スプリンター
小山 ゆう 小学館

 

100m世界最速の人間を目指す男・結城光。

 

基本的なストーリーは「光が走る」ただそれだけです。しかしそこには走ることだけに全てを費やし身を滅ぼす男など様々な人間ドラマがあるのです。

小さい時、大企業の社長の養子に迎え入れられた光は天真爛漫に育ちます。トップに立つ者が最も必要とする才能「魅力」を兼ね備えた光はメキメキとその頭角を現し、日本経済を揺るがすまでに上り詰めます。弱冠16歳。ところが光はその全てを捨てて100mの世界に飛び込みます。コーチである神野とかわいい彼女(やべ名前忘れた)と一緒にひたすら100mの世界を突き進むのです。100m走(って書くと何か運動会みたいでヤダな)における『10秒の壁』。これを破ると人間は白い光を見るのだそうです。これは単なる脳の酸素欠乏による幻覚なのですが光はこれを『神の領域』と呼び、その中に飛び込んでいきたいと思うようになります。

早くなる度に人間離れしていくキャラクター達がいい感じなのです。たかが100m、されど100m。その短い距離の間に全エネルギーを消費する走りに男達・女達は全てを賭けます。要するに登場キャラのほとんどが頭の線の1本や2本切れてるような連中なのですが妙なリアリティーをもっているので読んでるとドンドン引きこまれてしまいます。読んだことの無い方はゼヒ一度読んでみることをお薦めします。

 

印象に残ってるのは神野が自分の家で1人寂しく飯を食っているシーン。屁をこいて一言。

「屁をしても1人、か…」

 

最終話、光は世界最速の称号を賭けて最大のライバルと戦います。その中で光はついに眩い光(紛らわしい)の中に飛び込むのでした。その結果、光がどうなってしまったのかはわかりません。読む人によって解釈は色々あると思うのですが俺が思うに神野達の表情からしてやっぱり死んじゃったんじゃないですかね。

 

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