『かくかたりき』的2005年PCゲームランキング

 10位から。2005年は結構豊作だったように思います。

◆10位「つよきす」

 シナリオではなくテキストの笑いだけでトップ10入りを果たしました。日常会話で笑える、と言う意味では2005年の作品の中でもトップクラスでしょう。キャラは立ってるけどシナリオには始めから期待してはいけないゲームの典型かと。肝心要の”ツンデレ”に関してはキャラによって差があって、パクリネタをもうちょっと自重して欲しいってのはありますが。

 言ってみれば『超B級』。気軽に楽しめる、と言う点でもなかなか秀逸なゲーム。ヒロイン達もさることながら、主人公の幼なじみである男友達のキャラがまたいい味出してるのも印象的。

レビュー&感想

◆9位「群青の空を越えて」

 「つよきす」とは最も対極にある作品かと思います。ライター・早狩さんのテキストには”遊び”と言うものが無く、ぶっちゃけてしまうと『笑い』はほとんどありませんでした。テーマが戦争における青春群像と言う重いものであるが故でもありますが、これはライターさんの”色”と言うことでしょう。それでもシナリオにグイグイ引き込まれてしまうのは構成力とテキスト力の成せるワザ。扱いづらいテーマにガチンコで臨んでいる姿勢は非常に好感が持てました。

 この「群青の空を〜」はもの凄く映画向きな作品であるように感じました。かなり一考の価値アリだと思うんですけどどうですかね?

レビュー&感想

◆8位「夜刀姫斬鬼行」

 ごった煮エンタテイメント。”燃え”と”ヌルさ”の絶妙なる融合。Nitro+作品並みの”燃え”を期待してる人には厳しいかもしれませんが、そーゆー人は始めからNitro+作品で遊んで下さい、ってことで。つかむしろキャラの動かし方は「夜刀姫斬鬼行」の方が上だと思います。『キャラの動かし方』ってのはニアリーイコールで『シナリオ展開』や『構成』であり、これはプレイヤーをゲーム内世界に引き込む上でも重要項目であるのは確か。

 ヒロイン以外のサブキャラの使い方も非常に上手くて好印象。

レビュー&感想

◆7位「ゆのはな」

 雪の町で繰り広げられる温かい話。派手なものは何もありませんが、愛すべきキャラクター達がチョコマカと動き回る姿は微笑ましいの一言で、全編を通して『人情話』と言う印象が強いです。英語で言えば『ハートフル』って感じで。

 笑いと温もりと、ちょっとの感動と結構な(一部)のエロと。おかしな表現かもしれませんが”心穏やかにプレイ出来る作品”と言ったところ。

レビュー&感想

◆6位「サナララ」

 1つの根幹となる設定に基づいた4つのオムニバスストーリー。章ごとにライターさんが違うため、それぞれ違った楽しみがあります。それでいて4つの章が【起承転結】の形になっている印象を受けるのは、全体を通しての構成の上手さのなせるワザかと。

 各章の色合いこそ違えど、全てをクリアした時には爽やかな感動を感じることが出来るでしょう。ただ設定上、登場人物が各章の主人公とヒロインにほぼ限定されているため”脇役”と言うものが非常に少なく、たくさんのキャラの掛け合いが好きな方には物足りないかも。その辺は一長一短だと思いますけどね。

レビュー&感想

◆5位「ひめしょ!」

 ただでさえ事前の広報が少なかった上に、同日発売された「智代アフター」に話題をさらわれてしまい影が薄くなってしまった印象のあるとても可哀想なゲーム。でもそれで埋もれさせてしまうには非常にもったいないゲーム。

 テンポの良さと笑えるテキストは天下一品。この「日常会話で笑える」って要素はこの面で定評のある「つよきす」よりも上かと思います。絵にクセがあるので敬遠されがちですが、それで避けて通るにはあまりにも勿体無いゲーム。

レビュー&感想

◆4位「Fate/hollow ataraxia」

 「ファンディスクはランキングの対象外」って方をたまに見かけますが、いまいちその理論は意味不明なので私の場合はバリバリにランクイン。世の中にはファンディスク並のクオリティ(もしくはそれ以下)のくせに完全新作と謳ってフルプライスで発売されてるソフトもありますし。例えば「Tic(以下略)。

 4日間の繰り返しですが、その中で徐々にプレイ出来るミニシナリオが増えていくのは非常に楽しかったです。「Fate」本編よりもコメディ要素が強かったのも◎。本来ならば絶対にありえないけど誰もが望んでいたIFの世界を描いてくれたのは嬉しい限り。熱い”バトル分”が少なかった印象がありますが、その分2回のバトルがマジで熱いので超OK。

◆3位「車輪の国、向日葵の少女」

 2・3位で本当に迷いました……いっそ同率2位に、とまで考えましたがここは心を鬼にして順位付け。「パルフェ」が無かったら1位になる可能性すら秘めた作品でした。クセのある主人公を受け入れることが出来たが最後、もうこの作品内世界から逃げることは出来ません。

 日常描写・クライマックス共に秀逸。そして伏線の使い方は天下一品で、衝撃に打ち震えること必至です。ルートが1本道で、キャラによるエンディングを見るためにはほぼ全てをやり直さないといけないが唯一の欠点でしょうか。あ、エロがもの凄く余計に感じられたのもマイナスと言えばマイナスかも。

レビュー&感想

◆2位「あやかしびと」

 戦闘シーンの描写にもう一声欲しいところではありましたが、それを補って余りあるクオリティで笑いも涙も一級品。キャラの使い方も絶品です。主人公やヒロインだけではなく脇役の使い方も素晴らしく、男キャラの人気が凄まじいところにもそれが表れてるんじゃないかと。脇役どころか敵役すら人気があったりするのは驚嘆の一言です。

 日常にも動きを感じるテキストで、シナリオ量に反して”中だるみ”とは一番縁遠い作品だったと思います(別にシナリオが長い方がいい、と言うのではありませんが)。

レビュー&感想

◆1位「パルフェ〜 chocolat second brew 〜」

 文句無し。シナリオ・テキスト・キャラクター・音楽・CG……どれも傑作と呼ぶに相応しい。私の心の琴線に触れまくりでした。「笑いあり、涙あり」なんて定番中の定番な決まり文句が、コレほどまでに当てはまる作品も珍しいでしょう。軽快な日常とプレイヤーを引き込んで離さないクライマックスの描写は他の追随を許しません。

 ファンタジーも無ければ奇跡も無い。等身大のキャラクター達が織り成す世界には完全に虜。もう何回繰り返しプレイしたら覚えてません。ここまでハマったゲームはいつ以来だろう。

 他サイト様のランキングとかと比較すると一部重なったり、一部全く相容れなかったり。好みと主観の問題なんでそんなもんでしょうか。だからって納得も理解も出来ないんですけど。そんな時「自分は異端なのかなー」なんて思ったり。この中で勿体無いなぁ、と思うのは「車輪の国」「ひめしょ!」「群青」あたりかな。不当な評価と言うのではなく、明らかにプレイ人口が少なすぎると言う意味で。

 2005年は総じて良作が多かったような印象を受けました。上記トップ10以外にも「ToHeart2 XRATED」とか「グリグリ3」あたりはギリギリまで悩みましたし、今にしてみれば10位をこれらと入れ替えても良かったかも……なんて思ってたりしますし。


執筆: 2006/01/09 (改訂: 2008/04/18)