処女はお姉さまに恋してる

メーカー
発売日
2005/01/28
シナリオ
嵩夜あや
原画
のり太
音楽
ZIZZ

 「処女はお姉さまに恋してる」、通称「おとボク」の感想をば。

 ■絵■

 のり太氏による繊細な絵は少女マンガに近い雰囲気のある「おとボク」にピッタリかと思います。ヨダさんによるコミカルなカットイン的イラストも要所要所での使いどころがナイスでした。

 ■音楽■

 特に印象に残ったBGMや無いのですが、学園の雰囲気にピッタリだったことは間違いありません。YURIAさん歌う主題歌は悪く無いのですが、これと言って特筆すべき点は無し。

 ■シナリオ■

 簡単なあらすじ祖父の遺言により、母親が通っていた超お嬢様学校(当然女子校)に通う事になった主人公・鏑木瑞穂。本名を名乗るとバレる危険性があるため母方の姓である”宮小路”瑞穂を名乗って転入し、幼なじみに助けられながらの寮生活を始める。そして頭脳明晰にして運動神経抜群な瑞穂は徐々に人気が上がっていき、ついには全校生徒憧れの”エルダーシスター”として崇められることに……。

 最近ではあまり珍しくなくなった『アニメライクな次回予告が間に挟まる章構成』もメリハリがつきますし、区切りとして効果的に使われていたと思います。瑞穂が自分の女性化に気付いて落ち込むシーン等、全体的に演出はなかなか秀逸だったかと。

 『男が女装して女子校に』と言うのは古来より伝わるお約束的テンプレートではありますが、本作では主人公の中性化が非常に顕著で、むしろヒロイン達を喰う勢いで”理想の女性像”となっている点が特徴かと。「マリみて」等に見られるお嬢様学校ならではの校風、規範、制度等がよく描かれていたのも大きな特徴。のり太氏の描くキャラクター達がそう言った環境の中でとても映えていた印象があります。

 ただそう言った雰囲気が苦手な人には逆に厳しいかと。つか私が正にそうなんですが。このお嬢様風「おねえさま〜」的やり取りがイライラすると言うか、癇に障ると言うか……この時点で私にこのゲームをプレイする資格が無いような気がしますけど。

 例えばヒロインの1人であり瑞穂の妹的存在である奏が、生徒会からリボンを外すよう指導されたことを切っ掛けに、瑞穂をはじめとした仲間達が立ち上がって全校生徒を巻き込む大論争へと発展してく話があります。普通であれば仲間を想い、慈しみ、協力して解決へと向かっていく感動するべきシーンなのかもしれませんが、私がこの話を見ていると「いつまで小さな事でグダグダグダグダグダグダグダグダ(以下略)言ってやがんだ、コイツらは」とストレスがいい感じに溜まっていくんですよ。無理、私には無理です。

 テキストは丁寧に書かれていたと思います。でもシナリオがよく出来ていたかと言うとちょっと疑問で、共通ルートよりも各ヒロインの個別ルートに入った後の方は見所が少ないように感じました。各個別シナリオの展開も予定調和的なものが多く、せっかくの設定を活かしきれていなかったのでは。

 それに女装モノの醍醐味である『男バレ』に関しても、ヒロインの半分は最初からその事実を知っている状態でスタートしており、残りのヒロインに関しても割りとアッサリ受け入れてしまったりと、正直拍子抜けしたのも確か。あえてテンプレート的展開を外したと好意的に解釈することも出来ますが、それにしてもヒロイン達はもうちょっと悩んでもよかったんじゃないかなぁ、と。そして教師である緋紗子のエロシーンなど必要性を感じないシーンも見受けられ、全体的に間延びした感は否めません。

 ヒロインに関しては大人びた美女・元気な幼なじみ・超ツンデレ生徒会長・明るい後輩・妹妹した後輩・マシンガントーク幽霊と、それなりに間口の広いラインナップ。ただ、後輩2人組である奏と由佳里なんて、あまりのキャラの薄さに泣けてきそう。ツンデレ生徒会長・貴子に関してはガチでツンデレで、マジでツンデレな感じ。それ以上でもそれ以下でもないのがアレです。興奮すると顔を真っ赤にして気絶するとか、ほんの数回ならともかく連発されるとちょっと萎えます。

 上記のマイナス点に関しては私の肌に合わないから、ってだけかと思いますので、この類の話が好物な方にはそのマイナス点すらプラスに変換されることでしょう。


個人的満足度: ★★★★★|★★★★★
執筆: 2007/07/18