「みずいろ」の愉快な仲間たち
第十三話 そして夜が明けて
チュン、チュン
夜が白み始めた頃、俺たちは自分達の部屋に追い詰められていた。
さすがに、みんな疲れている、このままではまずい。雪希 「お、お兄ちゃん、わたし怖い」
おびえる雪希。
日和 「うわ〜ん、けんちゃ〜ん、ぐよぐよぐよ〜」
半泣き所ではもう済まされない日和。
進藤 「せ、せせせ先輩、な、なな何とかしてくださいよ、私、お花畑が見えます〜」
かなりパニくってる進藤。
そして3人は、俺と清香の後ろに隠れる。
俺も清香も3人をかばう。健二 「そ、そうだな・・・おい清香!、こうなったら、殺られる前に殺るぞ!」
俺は覚悟を決めた。
清香 「い、いいわよ、健二、このあたしが黙って殺られるなんて、プライドが許さないわ」
強気な清香。
こういう時は頼りになるぜ。健二 「よし、いくぞ!」
清香 「OK!」
そして、俺と清香が幽霊に殴りかかろうとした、その時!
女将 「どうでしたか?みなさん、楽しんで貰えましたか?」
突然、女将が現れた。
しかも、口調が今までと違って明るい。女将 「こんなに驚いて貰えるなんて、今回この企画を立てたこちら側としても、大変喜ばしいかぎりでございます、ありがとうございます」
そう言いながら、丁寧なお辞儀をする女将。
一同 「へっ?」
清香 「・・・」
突然の事に、何が起こったのか理解できない俺たち。
すると・・・。幽霊 「いやー、ここまで驚いて貰えるなんて、思ってもいませんでしたよ」
幽霊’ 「本当ですねー、こちらも十分楽しませて貰いましたよ」
幽霊’’「とくにピンクの髪の人、脅かしがいがありましたよ、わっはっはっ」
そう言いながら、幽霊?たちが、被り物を取っている。
どうやらここの、従業員だったみたいだ。健二 「こ、これは一体どういうことなんだ・・・」
予想外の展開に、まだ完全に状況が理解できない俺。
進藤 「そ、そうですよ、なんで温泉に来て、脅かされないといけなかったんですか? 私、一瞬あっちの世界に行きかけたんですよ、どう責任取ってくれるんですか」
今までの鬱憤を、晴らすかのように捲し立てる進藤。
日和 「えっ、えっ、えっ、い、一体何がどうなってるのよ〜」
状況が完全に理解できず、おろおろあたふたしている日和。
雪希 「も、もしかして、これってドッキリなの、はう〜」
そして、その場にへたりこむ雪希。
幽霊ではなかったことえの安心感。
なぜ脅かされなければならなかったのかという疑問。
みんな、複雑な気持ちだろう。
俺もそうだ。
そこへ・・・。女将 「あら? 皆様ご存知無かったのかしら、おかしいですね・・・今回のこの企画は、一グループ様限定のビックリ温泉ツアーだったんですよ、そのように懸賞雑誌の方にも書かれていたと思いますけど・・・」
俺たちの不思議そうな顔を見て、変だと思ったのだろう、女将がそう説明してくれた。
ということは・・・。清香 「・・・」
無言で部屋を出て行こうとする清香。
ガシッ!
俺は清香の肩を掴む。健二 「・・・ちょっと待て、清香・・・お前、何処に行くんだ」
清香 「あはは、ちょっとトイレに・・・」
明かに、動揺している清香。
健二 「・・・お前、知ってたな」
清香 「えっ、な、何のことかしらね・・・」
すっとぼける清香。
・・・その額の汗は何だ?健二 「お前のことだからきっと、心霊本でも読んでて、そこに懸賞として載ってたこのツアーを見付けて、「これ、いいわね」とか思いながら応募したんだろう、お前おばけ屋敷好きだもんな、そして、当選したまでは良かったが、さすがに一人で行くのは怖くて俺達をさそったんだろう、どうだ」
清香 「すごい、当たってるわ・・・はっ! しまった!」
一斉にみんなの視線が、清香に注がれる。
健二 「き〜よ〜か〜」
進藤 「清香せんぱ〜い」
清香ににじり寄る俺と進藤。
清香 「あはは、じゃあ、そういうことで・・・」
そんな俺たちを見て、一目散に逃げる清香。
健二 「こらー! 清香ー! この落とし前は付けて貰うぞー!」
進藤 「清香せんぱーい! 私だって絶対ゆるしませんからねー!」
逃げる清香の後を追いかける、俺と進藤。
日和 「私、清香ちゃんに騙されてばかりだよ、ぐっすん」
なげく日和。
雪希 「清香さんも、一言いってくれればよかったのに」
やっぱり優しい雪希であった。
清香 「あたしだって、びっくりしたんだから、いいじゃなーい!」
健二 「そんなの関係有るかー!」
進藤 「そうですー!」
その後、暫く俺達の追いかけっこは続いた・・・。
そして・・・。麻美 「・・・みなさん・・・おはようございます・・・気持ちのいい朝ですね・・・あれ? みなさん、どうかしたんですか?」
一人、何事もなかったかのように、朝の挨拶をする、麻美先輩であった・・・。
麻美 「あら? ・・・みなさんケンカは・・・めっ! ・・・ですよ」
こうして、俺たちの楽しい?温泉旅行は、幕を閉じた・・・。
つづく