ラムネ(18禁)
ねこねこソフト

 

一言で言えば『愛してる』。いきなり意味不明だけどそんな感じ。正直きた。きまくった。心の琴線に触れた。触れまくった。プレイ出来て心から嬉しいと思った。本当に、本当にお礼を言いたい。ありがとう「ラムネ」、ありがとう「ねこねこソフト」さん、本当にありがとう。


先日「DearMyFriend」をクリアした後に『今年やったゲームのランキング』ってのを書いたことがありましたが、その時の順位は

  1. Fate
  2. DearMyFriend
  3. CLANNAD

ってな感じでした。そして今。

  1. ラムネ
  2. Fate
  3. DearMyFriend

皆さんの仰りたいことはわかります。おそらく私が「ラムネ」をプレイ開始した時からこう思われていたことでしょう、「出来がどうあれベタ褒めするんだろ?」と。確かに否定は致しません。ベタ褒めとまではいかないまでも、私はマイナス要素を控えめにしてプラス要素を微妙にオーバーな表現で全面的にプッシュしていたと思います。でもクリアした今、そんなのは本当に馬鹿げた考えであったことがわかりました。「ねこねこ」ファンである自分から贔屓目を差し引いたとしても、この「ラムネ」という作品は絶対の自信を持って支持するに値する作品であると断言致します。

 

そんな興奮冷めやらぬまま、以下微妙にネタバレを含みつつ感想を。

 

■ システム ■

ちょっと反応が悪い気がしました(特にバックログ)。ファンクションキーに対応してますが、それは決して使いやすさには繋がらないと思います。セーブ数は全選択肢セーブしても余るぐらいありますので問題無し。と言いますか、私はあまりシステム周りに拘らないのですぐに何も気にならなくなりましたけど。

ただ残念なのは主人公の名前を呼んでくれないこと。デフォルトの名前はボイスを付けて頂きたい、と言うのは「みずいろ」の時にもあった要望なのですが今回もそれは無し。しかも『○○君だって〜』みたいなシーンで名前だけ省略されるのは流石に厳しかったと思います。それが非常に残念無念。

 

■ CG ■

イベントCGに関しては完成度のバラつきがやや気になりました。まぁ中には「う〜ん」と首を捻らざるを得ないものもありましたが決定的なマイナスには至らないレベルで、全体の総枚数も問題無し。個人的に七海に関するCGはかなり満足(Hシーン以外)。あと背景は可も無く不可も無くと言ったところで、立ち絵は正面から見た絵がやや不安定だったかと。ただ『おまけ』の七海ママに関するCGは可愛いけどやや難あり、って感じでしょうか。

ちなみにお気に入りのCGは七海と『七海スペシャル』を食べているCGと七海とフォークダンスをしているCG。あと子供時代の泣いていた七海が『貸し100』で笑顔になるCG。つか全部七海かよ、って感じですが事実なので仕方ない。

 

■ 音楽 ■

「朱」のレベルにはもう一歩と言ったところでしたが、それでも雰囲気に合ったBGMと3曲あるボーカル曲のレベルはかなり高いかと。OP曲「なんてね76’s」は非常に夏らしいアロハーな(?)曲。あと七海シナリオではED曲が流れてるところで思わず泣いてしまったり。ちなみに「なんてね76’s」ですがこのタイトルには七海シナリオと関係する、非常に深い意味が込められていたんですよね。先日の七夕に行われたイベントの際に裕美姐さんの口からこのタイトルが告げられた時、会場の観客席からは私も含めて笑いが起こりましたが、今思うと浅はかもいいところ。七海シナリオをプレイしていてそれに気付いた時、何とも言えない『してやられた感』がこみ上げてきました(もちろんいい意味で)。

ボーカル3曲のうちの1つ「ラムネ」は正直名曲だと思う今日この頃。

 

■ 世界観 ■

海が見える田舎町。海があるが故の、田舎であるが故の小道具(環境等含む)がよく活かされていたかと思います。例えば幼なじみである主人公・健次と七海の関係も田舎故と言った感がありますし、その2人の関係を際立たせるエピソードもまた然り。これが「みずいろ」のような都会とまではいかないにしろ『街』を舞台にしていたらまた違った作品になっていたのでは。

そして季節は夏。今まで「white」や「みずいろ」で冬を舞台にした作品を扱ってきた「ねこねこ」さんですが、今回の「ラムネ」では夏らしい爽やかさがよく演出されておりました。その辺がプレイ前からちょっと不安でもあったのですが、よくよく考えると『夏らしさ』の表現は「120円の夏」などで実証済みだったんですよね。

 

■ シナリオ ■

「みずいろ」形式と申しますか、子供時代のパートで攻略対象が決定するやり方。この方式は共通部分が少なくなってキャラ毎の攻略でダレることが無くなる事、主人公がある意味『一途』になる事、他のヒロインにとっても脇役として活躍の場が広がる事など利点が多いと思います。その反面、ゲーム性や攻略性などが下がりますがぶっちゃけそんなのは毛ほども求めてないので全く問題はありません。

攻略対象は妹の鈴夏、従妹のひかり、先輩の多恵、そして幼なじみの七海の4人。OPムービーにも出てくる『佐倉裕美』は攻略対象では無いのですが、なかなか重要なポジションにいるキャラクターです。七海を最後に攻略しようと決めていた上で、佐倉が攻略対象であると思い込んでいたので子供時代パートを何回やり直したことか。つかこーゆー人って大量にいらっしゃるのでは?

シナリオが4つでライターさんが4人と言う事はお一人につき1シナリオだったのでしょうか? そのためシナリオによって呼び名の相違が出てきてしまっていたりしたのはちょっと残念(「林間学校」と「校外学習」とか)。大筋には全く関係無いんですけどね。

そしてキャラ別シナリオ・キャラクター感想をクリア順に。

 

……と思ったのですがとても書ききれないので、一番書きたい七海について先に書きます。ネタバレは控えているつもりですが、展開についてなど書いているのでソレが嫌な人は見ない方が無難かも。ただ反転などをしたくない気分なのでそのまま書いてます。御了承下さい。

 

○ 近衛 七海(このえななみ) ○

健次がこの海辺の町に引っ越してきた時からの幼なじみ。隣の家に住み、何をするにしても一緒だった。決して相殺されない2人の間の『貸し借り』、2人だけの秘密、それらは全て健次と七海を繋ぐ絆。

ぶっちゃけた話、七海のシナリオは終盤近くになるまで何もドラマが起こりません。ただただ2人と2人を見守る友人達が織り成す全くもって「普通」の日常。幼なじみ、隣の家、窓越しの会話、子供の頃の思い出。それらは最早アキバで石を投げれば『使っている』ギャルゲーに当たる勢いの要素ばかり。でもここまで心に響くシナリオは他には無い、絶対に無い。

この七海シナリオは他のゲームとは明らかに一線を画してました。幼なじみの2人→お互いを意識しながらも「ただの幼なじみ」としか見ない→事件発生→自分の気持ちに気付く→結ばれる……これが普通のギャルゲーの流れ。でも七海は違う。2人が結ばれるまで何も起こらない。2人がお互いの気持ちを知るような事件も無ければ、自分の気持ちを素直に口にしたくなるような事件も無い。ただただ2人の日常が続くだけ。ただひたすらに続くだけです。言ってみれば2人が結ばれることが最初の『大きなドラマ』と言えるぐらいの物語。

でもその日常の中で2人のお互いへの気持ちを感じることが出来るのです。好きとか嫌いとか、そんなありふれた気持ちではなくて、互いに相手が唯一無二の存在であると言う気持ち。決して恋人同士では無いけれど、2人の間には何人たりとも入り込む隙間は無い。そんな2人が結ばれるのは偶然ではありえなく必然であり、簡単ではないけれど難しくもない。平穏な、でも退屈で平凡な日常の中で、それでもかけがえの無い日々の中で互いを大切に想ってきた2人。

これほどまでに結ばれるのが当たり前のように思える2人はいないでしょう。この『幼なじみ』というものが「萌え」とかそんな軽いものではなく、とことん究極まで突き詰めているのがこの七海シナリオだと思います。紆余曲折を経てドラマティックに結ばれるのではなくあくまでも自然に。でも涙が出るほど胸に染みるような結ばれ方。正直な話、私はここで物語が終わっても七海シナリオを絶賛していたと思います。確かにゲームとしては物足りないかもしれませんが、それでも胸に残るものが確実にあったでしょうから。

その後の展開についてはここでは触れない方向で。ただし、そこにも確かな感動があることだけは書いておきます。

 

以前MMR日記でともさんが『エロでも過激な暴力描写でもない18禁』というお話をなされていた時があったかと思います。「銀色」の1章や「120円の冬」がそれにあたる、と。ひょっとしたらこの七海シナリオもそれに近いものがあるのかもしれない、なんて思いました。それを狙ってらっしゃったのかどうかはわかりませんが、この健次と七海の終盤までのストーリーは決して波乱万丈のものではありませんし、心を躍らせるような出来事が頻発するようなものでもありません。こんな平凡な日常の中で綴られる2人の想い、心の機微を理解出来るのはある程度歳をとっていないと駄目なのかなぁと。ただただ心が温まる、そんな展開。


ベランダを飛び越える行き来。毎朝順番の起こし合い。2人だけのルール。

 

ああ言ってしまいましょうか。

 

七海こそが最高の幼なじみであると。

 

『幼なじみ』という観点からすると私の中で日和を超えました。あくまでも『幼なじみ』という観点から、であって私の中では日和の方が上であることに間違いは無いのですが、それでも日和がいなかったら七海は私の中でNo.1になっていたと思います。ぶっちゃければ七海が大好きです。もう叫びたいぐらい好き。つか実際叫んだ。悶えた。狂おしい。


だめです。書いても書いても書き足りないし、書いても書いても表現しきれません。言いすぎに聞こえるかもしれませんが、この七海シナリオはそれほど私にクリティカルヒットしたんですよ。子供の頃の出来事・約束・思い出の使い方、日常の会話、心理描写、テンポ。今BGMに流れている「ラムネ」を聴いているだけで胸にこみ上げてくる感覚。ああ駄目だ、何が駄目って私が駄目です。駄目になります。ずっと「ラムネ」を聴きながらひたっていたい、そんな気持ち。

 

■PCメインへ■