「みずいろ」の愉快な仲間たち

第十四話 一枚のチケット


学校の学食 PM 16:24

日和 「けんちゃん、いくらなんでも、無理だと思うよ〜」

日和がそう言った。

健二 「いや、日和、先輩なら必ず来る!・・・と思うぞ・・・」

まあ、俺も、いくらなんでも、こんな罠に引っかかるとは思っていない。
今、俺たちが何をやっているかというと・・・。

日和 「け、けんちゃん、き、来たよ」

健二 「マジ?」

そう見えないと思うが、鬼ごっこをやっていたりする。
どうして、こんなことを遣っているかと言うと・・・。

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回想

学校の昼休み PM 12:51

一同 「じぃ〜・・・」

昼飯を食べ終えた俺たちは、今、ある物を見つめている。
それは、一枚のチケットである。

健二 「うーん、どうしたもんかな?」

雪希 「一枚しか無いんだもんね、困ったね」

日和 「みんなの分、在れば良かったのにね」

進藤 「私、絶対諦めませんからね」

麻美 「・・・私もです・・・げっちゅ」

清香 「それにしても、あの女将もケチよね、人数分くれればいいのに」

一同 「う〜ん」

そのチケットとは、「夜景の見える高級レストラン・ペア招待券」である。
どうしてこんなものがあるかというと・・・。

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温泉宿

女将 「みなさま、これはつまらない物ですが、お土産にどうぞ、あいにく一枚しかございませんが、楽しんでください」

と、この前の温泉宿を後にする時、あの女将から貰ったものだ。
この一枚という所が、何かわざとという気がするんだが・・・。
あの女将、もしかして、こうなることが分かっててやったのか。
最後まで喰えない人だったぜ・・・。

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健二 「さて、どうしたものか・・・」

俺は考えながら、ふと、雪希を見てみた。

雪希 「じぃ〜・・・」

すごく欲しそうな目をしていた・・・そして、俺に潤んだ視線を送ってくる。
さらに、周りを見てみると・・・。

日和 「えへへ〜、けんちゃんとレストラン〜、るんらら〜、よかったね」

進藤 「絶対ゲットして、先輩と〜・・・いや〜ん」

日和、進藤、俺と行く気なのか・・・。

麻美 「じぃ〜・・・」

麻美先輩も俺の方を見ている・・・。
まあ、雪希や先輩となら俺も行きたい。
雪希は日ごろの感謝の意味もこめて、先輩となら、落ち着いて楽しめそうだからな。
だが、日和と進藤だときっと・・・。

 

日和の場合

日和 「な、なんかー、落ち着かないね〜、おろおろ、あたふた」

高級レストランの雰囲気にビビる日和。

日和 「わわわ、けんちゃん、これ、どうやって使うの〜」

ナイフとフォークの使い方が分からない日和。

カシャーン!

日和 「はうっ、フォーク落としちゃったよ〜、ぐっすん」

そう言って、半泣きになる日和。
そして、一般ピープルの視線が、俺たちに集まる。

 

進藤の場合

進藤 「わっ!先輩!見てください!すごいですね、私こんな所来るの初めてですよ、なんかドキドキですね」

やかま進藤。

進藤 「うわ〜、すごい料理ですね、先輩、こんな料理テレビでしか見たことありませんよ、ほんとすごいですね、来てよかったです」

さらに、やかま進藤。

進藤 「おっいし〜い!!」>叫ぶ

どこまでも、やかま進藤。
そして、一般ピープルの視線が、俺たちに集まる。

 

くっ、この二人とは、意地でも行きたくないぜ。
清香はどうせ、一人で二人分食べようと思ってんだろう。

 

清香の場合

清香 「なによ、一人で二人分食べたらダメなんてルールでもあんの」

オーナー 「い、いえ、そのようなことは・・・」

清香 「だったらいいじゃない、早く持ってきなさいよ」

オーナー 「は、はい、ただいま・・・」

清香 「最初から、素直にそういえばいいのよ」

オーナー 「しくしくしく」

 

くっ、店のオーナーの、悲惨な姿が目に浮かぶぜ。
とにかく、俺はまだ生き恥はさらしたくない、ここはなんとしても、このチケットを手に入れなくては。
それに俺も、高級レストランの料理は食べてみたい、こんなチャンスめったに無いからな。
だが、誰が行くのかどうやって決めようか・・・。
俺は、腕を組んで考えていた。
そこへ・・・。

清香 「なにか、勝負して決めたらいいんじゃない」

清香がそう、提案してきた。

進藤 「清香先輩それいいですね、私、勝負事、大好きです」

進藤が乗ってきた、まあ、俺も勝負事は好きだ。

健二 「よし、それでいいとして、なんで勝負するかだな」

進藤 「そうですねー、ジャンケンじゃ面白くありませんもんね」

日和 「そうだね〜、どうせなら、もっと楽しいことで、きめたいね〜」

雪希 「私は何でもいいよ」

清香 「いざ決めようとすると、案外難しいわね」

みんな、何で勝負するか頭を悩ませていた。
そこへ・・・。

麻美 「あの・・・」

健二 「なに?先輩」

麻美 「鬼ごっこがいいと思います・・・」

先輩が面白い提案をした。

健二 「鬼ごっこか・・・」

清香 「なかなかいいんじゃない、面白そうだわ」

進藤 「それ、いいですね、なんか子供のころに戻ったみたいで」

日和 「わぁ〜、面白そ〜、えへへ」

雪希 「うん、私も賛成だよ」

鬼ごっこで勝負するのに、みんな、どうやら賛成みたいだ。
すでに、やる気をみなぎらしている。
俺も勝負事となったら、どんな勝負でも必ず勝って見せるぜ。

健二 「よし、先輩それでいこう」

麻美 「・・・はい」

一同 「ようし、やるぞ〜」

キーン、コーン、カーン、コーン
その時、昼休みの終わりを知らせるチャイムが教室に鳴り響いた。
その後、勝負の決行は放課後に決った。

こうして俺たちの「夜景の見える高級レストラン・ペア招待券争奪鬼ごっこ勝負」が始まろうとしていた。

つづく


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