夜刀姫斬鬼行(18禁)
テリオス

 


「夜刀姫斬鬼行」の感想をば。

■絵■

横田氏の絵。私にとって今までのテリオスのゲームは完全にエロ重視のイメージがあって、横田氏の絵もそれと同様だったのですが、本作品で「ひょっとしたら伝奇物にもピッタリなんじゃないか?」と思うように。それくらい作品のイメージにぴったりであるよう感じたんですよね。最初からこの絵を見せられていたのだから当然なのかもしれませんが、とにかく雰囲気・イメージに合っているように感じたんですよ。個人的には文句無し。

■音楽■

オープニングの「KAMUY」はかなりかっこいい。ムービーと相まって素晴らしい出来だと思います。その反面挿入歌とエンディングはちと印象が薄いかも。挿入歌が使われるシーンは正に使われるべくして使われるにふさわしいシーンだったと思いますが、あまり印象として残らなかったです。佐藤さん&KOTOKOさんと言うことで凄く期待していたんですが、その辺はちとガッカリ。

BGMはかなり秀逸。戦闘シーンとか震えますね、マジで。

■シナリオ■

大筋としては夜刀神(ヤトノカミ)にまつわる伝奇物、と言う位置付けでよろしいかと。プラス、夜刀神の伝承に関わる一族の確執や”オニ”と呼ばれるモノやそれを狩る者との戦いの要素により熱い”燃え”の要素が加わり、更にはテリオスらしい(?)軽いテイストのテキストの味付けもあって、非常にエンターテイメント性の強い作品となってます。
(※設定が入り組んでいる部分が多いように感じられましたが、ゲームを進めることで明らかになった情報が都度『資料庫』なるコンテンツに追加されていき、いつでも閲覧可能なのは嬉しい機能でした。裏設定等もあって、情報が追加されていくのが楽しみでもあったり)

ヒロインは夜刀神の魂を宿したオニを祓う刀を持った”伝承者”である久沙凪トウ、トウと並ぶかそれ以上の戦闘力を持った謎(?)の少女・桐生月子。そして主人公の隣の家に住むクラスメート・風守桜子の3人。加えて強引に追加された感バリバリなハインも。ハインって攻略対象にする必要あったのかなぁ? 攻略対象にするならするで、もっときっちりシナリオを作り上げて欲しかったです。

ただしヒロイン毎にシナリオがある、と言うよりも”1つの大筋があって、ルートによって各人の動きが変化する”って感じ。複数のシナリオを進めることで明らかになっていく謎や、別のシナリオでは●●だったヤツが今度は○○になったりとか、ありがちと言えばありがちなのかもしれませんけど私は好きです、こーゆーの。

まずはマイナス点から。主にアクションシーンで気になったのですが、盛り上がりに細切れ感があるように感じました。「うおお、キタかぁぁぁ!? ……と思ったらアッサリー……かと思わせてまたキタぁぁぁ……ってまた……」みたいな感じで。これはアクション描写云々ではなく構成の問題でしょうか。クライマックスで緊張感が分断されてしまうのが残念でした。あ、あと剣戟シーンのアクション描写に関してはプラスもマイナスも無く、と言ったところです。元々その点においてNitro+作品のようなクオリティを求めていたワケではありませんし、それを求める作品でもないと思いますし。でも決してアクション描写が目も当てられない、なんてことではないので誤解の無いようお願い致します。黒トウvs月子とかかなり燃えますし。

実はマイナス点はこれぐらいだったり。テキストに関しては「滅茶苦茶面白い!」とかではないのですがシリアスとヌルさがいい感じに混ざっていて、最後まで飽きさせないバランス感覚はかなり秀逸。あとは登場人物の動かし方が非常に上手い点も見逃せません。上記の通りシナリオによって登場人物の行動や行く末が変わるのですが、その変化を見るのもシナリオを進めていく上での大きな楽しみにもなります。

エロに関してはこだわりが無いのですが、テリオスにしては薄かったかな。それでも登場する全ての女性キャラにエロがあてがわれているのは流石。

■キャラクター■

一番のお気に入りは月子。「ちょ、ちょうオッケー……」とか無表情なのに少し照れながら言われたりすると、もうこっちは下がる目尻を押さえるのが大変ですよ。トウもいい。凛々しさの中にある弱さとそれを克服する強さの同居が魅力的。エンディングに出てくるトウ(と言うか)はたまりません。桜子は悪いわけじゃないけどキャラ的にちょっと弱いかな。

サブキャラでは北斗がダントツ。怪しげな術ではなく、純粋に剣の才能だけで反則的な強さを発揮してる点とかかなり好み。月子エンドに出てきた北斗の行く末に関しては、意外性と伏線の使い方に心底シビれさせて頂きました。七生の飄々としたキャラクターも良いですし、隆征の揺ぎ無い信念にも惹かれるものがあります。スカルメールとかはもっと上手い料理の仕方があったのではないか、と残念に思えてなりません。ドクターは最凶最悪の敵キャラとして申し分無し。

と言う訳で「夜刀姫斬鬼行」。卿さんが『ごった煮エンタテイメント』と称してらっしゃいましたが、正にその呼び名がふさわしい作品だと思います。期待していた以上に楽しませて頂きました。後日談とかあったらすげー面白そう。

 

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