六三四の剣
村上 もとか 小学館

 

剣道日本一の両親を持つ生まれながらの剣道少年・夏木六三四の物語。

 

6月3日午後4時に生まれたから「六三四(むさし)」と名づけられた彼は正に剣道の申し子としてすくすく育ちます。ちなみに飼い犬は10月1日に拾った「十一(といち)」。

剣道一直線の人生を突き進む六三四の青春ストーリーです。幼年時代・少年時代・青年時代と大きく3つに分けられるストーリーは全て見ごたえがあり剣道を知らなくても十分楽しむことができます。ライバル・修羅や仲間の嵐子(嵐の日に生まれたからランコ)など登場するキャラクターは全て魅力的。武者先輩はとても高校生に見えないぐらい大人びていらっしゃいますが。

父親・栄一郎が死ぬシーンは印象的です。それを乗り越えるために雪の積もる中1000本素振りをする六三四。それを静かに見守る母・加代。ここで六三四は大きく成長します。

 

俺も剣道をやっていたので色々と共感できる部分が多く、当然の様にのめり込みました。教えられるところも多かったのですが流石に高校生で全国武者修行はやりすぎだと思います。九州に着いた時の海岸線一杯に並ぶ剣道家達…ヒマなの?

六三四の練習はむしろ「修行」と言ったほうがいいものばかりで「川の中に立って大量に流れてくる丸太を木刀だけでよける」などとても俺にはできないものもありました。それを見た人間がライバルである修羅に送った手紙にはたった一言『岩手に虎あり』。六三四もすごいけど手紙を書いた彼もすごい。そこまでやらないと剣道って強くなれないのでしょうか。俺じゃ無理だったのも頷けます。

クライマックスは修羅との決戦。かなり燃え上がる展開なのですが本当に実力で勝ったのかどうかやや疑問が残る決着でした。それがやや心残り。

 

ちなみに最終回で十一が写った写真がありました。一体何歳の犬なんだお前は。

 

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