開させていくには良かったと思いますが、逆に主人公個人に対するプレーヤーの自己反映度を下げる結果に繋がりました。なのでプレイヤーはあくまで第三者的な視点(俯瞰的な感覚で、と言う意味で)からストーリーを眺めるような形になってしまったかと思います。 ホラー・サスペンス物はいかに自分を登場人物と同一化するかがポイントだと思いますので、これはちょっとマイナスポイントにも感じられますが、この作品はどちらかと言うと”ミステリー”に近いと思いますので、これはこれで良かったのかもしれません。むしろそれが狙いだったのかも? クリアした後になってみると、パッケージに書いてある『取リ戻セ』と言うキャッチコピーや、『Reconquista』と言うタイトルに込められた意味や想いが理解出来ていい感じ。 と言う訳で「レコンキスタ」。どちらかと言うと恋愛要素は薄めで、ちょっと長めのミステリー小説を読むような感覚でプレイするが吉かと存じます。読後感が非常に爽やかなのが印象的でした。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2006/07/09 |