Princess Frontier「Princess Frontier」のレビュー&感想をば。 ■絵■ 原画は瀬之本久史さん。瀬之本さんの絵はWITCH時代から拝見してましたが、何となくスルーしておりました。でも作品ごとにに絵柄を変えてくる瀬之本さんの絵は、今作では非常にスッキリとしたタッチになっており、全く抵抗を感じることもなくプレイ。これなら他の作品も全然問題無さそうだなぁ、と思うまであります(元々あんまり絵は気にしないんですけど)。要所要所で挿入されるデフォルメされたSD絵も可愛らしくて、いいアクセントになっていたかと。立ち絵をアップとして使用することで、キャラクターに動きを出していたのもいい演出でした。 ■音楽■ 牧歌的な村を舞台としたゲームの雰囲気によく合った、ホノボノとしたイメージのBGMが多くてナイス。主題歌はOPに加えてヒロインのEDごとに用意されている豪華さも見逃せません。 ■シナリオ■ 簡単なあらすじ念願の騎士となったリュウ・ドナルベインはその任官パーティーにおいて、王女の胸に触ってしまう大失態をやらかす。その結果として辺境の地を転々と左遷させられ、その挙句にたどり着いたのは国境の小さな村・ポルカ村だった。最初は辺境の国境警備隊隊長となった己の境遇を嘆いていたが、村に打ち解けていくにつれてどんどん前向きになっていったリュウの前に現れたのは、左遷のきっかけとなった王女だった……。 攻略対象は4人。各ヒロインにノーマルエンドとハッピーエンドが用意されておりますが、基本的にはどちらもハッピーエンド。以下クリア順にヒロイン別感想。 ▼アルエ(アルエミーナ・リューシー・テクスフォルト・ゼフィランス)▼ 人となり(?)リュウ左遷のきっかけとなったテクスフォルト王国第4王女。見た目は美しい少女なのだが、自分は本当は男であり呪いで女に変えられた、と公言してはばからない。高潔で世間知らずな我侭の塊だったアルエだが、ポルカ村での生活を経て大きく成長していく。 ”男に戻る”ために、性別を逆転させることが出来るという伝説の花を求めてやってきた、ゲームタイトルそのままの『辺境にやってきた王女様』。最初は我侭ながらも世間知らずっぷりを遺憾なく発揮する姿が面白おかしかったけど、 中盤からは人間的に大きく成長していく姿が非常に好ましくて頼もしかったですね。真っ直ぐな性根は見ていて心地よかったです。 自分を本来は男だと信じ込んでいるためか一人称はボクで、行動も多少の無理してる感があれど男らしい部分がちらほら。だからこそ、後半の女の子として目覚めていく様子が余計に可愛らしかったり。個別シナリオの中核は、やはり左遷騎士と王女と言う身分違いの壁。ノーマルエンドもハッピーエンドもどっちも好きですが、どちらかと言うとノーマルエンドの終わり方の方が好みかも。 CVは七原ことみさん。メイン級のヒロイン役としては「ゆのはな」以来でした。ちょっと中性的でやや一本調子な喋り方が”本当は自分を男であると思っている王女”を上手く表現出来ていたと思います。もっと出演作が多くてもいいんじゃないか、と陰ながら今後に期待している声優さんの1人なのです。 ▼レキ・ロックハート▼ 人となり(?)ポルカ村の神殿に派遣されてきた優秀な神官。村では医者のような役割も担っており、村民達の尊敬を一身に集めている。生真面目でお堅い性格をしているが、リュウ達との交流によって少しずつ変わっていくことになる。恋愛に対する知識や免疫は当然のようにゼロ。 年下でありながら幾度となくリュウを支えてきたクールビューティー。生真面目で融通が利かないからこそ、それを崩される瞬間とのギャップが光ります。特にリュウと付き合うことになった際に、村の少女達から男女付き合いについてレクチャーを受けるシーンにおけるレキの面白可愛さはタマらないものがありました。 個別シナリオでは……という展開が。、もうちょっとリュウと付き合い始める際に葛藤があってもよかったのでは、と思わないでもありませんが『恋は盲目』の言葉で私の中では解決しております。ノーマルエンドは「え? それでいいの?」みたいな感じだけど、ハッピーエンドは正しくハッピーエンド。 CVはザ・鉄板の称号を与えたい青山ゆかりさん。凛々しい演技とコメディタッチな演技の両方が光り輝いてました。確実にレキの魅力を1ランクも2ランクも押し上げていたかと思います。 ▼ミント・テトラ▼ 人となり(?)ポルカ村に王女がいることを聞きつけてやってきた商人。商売の腕は悪くないのだが、不運が重なったり生来お人よしの性格が出たりで、なかなかうまくいかない。父親の残してくれた『テトラ商会』を大きくすることを目標に、日々を邁進している。 お金が大好き、と言うよりも商売が大好きな元気少女。自分が恋愛をするなんて思いもよらなかったミントは慌てふためく様子は可愛らしかったと思いますが、共通ルートではもうちょっとリュウとミント2人だけのエピソードが欲しかったかも。 ミントの個別ルートは、……となかなか緊迫感溢れる展開が待っておりました。ノーマルエンドも結構好きな終わり方でしたし、ハッピーエンドも割とアッサリしてましたが、いずれの終わり方も好み。 CVは元気娘随一の芹園みやさん。この方の演じる元気系は本当に気持ちがいいです。ミントはツッコミ役としても大活躍でしたけど、芹園さんの声のおかげで更に面白度がアップしてのは間違いないところ。 ▼ロコナ▼ 人となり(?)リュウの他に2人しかいない警備隊隊員の1人。人を疑うこと全く知らない真っ直ぐで純粋な心の持ち主で、村の誰からも愛されている。リュウを心から尊敬し、最初村人達から忌み嫌われていたリュウを支えていた唯一の人物。 とにかく可愛かった。多少期待していたからこそ最後にクリアすべく取っておいたのですが、それでも予想以上の破壊力にKO。どこまでもリュウを信じて疑わない姿勢と、分け隔てなく優しく慈愛に満ちた心に、私のハートはすっかり癒されました。これは完全にテキストと原画とボイスの融合による勝利。自分チョップ敬礼やいつまで経っても上手くならない角笛も愛嬌イッパイです。 ロコナシナリオではと言う定番ながらも厳しい状況に追い込まれることになります。ノーマルエンドとハッピーエンドの違いも非常にわかりやすく、何気にどちらも捨てがたい私です。まぁハッピーエンドではその後の生活はどうするつもりなんだろう、と思ったり思わなかったり。そしてロコナほど『』って言葉が似合う子はいないと断言出来る今日この頃。 CVは松田理沙さん。ザ・パーフェクトと呼ばせて頂きます。松田さんあってのロコナと言っていいでしょう。ここまでくると反則です、反則。勘弁して下さい、ってレベルで琴線に触れる可愛さでした。 狭い村での共同生活を描いた共通ルートが長く、でも1つ1つの事件が実に微笑ましく描写されているので、飽きるということがありません。この長めの共通ルートがあるお陰で、個別ルートに入る前から存分に感情移入が出来ました。そしてその感情移入は特定のキャラが対象ではなく、リュウを中心とした仲間達全員に対するものであるため、個別ルートに突入した後も全員が活躍し続けるのが嬉しいのなんのって。 それに仲間内だけではなく、ポルカ村の村民達がまた揃いも揃ってお人よしばかりで、田舎の暖かい人間関係を堪能させて頂きました。それもリュウ赴任当初の忌み嫌われていたと言ってもいい状態から、誤解を解いて村に受け入れられていく様子が丁寧に描かれていたからでしょうか。こーゆー人間味溢れる雰囲気は好きだなぁ。シナリオのボリュームもちょうどいい感じ。 サブキャラの男性陣もいい味出してました。ただのエロジジイで終わらなかったホメロや、暑苦しさが面白さと微笑ましさに繋がるアロンゾも欠かせないキャラクター。でもやはり一番輝いていたのはなんと言ってもジンでしょう。実家から半勘当されている貴族の三男坊のジンは、現代社会で言うところのオタクであり作品内におけるギャグ担当。おちゃらけたお馬鹿な言動には何度笑わせてもらったことか。ただ、パロディネタが多かったのはちょっと頂けませんでした。「絶望した!」とか今しか通用しないようなネタをゲーム内で使うのは如何なものかと。 『本当は強いけど、トラウマで剣を振るうことが出来ない』と言うリュウの設定はもうちょっと上手く使って頂きたかったところです。要所要所で出てきはしたものの、もう一声欲しかったと言うのが正直な感想。まぁ、あまりにも重すぎるトラウマだと作風に合いませんし、これぐらいでちょうど良かったのかもしれませんが。 に関しては、思っていた以上に小道具としてよく使われていたと思います。 まったりホノボノ辺境ライフ。愉快な仲間達。シリアスになり過ぎない展開。待っているのはハッピーエンド。ここまで安心して楽しめるゲームは久しぶりです。癒されて癒されて、寿命が1割ぐらい延びたような気分。 テンポのいいテキスト、会話、展開。良質なCGや音楽。ガチな声優陣。是非ともプレイしてみることをお薦め致します。 |
| 個人的満足度: ★★★★★|★★★★★ |
| 執筆: 2008/04/24 |