「みずいろ」の愉快な仲間たち

第十七話 進藤捕獲作戦


学校の校舎 2階 PM 16:35

日和 「けんちゃん、どうして次は進藤さんなの〜、雪希ちゃんの方が〜、捕まえやすいと思うよ〜」

俺たちは食堂を後にし、今は校舎の2階で、進藤の情報を聞いて回っていた。
そんな時、日和がそう俺に聞いてきた。

健二 「ああ、日和それはな、清香を捕まえるためだ」

俺は聞き込みを中断して、日和に答えてやった。

日和 「清香ちゃん?」

健二 「そうだ、この勝負の最大の敵は清香だ。あいつを捕まえるのに、あの素早い進藤の力があれば、かなり楽になるだろう。それでもきっと時間がかかると思うから、最後にするのは危険だ、だからまず進藤を捕まえる。その次は清香だ、そして最後に雪希を捕まえる。清香と進藤の力があれば、雪希はすぐ捕まるだろうからな」

日和 「けんちゃん、結構考えてたんだね〜」

日和が俺の考えに感心する。
ふっ、俺は勝負事となったら、どんな勝負でも真剣だぜ。

健二 「ああ、その為にも早く進藤を捕まえないとな」

そう日和に言って、進藤の聞き込みを再開しようとした時。

麻美 「あの・・・健二さん・・・進藤さんが、あそこからこっちを見ています」

麻美先輩は、そう言いながら、遠い廊下の端を指差していた。

健二 「どこだ、先輩!」

俺は慌てて、先輩の指差す方に視線を向ける。
そこには・・・。

進藤 「せんぱーい!何やってるんですかー!私はここですよー!あはは!」

そう叫んでる進藤が確かにいた。

進藤 「早くしないと逃げちゃいますよー!先輩私を捕まえて〜、あはは!」

くっ、明かに俺たちをコケにしてやがる。
おのれ進藤め、絶対捕まえてやるぜ。

健二 「日和、お前は一階に降りて、そこから進藤に向かえ、先輩は三階からお願いします」

俺は素早く二人に指示を出した。

日和 「よ、ようし、日和ダァ〜シュ!」

トテトテトテ
そう言い残し、一階に消える日和。

麻美 「私も行って来ます」

パタパタパタ
先輩もそう言うと、三階に向かって走り始めた。
よし、二人の足は決して速くないが、俺が進藤を追い込んで行けば、どちらかの網に引っかかるだろう。
そして俺は、進藤に視線を向けた。

健二 「進藤!今行くからな、そこで首を洗って待っていろ!」

俺はそう叫びながら、進藤に向かって走り始めた。

進藤 「待てと言われて、待つ人何ていないですよー!あはは!」

俺の動きを見て逃げ始める進藤。
さすがに素早い。
俺は進藤の後を、必死で追った。
どうやら、一階に向かってるみたいだな。
そして進藤は、俺の予想どうり一階の階段を駆け降りていった。
よし、あそこには日和がいる筈だ、ふっ、進藤め、お前はもう終わりだ。

健二 「わはは」

勝利を確信し、思わず笑ってしまう俺。
そして、俺も進藤の後に続いて一気に階段を駆け降りた。
一階の廊下を走っていると、追いかける進藤の先に、日和の姿が見えた。
よし、追い込んだぞ。

健二 「日和!進藤が行くぞ!しっかり捕まえろよ!」

俺は日和に向かって、大声でそう叫んだ。

日和 「う、うん、けんちゃん、よ〜し、進藤さん、捕まえちゃうぞ〜」

日和の返事が聞こえてきた。
いいぞ、もう少しだ。
日和と進藤の距離は残り10Mあまり。
俺は勝利を確信した。

健二 「わはは、進藤、お前はもう終わりだ」

俺は進藤に向かって、勝利宣告をしてやった。

進藤 「何言ってるんですか、先輩!勝負はこれからですよ!」

進藤がそう返事を返してきた。
なに負け惜しみ言ってんだ、と、俺が思ったその時!

進藤 「えいっ!」

バッ!
スタタタタタッ!

何と、開いていた窓から外に飛び出し、そのまま風のように俺たちの前から進藤は消えていった・・・。

健二 「なっ!」

日和 「そ、そんなのないよ〜」

あまりの事に、しばらくその場で唖然とする俺と日和だった・・・。

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俺の教室 PM 16:46

俺と日和はその後、先輩と合流し、今、俺の教室で進藤捕獲作戦をみんなで考えていた。

健二 「やはり進藤を、このメンバーで追いかけて捕まえるのは、無理だな」

俺は自分の椅子に座り、腕を組んで椅子を後ろに傾けながら、二人に言った。

日和 「そうだね、けんちゃん、あれは私じゃ捕まえられないよ〜」

日和が頬に手をやり、考える仕草をしながらそう答えた。

麻美 「???」

あの場面を目撃してない先輩は、?顔をしていた。

健二 「だからここは、先輩の時みたいに、罠を仕掛けようと思う」

俺は椅子から立ち上がり、二人に言った。

二人 「罠?」

先輩と日和が、興味津々の顔で、身を乗り出してきた。

健二 「ああ、作戦はこうだ・・・」

俺は二人に作戦の内容を説明した。

日和 「あっ、それなら、上手く行きそうだね」

麻美 「今度こそ・・・げっちゅ」

日和も先輩も、俺の作戦に納得したみたいだ。
これで今度こそ、あの小生意気な進藤を捕まえて見せるぜ。

健二 「よし、それじゃあ、進藤捕獲作戦の開始だ!」

二人 「お〜!」

そして俺たちは、捕獲のための準備に入った。

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学校の廊下 2階 PM 16:56

一階だと、また逃げられるので、俺たちは二階で進藤捕獲作戦をすることにした。

健二 「それじゃあ先輩、頼みますよ」

この作戦の成功の鍵は、先輩にかかっている。

麻美 「任せてください・・・健二さん・・・必ず成功させます」

先輩が力強く答えた。
そのやる気満々の姿は、俺を安心させるぜ。

健二 「日和も、進藤を他の階に逃がさないように、しっかりガード頼むな」

ここに的確に進藤を導くための、日和の存在も重要だ。

日和 「うん、今度は逃がさないよ〜」

日和が小さくガッツポーズを作り、そう答えた。
日和もやる気満々だ。
これならいけるぜ、俺はこの時、この作戦の成功を確信した。

健二 「じゃ、俺は進藤をここに追い込んで来るな、二人とも頼むぜ」

俺はそう言うと、親指を立てて見せた。
そして、俺はその場を後にした。

日和 「けんちゃん、がんばって〜」

麻美 「・・・成功をお祈りしています」

後ろから、二人の声援が聞こえてきた。
進藤、待っていろよ。

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健二 「よし、これでセット完了だ」

俺は放送部からゲットした、ラジカセにCDをセットした。
そして、ラジカセを廊下に置いて、スイッチを入れた。
そこから流れる音楽は、もちろん進藤の超好きなメロコアだ。

健二 「メロコア好きの進藤が、この曲を聞いて姿を現さないはずはないぜ、俺だってこの曲が耳に入ったら気になるもんな」

よし、俺は膝を叩いて立ち上がり、ラジカセから少し離れた教室に隠れて、進藤が来るのを待った。
それぞれの配置はこうだ、俺と先輩はラジカセを挟んで、向こう側とこちら側で教室に隠れて待機中、日和はその途中にある階段の近くに隠れているはずだ。
準備は全て整った・・・そして、待つこと10分・・・。

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進藤 「この辺から聞こえてくるのよね」

進藤が予想どうり現れた。

進藤 「あっ、もしかして、あれかな?」

タッ、タッ、タッ
俺の前を通り過ぎて行く進藤。

進藤 「どうしてこれが、こんな所にあるのかな?」

ラジカセを手に取り、不思議がっている進藤。
ふっ、それはお前を捕まえるためだ。
よし、今だ!
俺は勢いよく教室を飛び出した!

健二 「進藤!年貢の納め時がついに来たぜ!」

俺はそう叫びながら、進藤に向かって猛ダッシュをかけた!

進藤 「げっ、先輩、しまった、これは罠だったのね、でもそう簡単に私は捕まりませんからね!」

進藤も俺に気付き、俺とは反対方向に向かって逃げる!
いいぞ、作戦どうりだ!
俺は先輩の居る方へ向かって、進藤を追い込む!

進藤 「ここはまた、一階に逃げてと」

進藤がさっきと同じように、一階に逃げようとする、しかし!

日和 「えへへ、進藤さん、ここは通しませんよ〜」

ナイスだ日和!今ほどお前を頼もしく思ったことは無いぜ!

進藤 「わっ!待ち伏せですね、しかし、こんなことでは捕まりませんよ!」

そう言って、階段を使うのを諦め、再び走り始める進藤!
よし、貰った!
進藤は真っ直ぐ先輩のもとへ走っている!
そして俺は叫んだ!

健二 「せんぱぁーーーい!今だぁーーー!」

進藤 「えっ、なんですか?」

俺の声に、視線をこっちに向ける進藤!
その時!

麻美 「・・・えい」

クイッ
先輩が、手に持っていた紐を引いた!
ピン!
進藤の足元に、紐がはられる!
そして!

進藤 「のわぁーーー!」

ズザザァーーーァ!!

見事紐に引っかかり、ヘッドスライディングを綺麗に決める進藤がそこにはいた。

健二 「わはは、進藤、いい格好だな、俺をからかうからそうなるんだ」

俺は進藤を見下ろし、勝どきを上げた。

日和 「わぁ〜、けんちゃん、やったね、るんらら〜」

麻美 「・・・大成功です、ぱちぱちぱち」

俺の勝利を讃える日和と先輩。

健二 「ああ、これも二人の協力のおかげだ、ありがとう、ビバッ!素晴らしき仲間!」

そうして3人で、作戦の成功を祝っていた時。

進藤 「先輩!何てことしてくれるんですか!ものすごく痛かったんですよ!」

廊下に突っ伏したまま、ぷるぷる震えていた進藤が、いきなり立ち上がり、そう叫んだ。

健二 「まあ、落ち着け進藤、ああでもしないとお前を捕まえられなかったからな」

俺は適当に進藤をなだめた。

進藤 「なに言ってるんですか!そんなの理由になっていませんよ!お花畑どころか、幽体離脱までしちゃったんですからね!どう責任とってくれるんですか!」

なおも俺に詰め寄ってくる進藤。
仕方ない、ここは・・・。

健二 「分かった進藤、もし俺がチケットをゲットしたら、お前と一緒に行くことにするから、それで許してくれ」

進藤 「ほんとですか先輩!それなら許してあげます、さあ残りの二人をちゃっちゃっと捕まえてしまいましょう!」

途端に機嫌を直す進藤。

日和 「・・・絶対嘘だね・・・」

麻美 「・・・そうですね・・・」

俺の嘘をすでに見抜いている日和と先輩だった。
こうして、進藤捕獲作戦は、大成功のうちに幕を閉じた。

健二 「さあ、いよいよ次は宿敵清香だ!みんな、ここが山場だぞ!」

俺はみんなに向かってそう叫んだ。

日和 「そうだね、清香ちゃんは、強敵だよ」

日和が真剣な顔で答える。

麻美 「・・・うまく・・・捕まるでしょうか?」

ちょっと不安そうな先輩。

進藤 「なに言ってるんですか!あんなでっかい目印付けてるんですよ!簡単に捕まりますよ!」

進藤はやる気満々だ。
味方になると頼もしい奴だぜ。

健二 「進藤の言うとおり、見つけるのは簡単だな、それにこっちは4人いるんだ、協力して、なんとしても清香を捕まえようぜ」

俺は、みんなを見ながらそう言った。

日和 「うん、みんないるんだし、きっと捕まえられるよね〜」

麻美 「・・・協力して・・・がんばりましょう」

進藤 「なんとしても、捕まえるんです」

そう元気に答えるみんな。
頼もしい仲間だぜ。
そして俺たちは、清香の情報を集めるため、一度ばらばらに行動することにした。

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           ・

その頃の清香。

清香 「すぅ〜、すぅ〜」

学校の屋上で寝ていた。

 

「夜景の見える高級レストラン・ペア招待券」まで、残り二人。

つづく


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