Dr.クマひげ
ながやす 功/史村 翔 講談社
written by 陽だまり男さん

 

この漫画との出会いは、ふとした事で立ち寄った古本屋で偶然見かけたのがきっかけでした。

立ち読みしながら、第1話目からボロ泣きしそうになり急遽全5巻を買い揃えると、家に帰り大泣きしながら全巻読破したものでした(笑)。当時は、マガジン連載の『ドクターK』がまだ『スーパードクターK』だった頃で、医学漫画の『北斗の拳』と称されていた頃でした。『Dr.クマひげ』の方は、ながやす功氏の圧倒的な作画力と原作の史村 翔氏の涙無しには読めないストーリー展開にこちらの方がよっぽど『北斗の拳』だろう思ったら、史村 翔氏=武論尊氏と知ったのはその後間も無くの事でした。

 

助教授寸前で大学を去り、欲望渦巻く新宿歌舞伎町に飛び込んだ医師国分徹郎。通称クマひげの名の通り、生命を救う熱情と、生命を奪うものへの怒りはクマさながら、新宿一頼りになる医者だ!新宿のオンボロ診療所を舞台に、クマ先生と、カルテに残された多くの生命との交流を描く人気作。――第1巻装丁文からの抜粋。

 

同僚の女医・志保と助教授の座をめぐり競い合った親友でありライバルの医師・向井が末期の癌に犯されていることを知り、親友に志保と助教授の座を残し野に下った腕利ききの医師・国分徹郎。

その国分に大切なことを教わり、私立病院の娘との玉の輿の縁談を断り、彼の診療所に勤めることになった若き医師・築城三郎。

亡き妻の連れ子である健太を溺愛するスチャラカ刑事・田宮。

様々な思い、様々な立場、様々な人生を背負った登場人物たちが織り成す人間模様。

 

 ・

 ・

 ・

 

余命幾ばくも無い向井を飲みに連れていく国分。医者としての立場から国分を止める三郎。

三郎「い いけないっス! それ以上飲んじゃ!」

国分「黙れッ!!」「ヒヨッ子が! えらそうなことぬかすな―――ッ!!」

国分「医者に何ができる!? エッ! 死んでゆく人間に医者が何をできるというんだァ!!」

国分「医者は人を生かす商売だと!? ジョーダンじゃねぇ!」

国分「医者ってなァな世の中で1番死んでいく人間を見る商売なんだ!」

国分「常に”死”を見なきゃいけねえ商売なんだ!」

国分「死んじまった人間を見る坊主のほうが、ずっとずっと楽なんだァ!!」

国分「わかるかァ!? エッ!」「ヒヨッ子にわかるかッ!?」

大粒の涙を流しながら慟哭する国分。

国分「いいかッ!おれたちがやつらにやってられるのはな」「やってやれるのはたった一つ……」

国分「人間として…人間としてつきやってやるしかねえんだ――ッ」

 

 ・

 ・

 ・

 

刑事から逃走中に大火傷をおったヘロイン中毒のチンピラ・ヨレ健。偶然通りかかり治療を始める国分。医者嫌いの理由から、嫌味半分で事実を告げる刑事・田宮。

田宮「おい…いい事教えてやろうか……?」

田宮「そいつはなおめえの所に入った泥棒なんだぞ…」

国分「わかっている」

国分「嫌な街だ…嫌な連中ばかりだ……」

国分「だが…今はこいつはケガ人でオレは医者だ……!」

 

全5巻で完結してしまったのが残念に思える程、人と生命について考えさせられる名作です。全巻揃えても決して損はさせません。て言うか読め(笑)!!

 

お奨めの一品です。

 

■タ行メインへ■