アトラク=ナクア

メーカー
発売日
1997/12/19
シナリオ
ふみゃ
原画
おにぎりくん(ONIX)
音楽
Shade

 簡単なあらすじ初音は宿敵・銀(しろがね)との闘いに備えて1つの学校にて姿を潜める女郎蜘蛛。昼は普通の女生徒として、夜には『贄』となった元・人間と弄ぶ異形の存在として……そして避けることの出来ない銀との死闘が……!!

 まず主人公という存在がいません。それはプレイヤーの視点となる『男』がいないと言う意味でもあり、物語の中心たる初音が主人公かと言うとそうでもないと思うからです。確かに初音を中心としてストーリーは展開されていきますが、プレイヤーの視点はあくまで第三者であり、ト書きもやはり同様。

 とにかく「主人公とヒロインが出会い、恋をしました」なんて展開とは完全に無縁の世界。初音は決して『善』ではなく、むしろ『悪』。その行動もすべて己のためであり、他の者を省みることはほとんどありません。でもそれは悲しい宿命が故。初音を悪人視することなどできません。と言うかむしろ愛してると行っても過言ではないでしょう。

 ストーリーは章仕立てで、ほぼ一本道。ただし登場する人物をどう扱うかで微妙に変化はありますが、ストーリーそのものは変更無し。実際何の罪も無い男子生徒・女子生徒が「人間辞めちゃった」系の扱いを受けることになるのですが、それでも初音を悪く見ることは出来ないんですよね。「姉さまパワー」炸裂です。

 幻想的なCG・音楽は素晴らしく、物語の雰囲気にぴったりです。そのシナリオも一気に世界観に引き込むパワーと魅力に溢れ、特に終盤の銀との死闘は文字通り手に汗握る展開です。そして迎えるエンディング……まさに感無量なエンディングですが、『贄』連中がどうなったのかが気になります。女王様による文字通りの放置プレイでしょうか?

 ボイスも無いし、立ち絵の数も少なく、少々分かり辛いシステムの数々。さらに結構昔の作品……それでも廉価版も出てますし、未プレイの方はやってみる価値が十分にある作品だと思います。


個人的満足度: ★★★★★|★★★★★
執筆: 2003/01/22