クロノベルト「あやかしびと」と「Bullet Butlers」のクロスオーバーディスク「クロノベルト」のレビュー&感想をば。 ■絵■ 両作品同様に中央東口さん。相変わらずのド迫力です。エロシーンよりも戦闘シーンの方が高いクオリティを誇っているのもお約束。 ■音楽■ 両作品のBGMプラスアルファで主題歌付き。血湧き肉踊るBGMは流石です。曲が流れてきた瞬間にゾクゾクきました。文字通りの鳥肌モン。 ■シナリオ■ 「Bullet Butlers」では敵役として登場したアルフレッド・アロースミスが主役の『かりそめの旅人たち』編と、「あやかしびと」でラスボスとも言うべき存在だった九鬼先生が主役の『復讐するは神になし』編があり、双方をクリアすると『クロノベルト』編が解放されます。以下クリア順にシナリオ別感想。 ▲『かりそめの旅人たち』編▲ 簡単なあらすじ死後(?)、何も無い道を歩き続けていたアルフレッドの前に現れたのは、その回廊を守護する妖である雲外鏡・睡。その雲外鏡に導かれる形でアルフレッドが潜った鏡の先でたどり着いたのは、ゴルドロックとは似て非なる世界・神沢市だった。そこでアルフレッドは学園祭の準備に追われる神沢学園生徒会の面々と出会うことになる。『生きる目的』を失ったアルフレッドは、新しい『生きる目的』を見つけることが出来るのか。 「BB」では全く感情の無い戦闘執事マシーンとして描かれていたアルフレッドが、面白おかしくも苦境を乗り越えてきた上での明るさと前向きさを持った神沢学園生徒会と、学園祭の準備と称して心を通じ合わせていく様子を描いたもの。徐々に、本当に徐々にではありましたが、人間らしさを手に入れていって、『生きる目的=夢』を見つけ出す過程が素晴らしいです。単なる悪人ではなかったアルフレッドが救われたのは、本当に嬉しい限りでした。よかった……本当によかった……。 好奇心旺盛な純真無垢なる少女に姿を変えたルダもいいキャラしてました。個人的には銃形態時のような大人びた姿で現れてくれてもよかったかなー、と思いますが、子供っぽいルダも十分過ぎるほどにアリです。本編時のシニカルさに磨きがかかったトーニャには終始笑わせてもらいました。そしてクライマックスの戦闘シーンの熱さについては言わずもがな、ですね。ラストの選択肢によってエンディングが分岐。片方はデッドエンドとも言うべきものでしたが、あれはあれで1つのエンディングとして満足出来る終わり方だったのではないでしょうか。いずれにしてもアルフレッドが格好良すぎて困りました。 ▲『復讐するは神になし』編▲ 簡単なあらすじ死後(?)、何も無い道を歩き続けていた九鬼耀鋼の前に現れたのは、その回廊を守護する妖である雲外鏡・鏡。その雲外鏡に導かれる形で九鬼が潜った先でたどり着いたのは、神沢市とは似て非なる世界・ゴルドロック。そこに自分の仇敵であり、息子を殺した犯人である氷鷹一奈も来ていると聞いた九鬼は、更なる復習を果たすべく一奈を捜し求める。一方、人生をやり直すべく雲外鏡の力で無垢な子供となっていた一奈はフォルテンマイヤー家で保護されていた。 「あやかしびと」で九鬼先生を”悪鬼”と化させた復讐劇の最終幕。愛を知らないまま狂気に走った一奈が、コゼットの母性に満ちた保護を受ける子供・イチナとなった姿を見た九鬼先生の苦悩たるやもうもうもう。その上で”復讐”を成し遂げた九鬼先生の男らしさには、改めて惚れ直させて頂きました。第二ボタンの代わりに眼帯を欲しがるまであります。 それにしても竜の姿となったドラゴニュートすら素手で打ち倒す九鬼先生の強さってのは何事なんでしょうね。元々人妖相手を想定した九鬼流なので、文字通り人間離れしたゴルドロックの住人達には有効なのかもしれませんが、それにしたって九鬼先生の強さも人間離れし過ぎです。そしてこれまた格好良すぎて本当に困ります。どこまで男惚れ度を上げれば気が済むんですか。それはもう見事な倍プッシュです。イチナに対して問答無用の愛を注ぐコゼットにはやや違和感を感じましたが、イチナを守るべく命を懸けるその姿には感動しました。そしてと思います。それこそが九鬼先生の”復讐”なのですから……ううっ、九鬼先生。 あ、あとエロシーンが無かったことにはホッとしました。これで『九鬼先生×イチナ』とかあったら、別の意味で涙が出そうです。 ▲『クロノベルト』編▲ 簡単なあらすじ何度も何度も1日が繰り返される世界で、互いに憎しみをもって殺し合いをする神沢市の住人とゴルドロックの住人。憎みあう理由もわからず、1日が12時間しかないことを不思議に思うこともなく、ただひたすらに殺しあう世界。果たしてこの世界は何なのか。 誰もがバトル物のゲームなり漫画なりアニメなりで思うことでしょう。「あの作品のキャラとあの作品のキャラが戦ったら、一体どうなるんだろう」と。そんな夢の企画をクロスオーバーと言う形で見事に実現してくれたpropellerさんには心から敬意を表したいと思います。クロスオーバーものは世界観の違いが不自然さを生み出してしまうことが多いのですが、この『クロノベルト』はその世界観の違いを設定として昇華させ、新しい世界観を構築することに成功しております。流石です。見事です。 登場人物は両作品からピックアップされた総勢20人弱。流石に全員出すのは無理があったようですし、更にその裏には大人の事情があったとか無かったとか無かったと信じたいとか。ただ虎太郎先生、ホープやレイスには出てきて欲しかったッスね。あと私は終盤まで「愛するセルマの出番が少ない」と嘆いていたんですけど、ラスト付近で見せてくれました。いや、魅せてくれました、と言った方がいいですね。やっぱりセルマは最高。身震いするほどに最高です。登場人物と言えば敵役であるマグダラは小説の登場人物であり、他にもちょくちょく小説ネタが出てきておりましたが、小説を未読であっても全く問題無いお遊びレベルであり、かつトップメニューの『人物事典』で説明もなされている親切設計。 『かりそめの旅人たち』や『復讐するは神になし』の話を引き継いだストーリーとなっていて、正に「あやかしびと」「BB」をも含めた集大成とも言うべき内容です。それでいてまだまだ続きがありそうなニクいヤツ。それがこの『クロノベルト』。双七とリックの視点で進むのでこの2人が主役と言っていいと思いますが、どちらかと言うと「BB」サイドが優遇されていたように感じましたね。確かにけど、その前のの方が遥かに燃えたという悲しくも切ない事実がここに。エンディングは最後の選択肢によって2つに分岐しますが、やはり正史とするべきはトゥルー(?)エンドの方でしょう。アルフレッドとルダの在り方、そしてには溢れる涙を止められませんでした。更には双七とすず、リックとセルマの絆も感じることが出来て万々歳。 ファンディスクとしては申し分ない内容とボリュームでした。単純に2つの作品のキャラを共演させるだけじゃないクロスオーバーっぷりに感服です。久々に神沢学園のメンバーに会えたのも嬉しかったですねー。やっぱり自分は「あやかしびと」が好きなんだなぁ……とシミジミ。ちなみに本作クリア後、前のマシンが吹っ飛んでしまってデータごと消えてしまっていた「あやかしびと」を今のマシンにインストールして何度目になるかわからない再プレイを開始しました。 そしてもちろん「BB」も大好きな私にしてみれば、文句の付け所がないファンディスクだったと言えるでしょう。前から申し上げておりますが、やはりpropellerは今一番熱いブランドなのかもしれません。 おまけとして「あやかしびと」「BB」「クロノベルト」、更には小説版まで含めた『人物事典』と『武器事典』も搭載しております。ビジュアルだけでなくコメント付きの説明もあるので、忘れてしまった人も小説未読な人も朝まで安心。 あとはゲスト作家さんによるイラスト壁紙&コメントもあり。依澄さん大好きー。 笑いと涙と熱いバトルのメリハリのあるテキストは、安全と信頼の東出祐一郎さんクオリティです。まぁ笑いに関しては『かりそめの旅人たち』に集約されていた感もありますので、そういう意味では『かりそめ〜』が3つの話の中で一番完成度が高かったと言えるかもしれません。ただ他の2つも当然引けを取るものではなく、最初から最後まで全く飽きることも中だるみすることも無く楽しませて頂きました。 そもそもの話として、当サイトにおける義務ゲーと推奨ゲーのクロスオーバーファンディスクともなれば、期待するなと言う方が無理な話(つか「BB」は推奨ゲーから義務ゲーにしてもいいかもしれない)。その期待に応えてくれるどころか、期待を上回る勢いだったことにホクホク顔が止まりません。しかも制作の発表から発売までがやたらと短かったのも驚きでした。 各話の主人公であるアルフレッドや九鬼先生、双七&リックが目立つのは当然ですけど、それ以外としてはトーニャとコゼットが優遇されていた感じですね。特にトーニャはギャグ担当兼バトル担当と八面六臂の大活躍。逆に他のヒロイン陣は大人しめでしたけど、全員がトーニャばりに頑張ったら色んな意味で大変なことになりそう。 一番嬉しかったのはを見られたことでしょうか。これまでもやで見かけてきた図ではありますが、改めてゲーム内で見ると感動もひとしおです。そう考えると『クロノベルト』の世界は正しく理想郷なのかも? 全く隙の無い声優陣はそのままで、追加キャラであるマグダラと雲外鏡のCVが青山ゆかりさんと風音さんともなれば、どこに問題があると言えるでしょうか。いや言えない。 繰り返しになりますが、本当に楽しませて頂きました。「あやかしびと」や「BB」をプレイした方は絶対にプレイするべきですし、2作品を未プレイの方は『燃焼系3本パック』を購入してでも全作品をプレイするべきだと思います。それだけの価値は間違いなくあります。 そして、最後の壁紙の妄想が実現化することを願って止まない私でしたとさ。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2008/05/27 |