「みずいろ」の愉快な仲間たち
第一話 昼食での出来事
学校の教室 PM 0:30
健二 「うわ! お、俺の弁当がー!」
今日の昼休みは俺のこの一言で始まった。
健二 「な、なぜだ? た、たしかに今朝、雪希に作って貰ったはずの、俺の弁当が無い! い、いや弁当はある、なぜ中身だけが消えてるんだー!」
そう叫ぶ俺、はっきり言ってパニックである。
日和 「あれ? けんちゃん、どうしたの?」
そこへ、日和が現れた。一緒に弁当を食べるためだ。
健二 「お、日和、聞いてくれ、俺の弁当が無くなってしまったんだ。しかも不思議なことに、中身だけが消えてるんだ」
そう言って、日和に空の弁当箱を見せてみる。
日和 「うわ〜けんちゃん、いつの間に食べたの〜」
健二 「・・・日和、俺の話を聞いていたのか?」
日和 「うん! けんちゃんが〜早弁したんでしょう〜」
・・・こいつは相変わらず、へっぽこな事言いやがって。
健二 「お前は一体、何を聞いてたんだ、こっちに来い、ぐりぐりしてやる」
俺は日和を捕まえ、こめかみに拳をあてた、そして・・・。
ぐりぐりぐりぐり
日和 「うわ〜ん、ぐりぐりしないでよ〜痛いよ〜」
涙目で嫌がる日和。
もちろん手加減はしてある。
清香 「あんたたち、ちょっといい・・・て、何やってんのよ?」
そこへ、今度は清香が現れた。
日和 「うわ〜ん、清香ちゃ〜ん、助けてよ〜」
ぐりぐりぐりぐり
健二 「お、清香いい所に、聞いてくれ、実は・・・」
そして俺は、清香に弁当の一件を話した。
清香 「ふ〜ん、でもあんたの事だから、寝ながら食べたんじゃないの」
ぐりぐりぐりぐり
健二 「・・・清香、いくら俺が器用だからって、さすがにそんなことは出来ないぞ」
清香 「分かってるわよ、冗談よ」
健二 「だったら最初から言うな、俺はこれでも真剣なんだぞ」
ぐりぐりぐりぐり
日和 「うわ〜ん、けんちゃ〜ん、いい加減やめてよ〜」
すっかり忘れられていた日和であった。
健二 「おお、すまん日和、すっかり忘れていた」
ようやく俺は、日和から手を離した。
日和 「う〜う〜ひどいよ〜忘れるなんて〜痛かったんだからね〜ぐっすん」
そう涙目で訴える日和であったが・・・。
清香 「それにしても、一体だれがあんたの弁当、食べたのかしらね?」
健二 「そう、それが今、一番重要な問題なんだよ、うん、うん」
日和 「うわ〜ん、けんちゃんも清香ちゃんも、私のこと無視しないでよ〜しくしくしく」
だれにも相手にされない半泣きの日和であった。
そして、暫くして・・・。
健二 「はっ! そうか、日和お前が食べたんだろ!」
俺は叫んだ。
日和 「えっええー! な、何で私なのよ〜」
突然のことにびっくりする日和。
健二 「お前、雪希の料理好きだし、俺が寝てる間に、こっそり食べたんだろ、ほら吐け日和、今ならコチョコチョの刑で許してやるぞ」
そう言って俺は日和に近づく、もちろんいつでもコチョコチョの刑はOKだぜ。
日和 「うわ〜ん、私そこまで食いしん坊じゃないよ、それに〜後からいじめられるのが分かってるのに、そんなことしないよ〜」
そう言いながら、俺の手から逃れようとする日和。
健二 「・・・そうだよな・・・俺に仕返しされるのが分かってて、日和がそんなことする訳ないよな」
俺は、日和を問い詰めるのをやめた。
日和 「そ、そうだよ〜私、ほんとに違うんだからね」
ちょとすねながらも、自分への疑いが晴れて安心する日和。
健二 「う〜ん、だったら他に怪しい奴は・・・そうか! 清香、犯人はお前だな!」
ビシッ! 俺は清香を指差しながら叫んだ。
清香 「何でこのあたしが、あんたの弁当食べなくちゃならないのよ」
うんうん、清香、お前の言うことはもっともだ、しかし・・・。
健二 「いや、清香、お前は知らないだろうが、きっとお前のそのリボンが、アメーバのように伸びて、俺の弁当を食べたんだ、だからお前のリボンはそんなに巨大なんだろ?うんうん、きっとそうだ」
清香 「あんた、それ、マジで言ってんの?」
健二 「マジ!」
清香 「こぉの、バカ健二! 何バカなこと言ってんのよ、そんな事ある訳ないでしょうが!」
バキッ! 清香の蹴りが俺にクリーンヒット!
健二 「ぐわっ! がく」
その場に崩れ落ちる俺。
くそ、俺のお茶目な冗談に、本気で突っ込みやがって・・・。
清香 「ふん! まったくこのバカ、何とち狂ってんだか」
健二 「う、うう、だったら犯人は一体・・・」
俺はよろよろと立ち上がりながらそう言った。
その時俺は、ある事に気付いた。
健二 「待てよ・・・そうか! あいつだ!」
俺はダッシュでそいつの席に向かった。
健二 「南山! お前だな! 俺の弁当食ったのは! ほら吐け、吐くんだ!!」
南山 「うおっ! 健二、いきなり何なんだ!」
俺は南山の襟元を掴みながら迫った。
健二 「質問してるのはこっちだ! 雪希の手作り弁当食ったのはお前だな!」
南山 「しらんしらん! 俺は食ってない、本当だ、俺のコレクションやるから、信じてくれ!」
健二 「何?・・・分かった、信じよう」
南山 「おお、信じてくれたか健二」
ガシッ! がっちりと握手し、改めてお互いの友情を確かめ合う二人だった。
清香 「な、何てバカな友情なの」
呆れる清香。
日和 「うん? いったいどうしたの?」
状況を理解してない日和。
こうしてまた一人、容疑者が消えていった・・・。
そして、その後も犯人探しを続けたが・・・。
清香 「う〜ん、もうこの教室であんたの弁当勝手に食べそうな人何ていないわよ、やっぱりあんたが無意識に食べたんじゃないの」
この教室での聞き込みの後、清香がそう言った。
健二 「清香、それが本当なら、俺ヤバイぞ」
清香 「あんたは最初からヤバイじゃない」
健二 「何だと、このムネ無しチビッコリボン軍!」
清香 「何よ、本当の事でしょ、このバカ健二!」
日和 「もう〜二人ともやめてよ〜」
俺と清香が口げんかして、それをおろおろしながらも日和が止めに入る。
何時ものことだ。
健二 「そ、そうだな、今大事なのは俺の弁当の中身だ」
清香 「それが一大事って言うのも、何か大げさだけどね」
日和 「も、もう、清香ちゃん、駄目だよ〜」
一体健二の弁当の中身は何処に言ってしまったのか?
つづく