| 逆境ナイン | |
| 島本 和彦 | 徳間書店 |
全力学園の弱小野球部を率いるキャプテン・不屈闘志(ふくつ とうし)。ある日校長室に呼び出され廃部を言い渡された不屈。そしてその口から出た言葉は
「この部屋に甲子園の優勝旗を飾ってみたいと思いませんか!!」
とにかく面白いです。絶対に面白い。島本先生のマンガは『絵がダメ』という人も多いかもしれませんが、逆に『この絵じゃないとダメ』なんだと思うんですよ。とにかくパワーで読ませるマンガ。ギャグマンガというジャンルに入るかどうかはわかりません。何故なら面白いところは『あまりに熱くて面白い』のであって『ギャグで笑える』のではないのですから。
そう……とにかく熱いマンガなのです。そのパワーは計り知れません。そして何より面白いのが主人公・不屈のあまりに強引な理屈。この男は逆境に立たされれば立たされるほどパワーを発揮するという男で、逆にその境遇を自らを強くする肥やしとしてしまいます。そして相手を強引な理論に巻き込み、無茶苦茶だと分かっていながらも相手を「そんな気がする!!」とさせてしまう圧倒的パワー。
主人公がそんなだから他の登場人物も熱い人物が多く、特に注目すべきは野球部のコーチとなるサカキバラ・ゴウ。自分達のマネージャーが作った弁当を食べた相手チームが体調を崩してしまい、本気を出せなくなった全力学園ナイン。そこに突然現れたサカキバラ・ゴウは見開き2ページ(計4ページ)を使って叫びます。
「それはそれ!!」
「これはこれ!!」
腹を抱えて大爆笑。その言葉に「そ、そうか!!」と開眼した不屈は健康体を持って相手を撃破(笑)。
とにかく闘志が吼える!! 吼える!! 吼える!!!!
「無理が通れば道理は引っ込む!!」
まさに有言実行とはこのこと。
異常なまでに思い込みが激しく、逆境に陥れば陥るほど高笑い。その度に強引な理論を持って自らを奮い立たせ、しまいには不可能をも可能にする炎の男・不屈闘志。言ってることは完全に無茶苦茶でも持ち前のパワーで問答無用で全てを乗り切る男。この男にかかれば109点差を1人でひっくり返すことも可能なのです。
名(迷?)作の多い島本先生ですが個人的にはこの「逆境ナイン」が最高傑作だと思っています。ぜひご覧くださいませ。