エーデルワイス(18禁)
OVERDRIVE

 

「エーデルワイス」の感想をば。

■絵■

原画は片倉真二氏。もうすっかりお馴染みです。

■音楽■

プロデューサbamboo氏率いるmilktubが担当。エンディング曲は各ヒロイン毎どころかバッドエンドにまで用意されている徹底ぶり(と言ってもバッドエンドの曲はmilktub名義で出したマキシCDの曲だけど。それとも元々このゲームのためにあったのか?)。オープニング曲と合わせてインパクトはやや弱め。や、もちろんそんじょそこらのゲームとは比較にならないクオリティではありますが、やはりmilktubに対する期待値は高いので、どうしても厳しい評価になってしまいます。

■シナリオ■

孤島「詠伝島」にある全寮制の女子校「詠伝学園」。そこに交換留学制度をきっかけとして主人公・一志が入学してくるのがオープニング。導入部分でわかることですが、実はこの島は錬金術で栄えている島であり、詠伝学園自体も錬金術を必修としたとんでもない学校だったり。ストーリーは全寮制女学校の共学化故に起こる騒動と、錬金術をキーワードとした展開の2つを主軸としたものになってます。

以下クリア順にヒロイン別感想。

▼青空 遥花▼

メインヒロインであり、初めて会った一志に対しても気さくに話しかけてくる、学園内でも人気の高い中心的人物。隣のクラスにも関わらず必要以上に教室に遊びに来たりとなかなか謎の多い行動が。メインヒロインだけあって、学園の裏にある秘密や設定の多くが明かされるシナリオなので、最初にやって良かったのか最後にやるべきだったのか迷うところ。

遥花自身は明るくて可愛らしいんだけど、微妙にキャラが弱いかも。シナリオに関しても『遥花のシナリオ』と言うより『シナリオの中心が遥花』と言った風に感じました。重いシナリオなんだけど、地に足が着いてないイメージがあって、プレイしつつも最後まで第三者的な感情しか持てなかったなぁ。最後の方でバタバタと新しい設定が出てきてご都合主義的に解決していったのもちとマイナスポイント。

▼日向 みずき▼

水泳大好きなスポーツ少女。なんで一志のことを好きになったのか微妙に理解できないんですが、その点以外では非常によく出来たシナリオ……と言うより”流れ”だったかと。ぶっちゃけプロットとしては全然大したことは無いんですけどね。遥花以上に重いシナリオですが、こちらは素直に感情移入することが出来ました。bambooさんが手掛けた作品(グリグリとか)でよく見られる『ハッピーエンドかどうか微妙だけど確かな救いがある』的な展開。

ところでみずきが詠伝学園に入学した理由の「近くに海がある」ってのはありえないと思うんですけど。それだけで錬金術の学園に来るか普通?

▼鴨池 蘭▼

お金大好き。何かと言うとお金を請求してくる守銭奴で、一志に対しては一目惚れっぽい感じ。「楽で便利だよね、一目惚れって」と言いたくなるぐらい、よくわからないまま一志に惚れてました。シナリオも弱くて、正直微妙なキャラでしたとさ。

▼雨宮 なつめ▼

謎多き下級生。遥花シナリオをやってないと意味がわからないところが多かったかもしれませんが、やっててもよく理解出来なかった点も。ある意味”裏メインヒロイン”と呼べるかもしれません。シナリオとしての練り込みは一番よく出来ていたのではないかと思います。

▼伊吹 芽衣▼

おっぱいの大きい担任の先生。寒いダジャレを連発する、と言う設定は後半になるにつれて影を潜めていってしまいましたが、シリアスな展開では確かに不要だったのかもしれません。これもまたシナリオのプロットとしては珍しいものではなかったのですが、シナリオそのものは嫌いじゃありません。以下ネタバレ全開になるので、未プレイでプレイ予定のある方は危険ですのでご注意願います。

芽衣シナリオでわかる『数年前より以前の記憶が無い』と言う設定とゲームの主題である錬金術と言うキーワードが組み合わさった段階で、芽衣先生がホムンクルスであることは容易に想像出来ました。一志に対する愛情を忘れて延命するか、愛情をそのままに短い命を散らすか、の選択。ここで後者を選ぶのは恋愛ゲームの王道ではありますが、芽衣先生が消えるまでは描写せずに、限られた時間を共に過ごす2人を映したままエンディングを迎える構成は秀逸でした。個人的にはそのまま終わっても良かったぐらいです。逆にエピローグには少々拍子抜けした感がありましたし、消えるのが必然ではなく選択した結果だっただけに。

特筆すべきはヒロイン達よりも強いインパクトを与えてくれたサブキャラ達。特にパンチュー先輩は何を言ってるのかわからないけど格好良すぎです。惚れました。

サブキャラ、全寮制学園の共学化等、GROOVER作品である「グリーングリーン」シリーズとの共通点の多さについても語らざるを得ないでしょう。プロデューサーのbambooさんを始めとしてスタッフがほぼそのままだから仕方ない、と言うレベルを遥かに超えた類似性。新ブランドOVERDRIVE発足時にbambooさんが「第1弾なので得意分野で」とどこかで仰っていたような記憶もございますが、そんなレベルすらも超えてます。

主人公の悪友達(デブで変態チックなリーダー格、比較的まともな参謀役、大人しめな性格な巨漢)や怖いけど硬派で尊敬出来る先輩、ブスだけどスタイルのいい勘違い系の同級生(リーダー格の悪友の彼女になる)等は類似と言うより”そのまま”と言っていい程。これはあくまで推測なのですが、あえて「グリグリ」をなぞる事で新規ブランド以上の購買層(=「グリグリ」ファン)の獲得を狙ったのではないかと。

希望としては「主人公達が前の学校でどんな風だったのか」とか「4人の出会い(一部は以前からの知り合いだったらしいけど)」とか「キレた時・やる気になった時は凄い一志」とかの描写が欲しかったかも。特に最後のは設定としてはあったにも関わらず、それらしい描写があまりにも少なかったので寂しい限りでした。

一部にちょっと弱く感じるシナリオもありましたが、全体を通してみれば楽しめるゲームだったと思います。何でも次回作はバンドを題材にするんだとか? 制作者の趣味が全開になるであろうことが簡単に予想出来るだけに、これもまた楽しみですね。

 

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